【買えるけど…】PS5がいらない3つの理由【転売問題】

ps5ゲーム

はじめに

2020年11月12日に一般販売が開始されて以来、
諸事情により長らく流通価格の高騰が続いていたPS5。

かくいう私もその影響で発売直後に購入できず、
ずるずるとPS4を酷使し続けていたのだが、
つい先日なんとなく気になってPS5の販売状況をチェックしてみると
なんか普通に買える感じになっているじゃあありませんか。

ヨドバシ PS5本体

素晴らしい、これは今すぐ買いだ。さぁポチろう。

…いやまてその前に通常版と
デジタルエディションの違いを調べとかないとな、

もちろん肝心のソフト選びも入念に…

そんなことを考えなつつ
いつもよりテンション高めで
ネットで情報収集すること約2時間。

その結果、
私の心に湧き上がってきたものは
当初の興奮とは全く異質な一つの疑念であった。

「あれ…
なぜだ…?考えれば考えるほど
PS5を買いたいという気持ちが失せていく…?」

買えると分かった時は
あんなにテンションが上がったのに…。

これは一体どういうことなのか、
自分の気持ちを整理する意味も込めて
ここに1つずつその理由を書き出してみたいと思う。

PS5がいらない理由1 『わざわざPS5を買ってまで遊びたいと思えるソフトがない』

ここだけじゃなく既に色々なところで
散々言われてることだけど、これはマジで致命的。

試しにamazonでPS5の
ソフトラインナップをざっと見回してみても
「これは是非ともプレイしたい!」と
直感的にピンとくるソフトが驚くほど全くない。

正確にはPS5独占タイトルの「Demon's Souls」や
評判の良い「オクトパストラベラーⅡ」、
PS4版の前作を遊び尽くした思い出のある
「Marvel's Spider-Man: Miles Morales」など
一部興味を惹かれるタイトルがないではなかったものの
そのためにPS5本体を買うかと言われれば
今ひとつ決め手に欠けていた。

また直近の注目作でいうと
「エルデンリング」や「ホグワーツ・レガシー」なんかがあるけれど
エルデンリングについては既にPS4版の方でクリア済みだし、
ホグワーツ・レガシーに関しては
レビューや購入済みの知人の意見を聞くと
確かにグラは凄いがゲーム性の部分で不満の声もあり
本体購入のインセンティブにまでは至らなかった。

そして今年6月に発売を控えるFF16については
FF7リメイクを含む昨今のいくつかのムーブから
FFブランドに対する信頼値が
限りなく低くなってしまっているため、
こちらもPS5購入の動機までにはなり得なかった。

どのソフトに魅力を感じるかは人それぞれだし、
もしかすると私が気付いていない
魅力的なソフトが埋もれている可能性もあるが、
PS4やPS3で同じくらい経った頃は
もっとすぐに遊びたいソフトが見つかっていたような気もする。

単純にソフトの総数が少ないというよりも
直感的にゲーマとしての琴線に触れてくるソフトが
圧倒的に少ないような気がするのだ。

もっともこれに関してはまだまだ巻き返しのできる要素であるので
本体の入手が容易になった今こそ
魅力的なソフトのさらなる継続投入を期待していきたい。

PS5がいらない理由2 『PS4やSteamで十分』

これも理由1と同じくらい致命的。

PS5でプレイできるゲームのほとんどは
PS4やゲーミングPC(Steam)でも遊べてしまうため
既にこれらの環境があるのであれば
PS5を買うという動機が弱まりかねない。

もっともこの点に関しては反論材料もある。

まずPS4に対しては
当然ながら処理性能の面で圧倒的な差があるため
そこのアップデートを求めてPS5に買い換えるという選択肢は十分にある。

またゲーミングPCに関しては
コストと得られるスペックの関係、
つまりコスパの面でPS5に軍配が上がる。

参考までに公式発表による
PS5の基本スペックは以下の通り。
(ソース : https://www.famitsu.com/news/202003/19194943.html)

PlayStation 5PlayStation 4
CPU8x Zen 2 Cores at 3.5GHz with SMT (variable frequency)8x Jaguar Cores at 1.6GHz
GPU10.28 TFLOPs, 36 CUs at 2.23GHz (variable frequency)1.84 TFLOPs, 18 CUs at 800MHz
GPU ArchitectureCustom RDNA 2Custom GCN
Memory/Interface16GB GDDR6/256-bit8GB GDDR5/256-bit
Memory Bandwidth448GB/s176GB/s
Internal StorageCustom 825GB SSD500GB HDD
IO Throughput5.5GB/s (Raw), Typical 8-9GB/s (Compressed)Approx 50-100MB/s (dependent on data location on HDD)
Expandable StorageNVMe SSD SlotReplaceable internal HDD
External StorageUSB HDD SupportUSB HDD Support
Optical Drive4K UHD Blu-ray DriveBlu-ray Drive

これを見ると例えばGPUの処理能力は
「10.28TFLOPS」とされており、
数字だけ見ればRTX2080の性能に
相当するスペックがある事がわかるし、
CPUも単品で6万近くはする代物だ。

これらを全て単品で揃えるだけでも
裕に15万は越えるため、
ゲームプレイに特化するのであれば
それらを6万ほどの出費で揃えられる
PS5はコスパに優れた選択肢と言えるだろう。

ただこれらの点を考慮しても私の場合、
「まだPS4で十分かな」と思ってしまうのだ。

その理由はやはり、先述した
「欲しいソフトがない」という点に帰結する。

PS5の性能が生きるリッチなソフトはすでにいくつも出ているけれど
そこにさらにもう一押し、
ゲームとしての根源的な魅力を感じられるソフトが登場して来れば
さしもの私も心動かされずにはいられないだろう。
(今でもエルデンでレア泥マラソンする時などはPS5のロード速度が羨ましくなるが)

PS5がいらない理由3 『そろそろ新型PS5が出そうな気配が…』

[噂] 新型PS5は2023年9月発売? 着脱式ディスクドライブ搭載か | EAA!! FPSjp.net(イーエーエー)
UPDATE: 発売時期の一部が2024年になっていたのを修正

今年の秋頃に着脱式ディスクドライブを備えた
新型PS5が登場するのではないかと巷では実しやかにささやかれている。

まだ公式で確定した事実でないことには注意が必要だが
PS4なども過去に数度のバージョン違いが発売されてきたことを考えると
あながちあり得ない話ではないだろう。

そしてもし、そう遠くないうちに新型が出るなら
ますます今PS5を買う必要はないのではと思えてしまう。

もし新型が魅力的なら最初からそちらを買えばいいし、
そうでなくとも新型が出るというだけで
従来のモデルの価格が下落する可能性が出てくるからだ。

新型モデルの登場自体は全くネガティブな話ではないけれど
しかしもし発売当初から供給が安定していれば
素直にその時に買っていたのではと思うと若干複雑な気持ちにはなる。

なぜ転売はこの世から無くならないのか?

転売のイラスト

最後に、PS5について語る上で避けて通ることのできない
転売の問題についても軽く触れておこうと思う。

多くの人が迷惑だ、やめてほしいと
感じているはずの転売行為は何故この世から無くならないのだろうか?

結論から言うと、それは現在の社会に
転売を完全に抑止する制度がないからであり、
またそれを制度的に実施することも極めて困難だからだ。

一番良いのは購入者側がモラルを持ち、
転売を行わない良識を自主的に持つことなのだが
それで転売が無くなるなら
この世はとっくにパラダイスになっているだろう。

一方で、もう少し現実的な方策として
購入側ではなく供給側による対策が考えられる。

ありがちなのは、一名様1台限りの販売や
購入時に商品に購入者の名前を書かせるといった対策だ。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2205/31/news061.html
https://automaton-media.com/articles/newsjp/20220820-215380/
https://www.famitsu.com/news/202102/02213830.html

しかし、このような小売側の努力にも関わらず
転売行為が一向に減らなかったのはご周知のとおり。

このような対策にはどうしても
「抜け穴」ができてしまうものだし、
そもそもメルカリなどのCtoCを通じた
特定の個人の出品が転売目的か否かを判別すること自体が
極めて難しいという問題もある。

ではここでさらに視点を変えて、
「法律」によって転売を
抑制するというのはどうだろうか?

エラー|NHK NEWS WEB

つい先日適用されてニュースにもなった
コンサートや舞台、スポーツの観戦チケットの転売を禁じる
「チケット不正転売禁止法」のように
PS5のような商材に対しても
転売を厳罰化することは不可能なのだろうか?

これも結論から言ってしまうと、
残念ながらやはり限りなく非現実的であるように思われる。

その理由はいくつかあるが、
最たるものはそれが「独占禁止法に抵触する恐れがある」ことだ。

この点については以下のquoraアンサーが
明快な解説をされているので一読をお勧めしたい。

チケットの転売が規制できてPS5やSwitchの規制ができないのはなぜですか? - Quora

ここでは、問題を単純化するために「売ってる人が転売ヤーなのかどうか?」というのは一旦置いといて、仮に「ゲームハードをメーカー希望小売価格よりも高く売ることを禁止したい」ということに焦点を絞って考えてみましょう。

まず、先にも述べたとおり、小売販売では希望小売価格を販売元から小売業者に強制させる行為は独禁法により禁止されています。

そして、ゲームハードの販売方法は通常だと小売販売ですので、メーカー側が「この希望小売価格で売らなかったら取引打ち切るから」と圧力をかけるようなことをするのは完全にアウトです。

(ちなみに、このようなケースで公取委に怒られたので有名な事案が、まさしく初代プレステ時代のソニー(当時のSCE)だったりします)

したがって、ゲームハードの高額転売を禁止するには、独禁法との整合性をうまく取った上で、「ゲームハードをメーカー希望小売価格より高く売ることを禁止する」というような、ドンピシャ狙い撃ちの法律を制定する必要があるのです。

でも…そんな限定的なケース(そして供給が需要に追いついていない一定期間だけ)でしか活躍しないであろう法律を是非とも通したいと思ってる人、今の国会議員に何人いるんですかね…?(少なくとも閣僚方や与党幹部には1人もいなさそう…悲しい…)

どれだけ注目度が高くともPS5は所詮はおもちゃ。

おもちゃが買えないからと言って
そのために法律が整備される可能性はほとんどないと言うことか…
悲しいかな。

このように、転売を防ぐことは極めて難しいし
また法による規制を期待することも同じく難しいであろう事がわかった。

では、その上で改めて
私たちにできることは何だろうか?

私はそれはまず第一に、
「自分自身が転売ヤーにならないこと」、
第二に「過度な転売が他者に迷惑をかけるという自覚を持つこと」
そして第三に「転売ヤーの出品した商品は買わない」ことだと思う。

これらはあまりにも不確かだし、か細い抵抗かもしれないが、
このような認識が広く一般に浸透すれば
少しでも転売による弊害を減らすことにつながる
…かもしれない。

データが示すPS5の惨状

転売問題について取り上げたついでに、
一つの興味深いデータをご紹介しておきたい。

「ゲーム売上定点観測」というサイト様に掲載されている
SWITCHとPS5のハード別国内ソフト売上ランキングだ。

swicthのソフト売り上げランキング

PS5のソフト売り上げランキング

(ソース : https://teitengame.com/salesbyhard.html)

このデータを初めて目にした時、私は思わず我が目を疑ってしまった。
それなりの差はあるだろうとは予想していたが、まさかこれほどとは…。

天下のplaystationで、
ミリオンどころかハーフミリオンに至ったソフトすら
いまだに一本もないというのは信じ難い話だ。

もちろん、switchとPS5の発売日には
3年ほどのブランクがあるので一概には比べられないけれど
かといって後3年でPS5がsiwtchの売上に追いつくとも考えられない。

この惨状がまさかソニー側の想定通りだったとは思えないが
では一体なぜこんなことになってしまったのだろうか?

転売対策の失敗、パーツの高性能さゆえの増産の難しさ、
日本市場を軽視した販売方針、
開発コストの肥大化に伴うサードパーティー離れなど
考えられる理由はさまざまあるけれど
結局はそれら全ての積み重ねなのだと思う。

一方、PS5の売り上げが芳しくないのは日本国内に限った話で
日本より早期に供給が安定した北米中心の海外市場では
Switchに迫る好調な売れ行きを記録しているというデータもある。

海外市場におけるPS5とSwitchの販売推移比較グラフ

PS5 vs Switch Sales Comparison - January 2023
The VGChartz sales comparison series of articles are updated monthly and each one focuses on a different sales
It’s 32 Million PS5 Sales To How Many Xbox Sales, Exactly?
Sony just released results of a blockbuster quarter for the PS5, now that supply has finally been boosted and they can start producing units at a reasonable cli...
PS5 Sales Top 10M As Sales Jump 338% - Europe Hardware Estimates for February 2023
The PlayStation 5 was the best-selling console in Europe with 426,336 units sold for February 2023, according to

ただ、こちらについても本体の好調な売れ行きに反して
ソフトの販売本数は逆に減少しているという懸念材料があったりするなど
将来の展望を正確に予測することは極めて困難だ。

PS5の販売台数が2500万台に到達するもソフト販売本数は前年同期比約1200万本減でPS Plus加入者は180万人減少
2022年11月1日に発表されたソニーグループの2022年度第2四半期(7月~9月)連結決算において、当該四半期に330万台のPlayStation 5(PS5)が売り上げられたことが明らかになりました。これにより合計販売台数は2500万台に達しましたが、一方でゲームソフトウェアの売上は減少しました。

これまで通り海外市場重視の姿勢を継続するのか、
それとも国内市場での挽回を狙っていくのか。

全ては今後のソニー側の動向次第だが、
1ゲーム好きとしては単純に1本でも
遊びたいと思えるソフトが増えることを願うばかりだ。

終わりに

今回、PS5の購入検討を通じて
人はなぜ新型ゲーム機を欲しがるのかと言う根本的な部分や
現代のCtoCビジネスが抱える問題について改めて考え直すきっかけとなった。

特に、CtoCとそれに伴う転売の問題については
PS5の件を教訓に、実行的な対策が
今後あらゆるレベルで強化されていくことを期待したい。

そして私も、まず個人レベルでできることとして
悪質な転売商品は買わないと言うことを徹底していきたいと思う。

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