「地道にコツコツ」は脳に悪い習慣?「脳に悪い7つの習慣」の要点読書レビュー

読書

はじめに

こんにちは、daimaです。

本日ご紹介する書籍は
脳神経外科医として長年にわたって最前線に立ち、
脳機能のスペシャリストとして北京オリンピックの
競泳チームにアドバイスを行った経験もある林 成之氏が
脳外科医としての知見をベースに
脳の「理解」「思考」「記憶」能力を妨げる
7つ悪い習慣について解説した「脳に悪い7つの習慣」です。

本記事ではこの本の中から
特に私が興味を惹かれた主張について
要約を抜粋しつつご紹介します。

「こつこつ頑張る」のは脳に悪い習慣?

一般的に何かを「こつこつ頑張る」ことは
褒められこそすれ悪く捉えられることは殆どないかと思いますが
林氏は意外にもそれが脳に悪い習慣であると断じます。

林氏曰く脳はその仕組み上「失敗したらどうしよう」とか
「ダメだ」「無理だ」という否定語を頭に思い浮かべた瞬間に
「自分を守りたい」という自己保存本能が働き、
それによって脳の働きにブレーキがかかってしまうとのこと。

そして一見堅実に思える
「コツコツ」や「一歩一歩」という考えの裏には
「失敗しないように慎重に進めよう」という
「自己保存のクセ」が隠れており
これがずばり上記の否定語の役割となって
脳が本来のパフォーマンスを発揮することを妨げてしまうというのです。

しかも本書が指摘する「コツコツ」の弊害は
これだけではありません。

例えば何かを「コツコツ」進める場合必ず
一定のゴールに向かって歩みを進めていくことになるわけですが
この「ゴールを意識する」という行為もまた
脳の機能を低下させてしまう原因となるということを
本書中では人がゴールを意識した瞬間に脳の血流が激減したことを示す
実験結果を踏まえて解説しています。

本書中ではこの現象の具体例として
オリンピック決勝のゴール直前でライバルに追い抜かれた
ジャマイカの短距離ランナーの例を挙げていますが
実はかくいう私自身もこれに合致すると思われる個人的経験があります。

それは対戦ゲームをプレイしている際に、
あと一発技が入ればで勝てるという場面に限って
なぜか毎回プレイミスを起こしてしまうことでした。

プレイ中にまんべんなくミスが起こるならまだしも
毎回ここぞという場面でばかり
ミスを起こしていたため不思議に思っていたのですが
本書の指摘を読んで驚くほど合点がいき、
「なるほどそういうことだったのね」と思わず膝を打ってしまいました。

また林氏はこうした失敗の原因を明らかにした上で
・「達成すること」より前に「どう達成するか」という達成の仕方を追求し、最後の詰めに執着すること
・ゴールを実際のゴールより遠くに設定すること
など失敗に陥らないための実践可能な対処法についても言及しています。

「疲れる脳」と「疲れない脳」がある

林氏は脳には「疲れる脳」と「疲れない脳」があり、
それは自分が脳を働かせる対象にどれだけ
興味・関心があるかによって決まるのだと語ります。

というのも林氏曰く脳の疲れを除去する中枢は
「楽しい、おもしろい」と感じる機能を持つA10神経群と繋がっており、
人は「楽しい、おもしろい」と感じることに取り組む際には
そうでないことに比べてずっと疲労を感じにくいのだそうです。

確かに興味のないことを無理やり勉強するときは
短い時間でもすごく頭が疲れるのに
逆に好きなこと、興味のあることに対しては
何時間集中して勉強し続けても
さほど疲労を感じないという経験は私も身に覚えがあります。

そして、このことに転じて林氏は
脳のパフォーマンスを最大限発揮するには
何事に対しても「興味ない、無関係」と切り捨てることなく
どんなことに対しても好奇心を持って前向きに取り組むことが重要だと説いています。

日記やブログを書くことは脳にも良い

本書では思考を深める方法の一例として
日記やブログで考えを整理することを挙げています。

曰く、優秀なプロスポーツ選手の多くが「今日はここができた」
「いまの課題はここにある」という
具体的な目標が伴った日記をつける習慣を持っており
それが脳にとって必要な目標を意識することや、
繰り返し読み返すことで思考を深める上で役に立つとのこと。

またアイディアを記録する際は
絵や図でまとめる事が有効であることにも触れています。

その理由について林氏は思考を絵や図に落とし込むには
論理的なつながりや筋道を考える必要があるため、
至高を深めるための方法である
「繰り返し考える」というプロセスを
自然に組み込むことができるからだと説明しています。

まとめ

医学の専門家の視点から
脳のパフォーマンスを引き出すコツを記した
「脳に悪い7つの習慣」は、
私にとって全く新しい視点から
日ごろの生活態度を見直すきっかけとなる大変有意義な一冊でした。

本書には今回ご紹介した以外にも
まだまだ沢山の興味深い指摘がありますので
kになった方はぜひ本書を手に取ってみてください。

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