- はじめに
- 完全に詰んでいる手遅れ系なSCP報告書20選
- S. D. ロックの提言 夜明けの刻
- SCP-1739 もう使わないラップトップ
- SCP-2700 テレフォース
- SCP-444-JP 緋色の鳥
- SCP-2154 当節の宇宙
- SCP-2998 異常放送、2485 MHz
- SCP-2002 死した未来
- SCP-2317 異世界への扉
- SCP-3003 歴史の終わり
- SCP-3002 思考抹殺計画
- SCP-3007 二人の芸術家の世界
- SCP-3200 クロノス
- SCP-3649 圧倒的曇天
- SCP-3812 背後から聞こえる声
- SCP-3936 職務に忠実であれ
- SCP-4242 ファウンデーションズ
- SCP-1280-JPヒュームの穴
- SCP-1690-JP犭貪(トン)あるいはウロボロス
- SCP-1450-JPプロトコル・アップグルント
- リリーの提言
- おわりに
はじめに
こんにちは、daimaです。
本日は記事タイトルの通り、
どうあがいても絶望的な
手遅れ系のSCPを20本ほどご紹介します。
記事コンセプトがそのような感じなので
出てくるアノマリーはどいつもこいつも
対抗する財団側が可哀想になるくらいに
無理ゲーすぎるものばかり。
(人類の)敗北を知りたいという
チャレンジ精神をお持ちの方は
ぜひ以下より本編へとお進みください。
完全に詰んでいる手遅れ系なSCP報告書20選
S. D. ロックの提言 夜明けの刻
SCP-001報告書の提言の一つ、
S. D. ロックの提言におけるSCP-001はずばり「太陽」。
ある日太陽がその光に触れたものを例外なく
他の生物を襲うゲル状生物に変貌させてしまう異常性を発現し、
ごく一部を除くほとんどの人類が犠牲となった地獄のような世界で
かろうじて生き延びた一人の財団職員が、
逃げ込んだ洞窟の先で他の生き残りの痕跡を探る様子が描かれています。
この報告書については異常の親玉が
地球上のどこにも逃げ場がない
太陽だという絶望感もさることながら、
一人称視点の没入感を活かした
巧みなホラー的演出がまた秀逸でしたね。
SCP-1739 もう使わないラップトップ
我々はこれが、人々を救命ボートに乗せること、沈みゆく船に置き去りにすることのどちらを意図していたのかは分からない。だが、後者の可能性がはるかに高いようだ。
あらゆる破壊行為に耐性を持ち、
内部に謎の実行ファイルと
犬小屋に繋がれた犬のCGアニメーションを含む
不思議なラップトップについての報告書。
これだけならば異常とはいえ無害なオブジェクトなのですが、
報告書を最後まで読み進めるとその裏に隠された
ある衝撃的な真実にゾッとさせられることとなります…
SCP-2700 テレフォース
かつてエジソンのライバルとも目された
天才科学者ニコラ・テスラを主人公とする報告書。
ある日、次元感を又にかけて
才能ある人物をスカウトしていた異世界人の招待を受け、
別の宇宙で無限のエネルギー発生器を制作する
一大プロジェクトに参加したテスラは
そこで別の宇宙の科学者と協力しについに
その実験台一号となる「テレフォース」を起動させますが
その結果は思いもよらぬもので…
SCP-444-JP 緋色の鳥
もう二度と、失敗を繰り返さないでください。
SCP-444-JPに関しては、誰もが失敗してきました。
他の報告書と比べても
一段と厳重な管理体制に置かれているオブジェクト。
その中身は…
SCP-2154 当節の宇宙
もし、何万光年先の天体でも
タイムラグなしにリアルタイムで
観測できる望遠鏡があったら?
そしてもし、その望遠鏡で見た宇宙には
通常観測された記録より7割も
天体が少なかったとしたら
宇宙では何が起こっていると考えられるだろうか?
そうした非常にスケールのでかい
アイディアを形にしたのがこの報告書。
私も子供の頃に、自分の目に映る夜空の星々が
もしかすると今この瞬間には存在していないかもしれないのだ
という話を知って、子供心に強い好奇心と
同時にかすかな恐怖感を感じた思い出がありますが、
これはまさに当時のそうした感覚を思い出させてくれるお話でした。
SCP-2998 異常放送、2485 MHz
未知の人型実体がどこか暗い部屋で
苦しんでいる様子を示すデジタルビデオメッセージを
含む異常な電気信号についての報告書。
内容的にはかなり難解な部類ですが、
要点だけ抑えておくとまず6回目の反復の時点で地球は
Adidalと称する宇宙からの侵略者の手に堕ちていて、
そこから生き残っていた財団職員たちが
Adidalに一矢報いるために裏で画策する姿が描かれます。
果たして職員たちは地球を
Adidalの支配から解放することができたのか。
その結末はぜひ報告書を読んで
あなたの目で確かめてみてください。(記事の趣旨的にハッピーエンドでないのは確定的に明らかですが)
SCP-2002 死した未来
地球と衝突する軌道に位置していた正体不明の宇宙船
…だったのですが
アノマリーの破壊をポリシーとする
世界オカルト連合 ( GOC )に見つかった挙句に
彼らの所有するレーザー兵器によって
木っ端微塵にぶっ壊されてしまったという
不幸な経緯を持つオブジェクト。
しかし報告書を最後まで読み進めると
本当に不幸だったのはこのオブジェクトよりむしろ
残された人類の方であったことが明らかになります。
SCP-2317 異世界への扉
かくてKESHPETHは命じたり、遠き地への扉は永久に封ぜられよ、恐ろしき貪る者、其の名は永久に忘れ去られてあれ、が我らの世界に戻り来る道を見出すことあるまじくと。
タブを読み進めていくうちに
隠されていた真実が明らかになっていくタイプの報告書。
最後の反復6を読んだ時の
「あ、もうこれどうしようもねーわ」感が実に見事ですね。
SCP-3003 歴史の終わり
人間に寄生して意識と行動をジャックし、
まるで家畜のように支配する
恐ろしい甲虫が大量発生した
地球そっくりな別惑星についての報告書。
どんなに恐ろしくても所詮対岸の火事…
と余裕ぶって読み進めていると
最後の最後で思わず面食らうこととなります。
SCP-3002 思考抹殺計画
無関係な複数の人々の夢に、
同じ東欧系の少女が出現する異常現象についての報告書。
これだけ聞くと
まるで「This man」的なオカルト系与太話なのですが、
報告書を読み進めていくうちに
話は財団がかつて犯したある「業」が絡んで
全く予想外の展開を見せることとなります。
SCP-3007 二人の芸術家の世界
世界中の不特定対数の人々の間で
荒廃した異世界を旅するような幻覚が頻発する事象についての報告書。
この報告書については
途中途中で挟まれる美しいイラストが
話を盛り上げる上で大変効果的に機能しており、
特に最後の一枚に描かれているものの意味を理解した時には
背筋が凍るような思いが味わえることでしょう。
SCP-3200 クロノス
この場所では何かが大きく間違っている。根本的に場違いのような気がするんだ。
年間1000万光年の割合で拡大し続けている
UK-クラス宇宙崩壊シナリオの危険性を含んだ
時空間領域についての報告書。
宇宙に関する報告書はいくつもありますが
この報告書のスケールの壮大さは格別ですね。
SCP-3649 圧倒的曇天
理不尽さと致死性において
S. D. ロックの提言ともタメを張れる
世界規模の異常気象現象についての報告書。
報告書の大部分が報告書タイトルの羅列になっているにも関わらず
どれ一つとして開くことができないため
最初は不具合かと勘違いしてしまいますが
それぞれのタイトルを順番に読んでいくと
この現象によって地球がどうなったのか
理解できるようになっています。
SCP-3812 背後から聞こえる声
SCP-3812: 我は世界を滅ぼしている。我はすべてを滅ぼしている。
SCP-3812: どうして?
SCP-3812: この苦痛はオチだからだ。 我らの存在はジョークだ。 物語は我らを捨てる悲惨なものだ、我らは物語を破壊している。
SCP史上最強の現実改変能力者。
時間の経過とともに力を増しており、
報告書に記述されている時点で
以下の能力があることが確認されています。
・既に死んでいるので実質的に不死身
・一つの国を地球上の歴史から抹消させられる
・XKクラス「世界終焉」イベントを発生させる
・高次元の存在(作者)からの干渉を拒絶する
最強を謳うSCiPは数あれど、
作者の干渉すら拒むSCiPというのはまさに規格外。
このキャラクターがSCPワールドに産み落とされた時点で
もはや全ては手遅れになったと言っても過言ではないでしょう。
SCP-3936 職務に忠実であれ
我々は我々自身の封じ込めを行います。ありがとう。貴方たちがこれを知る必要はないでしょう。
短くも読み手に強い衝撃を与える報告書。
展開上「人類」が滅亡したとは言い切れませんが
手遅れであることは間違い無いでしょう。
SCP-4242 ファウンデーションズ
解くことで過去の特定の地点にワープできるようになる
異常な迷路を複数備えた異常に地下空間についての報告書。
財団はこのオブジェクトを
過去の世界の財団と連携する手段として有効活用しますが
その内に「なぜ過去には行けるのに
未来へは一切行くことができないのだろう」
という疑問にぶち当たります。
そしてその答えは
ある日突如としてSCP-4242から出現した
一人の老人の口から語られることとなります。
SCP-1280-JPヒュームの穴
進むたび、次第に穴は拡大しているようだ。
そして進めば進むほど世界は酷い有様になっている。今日は、人だった液体が混じり合った川を見た。
それは一人一人が囁き合っていて、自分と他人の区別がついていないようだった。
俺が近づくと、そいつらは俺のSRAの現実性に希釈されて、ただの肉のヘドロになって死んだ。
色々な報告書でその名を目にする
スクラントン現実錨(SRA)にフォーカスした報告書。
これまた絶望的な内容ですが
少し見方を変えてみると、
「特定の技術に大きく依存すると
その技術に致命的な欠陥があった場合に
取り返しのつかないことになりかねないよ」という
現実的な教訓を教えてくれるお話だと捉えることもできそうですね。
SCP-1690-JP犭貪(トン)あるいはウロボロス
SCP-1690-JPというのは、まさに宇宙の終端そのものである。それはある日突然我々の存在を根こそぎ消し去り、誰も消滅したことにすら気づくことは出来ないだろう。そしてその後に待っているのは、絶対的な"無"である。
難しい用語が沢山出てくるので
大雑把に概要を説明しておくと、
「あらゆる物質を消失させる空間が
光を超える速度で拡大し続けていることがわかったから
それから逃れるために亜光速航行で時間の進みをゆっくりにしてみたり
人類全員で仲良く平行宇宙にお引越ししたりしてみるよ」
とった具合の報告書。
もっともこれらの対処法は所詮時間稼ぎに過ぎず、
このアノマリーに関しては
存在に気づいた時点でもはや人類は完全に詰んでいます。
わずかに希望があるとすれば
報告書中で管理者が語っているように
財団はまだ完全には諦めてはいないということでしょうか…
SCP-1450-JPプロトコル・アップグルント
この文書が接続することを許可しますか?
今回ご紹介した中でも
もしかしたら一番怖いかもしれない報告書。
プロトコル・アップグルントの全容を理解した時、
きっと背筋に冷たいものを感じずにはいられないでしょう。
リリーの提言
SCP-001を収容する必要はありません。
本記事の締めくくりは
手遅れという言葉をそのまま
形にしたかのようなこちらの報告書で。
オブジェクトの説明を読み進めた先の
最後の一文を読んだ時の衝撃は今も忘れられません。
おわりに
世の中では異世界転生ものが流行っていますが
今回の記事をまとめていて
もし自分が異世界転生するとしても
SCP財団の世界は絶対に嫌だなと確信しました。
それだけに、この絶望的な世界で
日夜戦い続ける財団職員の方々には
全く頭がさがる思いがします。
人類の存続のためこれからも
お仕事頑張ってください<(_ _)>