漫画『ジョジョの奇妙な冒険』を象徴する
最強能力『時間停止』。
初登場は三部ラストのDIO戦。
その革新的な漫画表現は
その後のサブカルチャーに多大な影響を与えました。
この記事では、漫画、ゲーム、アニメなど
ジョジョの各媒体で時間停止が
どのように表現されてきたのかについて
網羅的に解説します。
原作漫画
作中で最初にしっかりと
時間停止能力が描写されたのは
花京院がDIOに挑んだ場面。
花京院のスタンド、ハイロファントグリーンの必殺技
半径20mエメラルドスプラッシュを回避するために使用されました。

構図がほぼ同じ大ゴマを3ページ分ならべ、
その中でDIOの位置だけを変えるという贅沢な手法で
時止めがまさに『世界を支配する能力』であることを表現しています。
今となっては見慣れた感もありますが
初見時は待ちに待った
DIOの能力が明かされたことに加え
このスタイリッシュな表現は実に衝撃的で
心から興奮したものでした。
また、時止め描写といえば
発動時のネガポジ反転もお馴染みです。

シンプルながらも能力の効果範囲が
世界全体に及んでいることが
直感的に理解できる秀逸な表現です。
OVAアニメ
1993年に発売された第三部のOVAアニメでは
『スタンドが現実に存在したらどういう描写になるか?』
という観点からの演出が多く見られ、
時止めの描写にも漫画とは一味違う独自の解釈が伺えます。
音もなく消え、気づいたら別の場所に出現している。
時を止められた側の恐怖感がリアルに描写されており、
実に秀逸な描写ではないでしょうか。
また、このOVA版は時期的に初めて
映像作品で時止めが描写された記念すべき作品であり、
円形の空間が広がって時間が止まる
おなじみの演出もここが初出です。
それと有名な話ですがこのOVAには
後に「東京ゴッドファーザーズ」「パプリカ」などで知られる今敏も参加しており、
特に館から続くDIO戦では
セル画末期特有の
オーパーツ的な美しいアニメーションや演出が堪能できます。
キャラデザが原作と大きく離れているなど
ファンの間でも好き嫌いが分かれやすい本作ですが
好きな人にとっては今なお
心を掴んで離さない罪深い作品でもあります。
3部アーケード

ジョジョのゲームは数あれど
その歴史を語る上で外せないのがこの作品。
1998年に格ゲーの老舗、カプコンからリリースされた本作は
カプコン社内に余程濃いファンがいたのか
原作ありキャラゲーとは思えないほどの気合いの入りようで
その完成度から逆に当時のジョジョの知名度を
向上させる役割すら果たしていました。
そんな本作ですが
当然ながらDIO、承太郎については時止めを実装済み。
隙は大きいものの、一度決まってしまえば
ゲージが尽きるまで相手を一方的に殴り放題になるという
格ゲー技として見ても実に面白い性能のロマン技となっていました。(一応確定で入る状況はある)
技の演出は円形の空間が広がって、
時間停止後は背景が白黒ネガポジ反転になるという
OVA版と原作の折衷案のような演出が採用されています。
その上で、DIOはナイフ投げやロードローラが
それぞれ独立した技として実装されてもおり、
時止めと組み合わせることで
原作のDIOそのものの気分が味わえるという
まさにファン垂涎の完成度。
原作からすると発生が遅いのは解釈違い
という部分もありますが
それを差し引いてもこの時代にこの完成度の
原作再現をしてみせたことは驚異であり、
それがまた、のちの時代のジョジョゲーに対する
期待値を引き上げることにも
つながったのではないかと思います。(良くも悪くも)
ディアボロの大冒険

非公式ファンメイド作品ではありますが、
古参ファンの間ではよく知られる名作フリーゲームです。
リリース時期は2006~2007年ごろ。(※現在は配布停止中)
風来のシレンやトルネコシリーズで知られる
不思議なダンジョンのゲームシステムに
ジョジョのガワを被せたような内容ですが、
ゲームバランスを保ちながらも
ファンが思わずニヤリとするような
ジョジョらしさの取り込み方が極めてうまく、
当時はこれが無料でプレイできることが驚きでした。
そんな本作における時止めとは
発動することで数ターンの間自分だけが行動できるという
ターン性ゲームの特徴を活かした
非常に強力なものとなっています。
ただし、プレイヤーが時止めを使うには
最高クラスのレアDISC(装備アイテム的なもの)である
ザ・ワールドのDISCを入手する必要があり、
まさに高嶺の花といった存在でした。
(ほかにも「ときのがくぼう」というアイテムを使用する方法もありますが
そちらはそちらで入手機会の限られるレアアイテムでした)
ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル(ASB)

2010年にPS3向けに発売された
三部アーケード以来のジョジョの格闘ゲーム。
発売直後は過剰気味な宣伝戦略や
販売直前までひた隠しにされたゲーム内課金要素、
次々に見つかるバグや永久技、
アニメや三部アーケードで上がりすぎた期待値など
様々な要因で賛否の分かれる作品ではありました。
しかしながら原作のイメージをしっかり捉えたモデリングや
原作要素の盛り込み具合に関しては文句のつけようもりません。
全ての部からキャラが登場するという事で
3部承太郎vs4部承太郎、3部DIOvsディエゴなど
部を超えた時間停止能力者同士のバトルが実現できるのも
オールスター企画ならではの醍醐味です。
余談 : 喰らい抜けでDIOがクソキャラ化!?
ASBの時止め関連で時折引き合いに出されるのが
DIOの喰らい抜けの強力さです。
これは、相手の攻撃を受けている時に
一定のゲージを支払って一瞬だけ時を止め、
コンボから脱出するというものなのですが
格ゲーにおいて極めて強力な
喰らい抜けという選択肢を
DIO(とディアボロ)のみの特権としてしまったことで
他キャラから見た理不尽度が
許容値を突破してしまっていたのです。
後のアップデートでコストが見直され、
一定のゲームバランスを取り戻すに至りましたが
正直なところこの辺は多少なりとも格ゲーをプレイしたことがあれば
確実に違和感を感じるポイントだったと思うので
なぜ発売前に気づくことが出来なかったのか
そちらの方が不思議でなりません。
新アニメ
2010年代にスタートした新アニメシリーズでは
原作の漫画的描写をほぼそのまま映像化したような
外連味の利いた時止め描写が特徴です。
リアル感重視のOVA版とは
また一味違った描写ですが、あなたはどちらが好みでしょうか。
スターダスト シューターズ

ジョジョの奇妙な冒険 スターダスト シューターズ(ジョジョSS)は
2014年にリリースされ、2021年にサ終するまで
7年にわたって展開されたジョジョのソシャゲです。
ゲーム性は言ってしまえばジョジョ版のモンストであり、
主に難易度やゲーム性面で賛否はありましたが
ジョジョの能力のゲームへの落とし込み方や
後に続くジョジョソシャゲの足掛かりとなった点は概ね好評で
私も一時期はかなりハマって遊んでいました。
ジョジョSSにおける時止め
このゲームでももちろん時止めはバッチリ実装されているわけですが
中でもナイフDIOと呼ばれるユニットは
時止め+解除時に的全体に20連ダメージという破格の性能であり、
当時私もかなりお世話になった記憶があります。
こうして見てみるとやはり
時止めは見た目のインパクトが強く
自分で使っていてもいかにも敵を一方的に
蹂躙しているという気分になれるのでかなり爽快です。
プレイヤーに手軽に無双体験をさせられるという意味では
開発者視点から見ると実に『オイシイ』存在と言えるかもしれないですね。
ジョジョの奇妙な冒険 ラストサバイバー

2022年から稼働中の
アーケード向け、バトルロイヤル形式の
対戦アクションゲームです。
最大20人のプレイヤーが1つのフィールド内で
ジョジョのキャラクターを操作し、
最後の一人になったものが勝者となるルールです。
多人数同時対戦ということで、
キャラクターごとの能力を活かした駆け引きが魅力となっており
原作再現についても力が入っています。
ラストサバイバーにおける時止め
ゲーム内には、一定の経験値を得ることで
使用できる『アルティメットスキル』があり、
承太郎やDIOなどのキャラクターは
このアルティメットスキルで時を止めることが可能となっています。
演出は円形フィールド拡大 + ネガポジ反転 → 白黒化という定番の流れ。
時間停止中は敵の動きが止まり
一方的に攻撃を加えられるため非常に強力ですが
使用可能になるまでに必要な経験値が多く、
なおかつ1ゲーム中の使用回数に上限があるなど
強い制約によってゲームバランスが保たれています。
(そう考えると、数秒のクールダウンで繰り返し使えていた原作の時止めがどれほど反則的な強さだったが良く分かりますね。)
また、本作ではゲームの残り時間に応じて
移動可能なフィールドが狭まっていく仕様があり、
フィールドが狭まれば狭まるほど有利な
時止め能力者は後に残すとまずいと判断され
他プレイヤーから積極的に狙われやすい、というデメリットもあったりします。
こうした駆け引きは1vs1の格ゲーだった
3部アーケードやASBにはない、本作ならではの面白さですね。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
時間を止める、という発想自体は
ジョジョよりずっと昔からありましたが
それをよりキャッチーで
洗練された形で提示したことが
ジョジョの凄さだと思います。
何より時間操作能力者と聞いて
多少なりサブカルに通じている人ならば
十中八九ジョジョの事を連想せざるを得ないのが
その証明だと思います。

