五万件を超える絶賛レビュー!
ミリオン超え&絶賛レビュー多数の理由とは
今回ご紹介する「Undertale」は、
アメリカ在住のToby Fox氏による個人製作RPGであり、
所謂インディーズゲームに属する作品です。
2018年現在、オリジナルのPC版はSteamで
お値段たったの980円で販売中であり、
さらに2018年5月には、PS4向けにソフト版も発売されています。
UNDERTALE - PS4 (【永久封入特典】ストーリーブックレット 同梱)
- 出版社/メーカー: ハチノヨン
- 発売日: 2018/05/24
- メディア: Video Game
- この商品を含むブログを見る
そしてご存知の方も多いかと思いますが、
この作品は2015年9月の発売からほどなくして
インディーズゲームとしては異例の
ミリオンヒット超えを記録し、
現代のアメリカンドリームを
実現して見せたゲームでもあります。
(2018年7月15日追記 : 売上データなど修正しました)
※ご注意!
・未プレイの方の楽しみを損ねるような情報の記載は避けていますが、ネタバレについては自己責任でお願いします。
・本記事のプレイデータは、PC版にこちらの非公式日本語化パッチを適用したものに基づいています。
上記リンクは、Steamの売り上げなどを集計している「SteamSpy」の、2015年の各ソフトの販売本数(Sales)や収益(Reveneu)といったデータを計測した一覧表です。
ここで、2015年のセールス上位20作品を示す右のテーブルをご覧いただくと、
メタルギアソリッドⅤやCall of Dutyといったビッグタイトルと並んで
「Undertale」の名前が記載されていることが確認できます。
また、wikipediaによると、
本作の2018年時点での売上本数は
実に300万本を達成しており、
その収益は推定15,280,000$(15億28000万円以上!)
という、インディーズゲームとしては
まさに異次元の領域に達しています。
加えて、steamのレビューから見た
ユーザのプレイ後の満足度も非常に高く、
平均値で92%という高い評価を獲得。
シンプルなドット絵のグラフィックを持ち、
オンライン機能も対戦機能もないこのゲームが、
どうしてこれだけ人々の心を掴んだのか?
睡眠時間を削ってまで周回プレイし、
その魅力にすっかり心奪われた私DAIMAが、
その理由を推察してみたいと思います。
未プレイの方は、もちろん
既にプレイ済みの方にも、
数あるレビュー記事の一つとして
楽しんでいただければと思います。
生かすか殺すか? プレイヤーに託された「選択肢」
何がゲームの面白さを決めるのか?
上記のトレーラーを見て頂ければ分かりますが、
Undertleのグラフィックは
至ってシンプルなドット絵です。
戦闘画面はほとんど白黒で
敵の描写も緻密とは言えません。
それでも、Undertleが
多くの人々を魅了できた理由は、
このゲームのテーマにも通じる
優れたゲームデザインにあると私は考えます。
生かすも殺すもプレイヤー次第
「Undertale」のバトルでは、
相手の体力を0にして倒すだけでなく、
戦闘中に相手を説得して、
平和に戦闘を終わらせる選択肢も
用意されています。
説得に成功すれば戦闘は終了しますが、
倒した場合と異なり経験値は得られません。
「Undertale」にもLvの概念は存在します。
経験値を集めればLvが上がり、体力、攻撃力も上昇します。
当然、Lvを上げるほどその後のバトルが有利になりますので、
経験値を得られない「説得」という選択肢は
一見プレイヤーにメリットがないように思えます。
ですが、敵を「倒して」Lvを上げ、
その後のゲームを有利に進めるか、
それとも「説得」して、
低いレベルのままゲームを進めるか、
プレイヤーの意思で選択できるこのシステムが、
「Undertale」を名作にした
最大の要因ではないかと私は考えています。
プレイヤーを惹き込む"仕掛け"の数々
感情移入せずにいられないキャラクターたち
なぜ、「説得」の存在が
「Undertale」を名作としたか?
その理由について挙げるなら、
まずは「Undertale」に登場する
個性豊かなキャラクターたちの事に
触れないわけにはいきません。
「Undertale」のバトル画面には「ACT」という
敵によって内容が変化するコマンドが存在します。
その内容は実に多彩で、
ある敵に対しては「励ます」「脅す」だったり、
別の敵には「いじめる」「いじめない」だったり、
敵によっては「告白する」
なんていうヘンな選択肢も存在します。
これらのコマンドをプレイヤーが選ぶことで
敵は実にさまざまな反応を返してきます。
こちらの行動に怒って攻撃の手を強めたり、
動揺して攻撃パターンが変化したり、
敵意を失い降参することもあります。
この独特のシステムが、
相手の反応を予想するワクワク感につながり、
結果としてモンスターに対する感情移入や、
バトルを単調にしない効果を生み出しています。
また、作者Toby Fox氏はこのシステムについて、
以下のように発言しています。
フォックスが特に気を配ったのは、
ゲーム中のモンスターがそれぞれ
「独立した個人」であるかのように感じられるようにすることだった。
インタビューでは『ファイナルファンタジーシリーズ』を引き合いに出し、
「『ファイナルファンタジー』みたいなRPGのモンスターは
全部おなじように見えるんだ。
そこになんの意味も感じられない」と述べている。
引用 : Wikipediaより
この発言から作者Toby fox氏がプレイヤーに
モンスター達を単なる障害物ではなく、
愛すべきキャラクターとして見てほしいと
考えてゲームを作ったことが分かります。
そしてここで、先の段落で説明した
敵を倒してLvを上げるか、説得して生かすか
プレイヤー自身の判断で選ぶことが出来る
というゲームデザインの
妙味が活きることになります。
登場する敵全てに人格があり、
こちらの選択次第では
友達になることもできる。
この事実が、敵を倒す=殺すことに葛藤を生み
「Undertale」に、単なる娯楽作品以上の評価と
付加価値を与えたのではないでしょうか。
Toby Fox氏は、
なぜ「敵を倒さない選択肢を残したのか?」
と尋ねられて、
「それこそが
この作品のテーマの中核を占めるのであり、
プレイヤー自身で答えを考えてほしい」
引用 : Wikipediaより
と述べたそうです。
緻密なストーリー展開
Undertaleは、ストーリーの面でも
2015年の英国アカデミー賞
ゲーム部門 ストーリー賞ノミネートを始め、
数々のメディア、レビューで賞されるなど
非情に高い評価を得ています。
その詳細については、
実際のプレイで確かめて頂きたいのですが、
謎に満ちたゲーム序盤から
徐々に世界が広がっていき、
すべてが明かされるラストへ繋がる様子は
さながらパズルが組みあがっていくような
心地よい感動をもたらします。
さらに、これはきわどい情報ですが、
Undertaleの一周目をクリアすれば、
必ず二周目以降もプレイしたくなるはずです。
これは、実際にプレイした方は分かると思います。
ゲームを彩る名曲の数々
作者Toby Fox氏自身の手による楽曲は、
どれもテンポがよく盛り上がるものばかりです。
一部、youtubeで視聴できるものを掲載します。
※ゲームプレイまで
楽しみにとっておきたい方は
スルーしてください
これらの楽曲が絶妙なタイミングで使用され、
感動する場面ではしっかり感動させ、
ボス戦ではとことん気持ちを熱くさせてくれます。
これら楽曲が、「Undertale」の評価を
さらに高めたことは間違いないでしょう。
また、これら楽曲は、MOTHERシリーズや
東方projectシリーズの影響も感じられ、
両作品のファンなら尚の事ハマれそうですね。
ちなみに、「Under Tale」のサウンドトラックは
SteamにてDLCとして販売中です。
100曲以上収録で980円という太っ腹さ。
こちらも購入をおすすめします。
もちろん私も購入済みです。
シューティング風味のバトルシステム
「UnderTale」はバトルシステムも特徴的で、
相手のターン中はハート型の自機を操作し、
敵の放つ弾幕を回避する、
シューティングゲームの様な方式を採用しています。
弾幕のパターンは敵によってさまざまで、
一般的な弾幕のパターンにとどまらず、
敵によっては骨や斧の形の弾が飛んできたり、
モフモフの犬が飛んでくることも。
このようなシステムにより、
「プレイヤーの攻撃!」
↓
ビシッ!○○にXXポイントダメージ!
↓
「○○の攻撃!」
↓
バキッ!プレイヤーにXXポイントダメージ!
…といった従来のRPGのやりとりと違い、
相手の個性が表れた、
視覚的にも楽しめる斬新なバトルを楽しめます。
全ての敵に対して、全く異なる対処法が要求され、
毎回毎回「この敵はどんな攻撃を繰り出してくるのか?」
というワクワク感を味わうことが出来ます。
気の利いたユーモアがたっぷり
※個人的お気に入りキャラ、「burgerpants」19歳。
本作を語るうえで外せないのが、
作中に散りばめられたユーモアです。
シナリオ中のコミカルな要素は、
「Mr.ビーン」のようなコメディ番組や、
ネットカルチャーに影響を受けている。
引用 : Wikipediaより
ゲーム中にはナンセンスなギャグが度々登場し、
常にプレイヤーを楽しませてくれます。
シナリオは基本的にシリアスなのですが、
これらユーモアのお陰で
最後まで明るい気持ちで
楽しめる作品に仕上がっています。
グラフィックは賛否両論?
「Under Tale」のグラフィックについては、
ドット絵を基本としたシンプルなものです。
先端技術や美麗なグラフィックを好む方の
ご期待には応えられないかもしれません。
ですが、実際にプレイした私の意見としては
ドット絵であることで、Undertaleの価値が
損なわれることは無かったと感じました。
ドット絵は、プレイヤーに想像の余地を残してくれますし、
「Under Tale」の世界観には
ぴったりだったと思います。
(高度なグラフィックで無かったおかげで、
私の低スペックPCでも
プレイできたという事情もありますが)
もっとも、簡素なドット絵を採用した
グラフィックには各界から賛否両論の意見があり、
例として、以下のような意見があります。
グラフィックについては賛否両論ある。
Giant Bombのウォーカーは「シンプルだが雄弁」と評している。
IGNのプレイギの見解では、グラフィックは「きれいな部分ばかりではない」
「見苦しいところもある」が、音楽とアニメーションがその点を補っていたとも述べている。
Breitbartのプライスは「平板。キャラクターデザインの水準はすばらしいが、
アートワークはそのレベルに達していない」とコメントしている。
The Escapistのクロショーは「最低限というか必要な機能を満たしている程度。
ひとことで言ってしまえば、ダメ」と評する。
一方で、グラフィックを気に入っているレビュアーもいる。
Game Informerのダニエル・タックは、
ビジュアルがキャラクター・設定によくマッチしているという感触を述べており、
PC Gamerのリチャード・コベットも、
ビジュアルによって感動をうまく伝えることに成功していると評価している。
引用 : Wikipediaより
私は、グラフィックが多少簡易であっても、
ゲームとして面白ければ問題ないという意見ですが、
これは、人によってはマイナスかもしれませんね。
こんな方におすすめ
RPG好きなら無条件でおすすめ!
確かに、インディーゲーム特有の癖はありますが、
RPG好き、ストーリー性重視で
グラフィックに強くこだわらない方なら
私は一も二もなくお薦めしたいゲームです。
そのほかにも、プレイにあたって
よくある質問を考えてみましたので、
現時点でプレイを迷われている方は
以下の項目に目を通してみてください。
全体のプレイ時間はどのくらい?
私のクリアタイムは、1周目で約7~8時間でした。
日ごろあまり時間が取れない方でも、
セーブポイントが細かく配置されていますので、
例えば1日15分ずつといったプレイも可能です。
海外製ゲームは文化の違いで楽しめないのでは?
作者のToby Fox氏はアメリカの方ですが、
「Under Tale」は日本のゲームやアニメといった
サブカルチャーの影響が色濃く、
私たち日本人には
かなり馴染みやすい作風となっています。
おすすめの項目でも挙げましたが、
ゲーム全体の雰囲気としては
「MOTHER」シリーズに近いものがあります。
モンスターの見た目も、
アニメ調の愛嬌のあるもので、
マッチョなオッサンが
銃で撃ちあうようなゲームは苦手!
というような方でも安心してプレイできます。
難易度は?非ゲーマーでも楽しめる?
「Under Tale」は、
特に難易度調整に配慮がされています。
作者Toby Fox氏はゲームの難易度について、
難易度がやさしめに、楽しめる程度になっているかどうかよく確かめた。
弾幕シューティングをやったことのない友人にテストプレイを頼み、
初心者でもクリア可能であるとを確認した。
フォックスは本作の難易度設定に最善を尽くしたと考えており、
いまの状態とは別に難易度設定機能などをつけても煩雑になるだけだろうと考えている。
引用 : Wikipediaより
と語っています。
私も特別ゲームが上手いわけでもないですが、
プレイ中に決定的に詰まるような部分はなく、
それでいて、手ごたえも感じられる
絶妙な難易度に仕上がっていると感じました。
また、ゲーム内には
シナリオは気になるけれど、
どうしてもクリアできないという方の為に
救済用の最終手段も用意されています。
(ゲーム内では、
本当にどうしようもない時にだけ使ってね!
と念押しされます)
PCゲームは初めてで不安…
どの家庭にもある普通のノートPCがあれば、
どなたでもすぐ簡単にプレイできます。
ゲーミングPCもコントローラも必要なし!
プレイにあたっては
事前にSteamをインストールする必要がありますが、
最大手のゲーム配信サービスだけあって
インストールは非常に簡単です。
参考 : Steamのインストールについて
参考までに要求スペック情報も掲載しておきます。
最低
OS: Windows XP, Vista, 7, 8, or 10
メモリー: 2 GB RAM
グラフィック: 128MB
ストレージ: 200 MB 利用可能
推奨
OS: Windows XP, Vista, 7, or 10
プロセッサー: 2GHz+
メモリー: 3 GB RAM
グラフィック: 512MB
ストレージ: 200 MB 利用可能
数値では分からない方のために例を出すと、
私の格安ノートパソコン(lenovo)
でもストレスなく遊べました。
ゲーム序盤の展開をご紹介!
ゲームの雰囲気をより正確にお伝えするため、
ゲーム最序盤の展開をほんの少しだけご紹介します。
ご注意!
以下の内容では、
「Under Tale」のチュートリアルにあたる
ストーリーの最序盤についての
ネタバレ情報を含みます。
具体的には「TORIEL」との出会いまでです。
本作未プレイで、
極力前情報なしでのプレイを希望される方は
「まとめ」へスキップされることを推奨します。
それではまずはOPから。
冒険のはじまり
遠い昔、地球はモンスターと人間が治めていました
ある日、人間とモンスターの間で争いが起きました。
長い戦いの末、人間たちは戦いに勝ち…
モンスターたちは魔法で地下に封印されました。
そして長い年月が流れ…
エポット山 201X
その山を登った者は
二度と帰れないと
言い伝えられています。
ストーリーはプレイヤーの分身でもある主人公が、
エポット山に落下する場面から始まります。
FLOWEY、TORIELとの出会い
ゲーム開始時の画面。
金色の花の上で目が覚めます。
落下地点からしばらく進むと
地面から花のようなキャラクター
FLOWEY(フラウィー)が登場。
なにも知らないプレイヤーに、
RUINSでの先輩として、
色々教えてくれるとのこと。
「LOVE」についての説明をし、
「LOVE」をプレイヤーに
分けてあげようと提案されます。
右も左も分からない場所で、
親切な人物(?)と出会えてラッキーと思い、
降り注ぐ「LOVE」を受け取ると…
バーカ
この世はな、
殺るか殺られるか
なんだよ。
死ね。
LOVEに触れた瞬間、HPが残り1となり、
態度を豹変させたFLOWEYが
プレイヤーへとどめをさそうとします
ゲーム開始から数分で
プレイヤーは絶体絶命の危機に…
プレイヤーに弾幕が被弾するその直前、
プレイヤーを囲んだ弾幕が突如消滅し、
FLOWEYは魔法で弾き飛ばされてしまいました。
プレイヤー窮地を救ってくれたのは
ヤギ人間のような姿の女性モンスター、TORIEL。
TORIELはまるで母親のような態度で、
主人公をRUINSの奥へ案内します…
続きはゲーム内で!
TORIELはなぜプレイヤーを救ったのか、
FLOWEYはなぜプレイヤーを殺そうとしたのか
その真相は、
実際にゲームを通じて確かめてください。
さいごに
要点をまとめると…
・笑いあり、感動あり!RPG好きには是非一度プレイしてほしい!
・程よい難易度とロープライスでゲーム初心者にもおすすめ!
・PCゲーだけど環境は普通のPCがあれば全然気にしないでOK!
といったところです。
少しでも興味が湧いたら
ぜひプレイしてみてください!
RPG好きなら、間違いなく買いの作品です!
さいごに
ネットではさかんに話題となっている
「UnderTale」ですが、
日本での認知度はまだまだ低い
のではないかと常々感じています。
私が「UnderTale」を通して
最も感銘を受けたのは、
個人製作のインディーゲームが、
情熱と才能と発想力を武器として、
これほど多くの人の心を動かした
という事実です。
ゲームをプレイしていて、Toby Fox氏の
サブカルチャーやゲーム文化に対する愛情、
プレイヤーに楽しんでもらおうという気概が
ひしひしと伝わってきました。
そして密かに、Toby Fox氏が
私と全く同じ年齢だということにも
少なからぬインパクトを感じています…
(私も頑張らないとなぁ)
この記事を通じて、
「Under Tale」という、
情熱に満ちたゲームの魅力を、
今より一人でも多くの方へ
広げることが出来れば幸いです。