死亡フラグとは?映画、ドラマ、漫画でよく見る代表例16選

田んぼの様子を心配する農家のイラスト雑学・お役立ち

はじめに 死亡フラグとは?

今ではすっかり市民権を得た感のある「死亡フラグ」という言葉。

これは特定の条件を満たしたことを示すコンピューター用語の「フラグ」に
「死亡」が組み合わさった合成語であり、
それを満たした対象が高確率で死亡、あるいはそれに近い状態に陥る
特定のシチュエーションを意味するネットスラングです。

具体例としては例えば
「俺、この戦争が終わったら田舎に帰って結婚するんだ」
的な事を口走ったキャラが、
必ずと言っていいほどその誓いを果たせぬまま死んでしまう…
といった展開を誰でも一度はどこかで
目にしたことがあるかと思いますがこれぞずばり典型的な死亡フラグです。

つまり、死亡フラグとはいいかえれば
「作劇上のよくある(キャラが死に至る)パターン集」であり、
創作物におけるあるあるネタをよりキャッチーに
言い換えたものであると言うこともできます。

そして本日は、そんな死亡フラグの具体例について、
私の思いつく代表的なものを全部で16種類ピックアップして
ご紹介してみたいと思います。

あらゆる創作物で頻繁に目にする死亡フラグは
悪く言えばベタですが、
良く言えば時代を問わず通用する鉄板ネタであり、
知っておくと人間心理の理解に役立つ…かも知れません。

それでは、いってみましょう。

映画、ドラマ、漫画でよく見る死亡フラグ16選

〇〇が終わったら××することを誓う

頻出セリフ

「この戦争が終わったら結婚するんだ。」「この仕事が終わったら足を洗うんだ」

冒頭の例でも取り上げた
おそらくこの世で最も有名な死亡フラグの一つ。

これ以上ないというほどのベッタベタな死亡フラグであり
中でもありがちな組み合わせに「戦争」「結婚」があります。
(俺、この戦争が終わったら結婚するんだ)

ホラー映画で「すぐ戻る」と言ってから部屋を出る

頻出セリフ

「すぐ戻る」「ここで待ってろ、すぐ戻る」

ホラー映画における定番中の定番死亡フラグ。

1996年の映画「スクリーム」では登場人物の一人である映画オタクが
「すぐ戻るというセリフは命取りだ」というメタ的な発言をしていたりもします。
(その後、すぐ戻るという発言をした人物が本当に殺されるというオチつき)

ホラー作品に登場するDQNカップル

頻出セリフ

「えー こんなところでー(笑)」「いーからいーから」

続けてホラー映画ネタ。
ホラーものにおいてDQNという属性はただでさえリスキーなのに
薄暗い物陰で二人だけでいちゃつき始めた日なんかにゃあもう役満です。

パニック映画で自己中心的な行動を取ったり味方を裏切ったりする

頻出セリフ

「けッ 俺は降りさせてもらうぜ」「お前らは俺の代わりにそこでバケモンの餌になりな!」

創作は基本エンタメであり、
見る側に良い気分になってもらうことを前提としているため
観ている側が「こいつムカつくな〜」と感じるやつほど酷い目に遭うものです(※一部例外あり)。

子供や細身のイケメンを侮るバトルものの筋肉マッチョ

頻出セリフ

「こんなチビが相手かよ!」「おいおいここは託児所じゃねーんだぜ」

近頃はそうでもないのですが、一昔前のバトル漫画などでは
「いかにも強そうな筋肉モリモリのマッチョキャラが
謎めいた美男美女や子供キャラに瞬殺されると言う展開が腐るほど描かれてきました。

では、なぜそんな展開が好まれていたのかといえば、それは主に
マッチョが身に纏う筋肉が現実的な強さの象徴でありかませ犬にするのに最適であったこと、
そしてそうした作品の対象読者である少年少女にとって
子供キャラであればよち自己投影しやすく、
美男美女であればより憧れを抱きやすかったという事情があったものと考えられます。

しかし近年ではこの風潮も少しづつ変わりつつあるようで、
筋肉キャラが順当に強い作品もよく見られるようになっています。

推理もので殺人が起きた後に一人で自室に篭ろうとする

頻出セリフ

「殺人鬼なんかと一緒にいられるか!俺は自分の部屋に戻らせてもらうぞ!」

推理ものにおけるど定番の死亡フラグ。

この死亡フラグを立てる人はそれが自分の身を守るのではなく
真犯人が密室殺人トリックを披露するためのお膳立てにしか役立たないことを早急に察するべきです。

唐突ないい人描写

頻出セリフ

「こんな俺でも変われるのだろうか」「これからは世のため人のために生きよう」

それまで悪党として振る舞っていた人物が
急に妙にいい人風な発言、行動をし出したら要注意。

それは「悪人」を「実はいい人かも」と思わせてから
「殺す」ことで受け手の心にインパクトを残すための死亡フラグかもしれません。

また、極悪人が改心して新たな人生を踏み出そうと決意したところで
それまでの報いが祟るような死に方をさせることで、
一度犯した罪はそう簡単には償えないのだという
因果応報を表現する目的で死亡させられるパターンもあります。

決勝で会うことを誓うライバル

頻出セリフ

「決勝で会おう」「決勝で待ってるぜ」

誰もが一度は目にしたことがあるであろう、スポーツものやバトルもののド定番の死亡フラグ。

主人公のライバル的なポジションのキャラ、チームにこのセリフを言わせた上で
トーナメントの適当なところで別の新たなライバルに負けさせることによって
・新たなライバルの強さの印象づけ
・ライバルの無念を背負うことによる主人公側の負けられない理由の強化
・主人公が何度も同じ相手と戦う描写を回避し展開のマンネリを阻止。
などのさまざまな恩恵にあずかることができます。

このように作劇上極めて便利な死亡フラグなのですが、
あまりにも使い古されすぎたために近年では
このフラグが立った時点で先の展開が読めてしまうということが多くなり、
ネタ、ミスリード以外の目的でまともに採用する作品は
ほとんど見掛けられなくなってしまいました。

任務の失敗を責められて逆ギレしボスに歯向かう敵側の下っ端

頻出セリフ

「このまま殺られるくらいなら…!」「いつまでもいい気になってんじゃねー」

作戦に失敗して逃げ帰ってきた敵の配下が
ボスからそのことについて責められて逆ギレし、
あわよくばボスの座を奪おうとして突発的に謀反を起こすパターン。

しかし一度負けて手の内を出し切ったキャラが
まだまだこれから出番が山盛りのボスキャラに勝たせてもらえるわけもなく、
多くの場合返り討ちに会って殺されてしまいます。

漫画、アニメ、ドラマ問わず多くの作品に見られる死亡フラグであり
特に敵とはいえ主人公に無用な殺生をさせることが憚られる子供向け作品においては、
役割を終えた敵キャラを自然な流れで退場させつつ
ボスの強さ冷酷さも強調できる極めて利用価値の高い死亡フラグとして重用されています。

ちなみにボスに叱責を受けた際に
「もう一度チャンスをくだされば必ずや…」的な殊勝な態度に出た場合、
尺の都合によってはそのまま粛清されてしまいますが、
運が良ければ(?)再生怪人的にもう一度活躍の機会が与えられることもあります。

サスペンスドラマで他人の弱みを握って金銭要求する小悪党

頻出セリフ

「まだまだこんなもんじゃあ足りないなぁ」「ま、これからもよろしく頼みますよ」

お昼のサスペンスドラマで100回は見た光景。

ドラマにおけるゆすりたかり行為は
視聴者に「こいつは殺されても仕方ないな」と思ってもらうための確認作業に過ぎず、
その後はほぼ100%、脅した側が脅された側に殺される展開に発展します。

殺し方としては脅した側が後ろを向いた瞬間に
手近にあった石などで咄嗟に撲殺というのがありがちですが、
ロケーションが石段の最上階であった場合は
これまたほぼ100%、そこから突き落とされて転落死することになります。

特に後者は殺しのピタゴラスイッチとでも呼ぶべき黄金パターンであり
サスペンスドラマを見ていて場面が石段のある風景に映りかわった時点で
その後の展開が読めてしまったという方も少なくないのではないでしょうか。

主人公を差し置いてラスボスに挑む主人公側の実力No2くらいのやつ

頻出セリフ

「お前の出る幕じゃない」「俺で十分だ」

北斗のレイとかドラゴンボールのベジータとかね…
中途半端に強いと何かと貧乏籤を引かされがちです。

主人公より先に事件の核心に迫る脇役

頻出セリフ

「ま、まさかあの人が黒幕だったなんて…」「早く知らせなくては…!」

 主人公より早く事件の核心に辿り着いてしまった脇役が、証拠が記録されたPCとか資料の前で「な…なんてことだ」「まさかあの人がこんな…」みたいなことをブツブツ呟いた後に真犯人に殺害されるパターン。

殺害が実行されるタイミングは事件の真相を伝えるために電話しようとした瞬間、あるいは帰宅途中に襲われるなどいくつかのバリエーションが存在します。

台風の日に田んぼの様子を見に行くお年寄り

創作ではなく、現実に存在する死亡フラグ。

台風の日に田んぼの様子を見に行くといって
用水路などに転落し、亡くなってしまう方が後を絶たないことから
代表的な死亡フラグの一つとして扱われるようになりました。
ちなみに本記事のサムネはこれをイメージして選出しています。

脱出ポット的なものを強奪して自分だけ助かろうとする悪役

頻出セリフ

「このポッドは1人用でね」「諸君らの無事を祈る」

悪役の最後の足掻きとして描かれることの多い死亡フラグですが、
大概ポットごと爆発するなどしてご臨終となります。

 バオー来訪者の霞の目博士とかドラゴンボールのパラガスとかがいい例ですね。

怪しげな薬を飲んでマッチョ化or怪物化する悪役

頻出セリフ

「これが私の最高傑作だ…」「どうだこの力は!」

マッドドクター系に多い死亡フラグ。FF7の宝条とか幽遊白書のDrイチガキとかネウロのドーピングコンソメスープとか。

 強くなるのはいいのだが、マッチョ自体が一種の敗北フラグだということを忘れてはいけない。

存在自体が死亡フラグになっている人たち

一部の創作物の中には
存在自体が死亡フラグとなっているキャラクターも存在します。

とくに有名なのは米国のアニメ「サウスパーク」に登場する
レギュラーキャラクターの一人ケニーと
デジモンシリーズに登場するレオモンでしょうか。

前者については作品自体が元々ブラックな作風ということもあってか
ケニーが毎回創意工夫にとんだ死に方を披露することが公認の「恒例」となっており、
後者については公認とまではいえませんが
無印からクロスウォーズまでの全シリーズにおいて
登場すれば漏れなく死亡するという驚異の死亡率を記録したことで
ファンから「歩く死亡フラグ」という
名誉だか不名誉だか分からない称号を与えられることとなりました。

また、小説においては
例えば福井晴敏氏の小説作品においては
菊政という名字を持つ登場人物が
必ず悲惨な最期を迎えることがお約束となっている例があります。

実験生物的な何かが中で浮かんでる水槽

絶対割れる。

おわりに

以上、創作におけるど定番の死亡フラグ集でした。

アマプラなどで昔の作品を見返していると
びっくりするくらいベタな死亡フラグを
大量に発見することが出来て嬉しい限りなのですが、
一方最近の作品ではあまりベタな死亡フラグは見られず、
珍しく描かれたと思ったらミスリードで死亡しないということもしばしば。

これはあくまでも予想ですが
こうした創作ものにおける「マンネリ」の現象の裏には
「死亡フラグ」という言葉が創作側含め
広く普及したことも無関係ではないのではないかと思います。

そう考えると、
死亡フラグという言葉が世の創作のレベルアップに
一躍買ったのだという事が出来る…のかもしれないですね。

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