ジョジョの一番面白い部は?何部から読むのがオススメ?

jojolandsジョジョの奇妙な冒険

はじめに

今年3月に第9部にあたる
「ジョジョランズ」が連載をスタートして
話題を集めている漫画ジョジョの奇妙な冒険。

ですがジョジョはこれまでに
単行本が100巻以上出ている超長期連載ですから、
「読みたいけど巻数が多すぎて手が出し辛い」
「途中の部から読んでもいいの?」「面白い部はどれ?」
とお悩みの方も少なくないのではないかと思います。

この記事では、15年来のジョジョファンで、
ジョジョについての記事を多く執筆してきた私が
こうした疑問に回答してみたいと思います。

結論

まず、わかりやすく
結論から述べてみたいと思います。

まず最初に読むならこの部

1部 >>> 3部 > 4部 > 7部 > 5部 > 9部 > 2部 > 8部 > 6部

各部の面白さの順番

3部 = 4部 >= 7部 = 2部 > 5部 > 1部 > 6部 > 8部

※個人の主観です。

続いて、私がこのように考える理由を解説します。
(極力作品のネタバレは内容配慮していますので、未読の方もご安心してお読みください。)

部ごとの解説

第1部 ファントムブラッド

ジョジョ1部表紙

連載開始は1987年。
ジャンプだと悟空が少年時代のドラゴンボールとか
北斗の拳とかキャプテン翼がやってた頃ですね。

19世紀末のイギリスを舞台に、
主人公ジョナサン・ジョースターと
敵役のディオ・ブランドーとの
数奇な因縁が描かれます。

時代が時代だけあり絵柄は今見るとやや古め。
劇画的というか、同時期に連載されていた
北斗の拳の影響を強く感じる画風です。

一方でお話の内容は
友情、努力、勝利という
ジャンプの基本を押さえた
ストレートな勧善懲悪ものであり、
スタンドバトルや人間関係が複雑になってしまった
最近の部よりむしろとっつきやすいかもしれません。

全五巻とコンパクトにまとまっている点もお手頃で、
絵柄の古ささえ気にならないのであれば
ジョジョブランドを抜きにしても
単体でおすすめできる良作だと思います。

また、本作に登場するディオは
後の3部や6部でも重要な役割を果たすので
後の部を100%楽しむためにも
1部はぜひ押さえておきたいところですね。

第2部 戦闘潮流

ジョジョ2部表紙

連載期間は1987年〜1989年。
時代的には1部が短かったので
その頃とそんなに変わらないですね。

時代設定は第1部から50年後の1940年代で、
主人公はジョナサンの孫にあたるジョセフ・ジョースターです。

戦闘潮流のサブタイトル通り、
1部よりもさらにバトル描写の面白さに
重点をおいた内容となっており、
バトル漫画としての読み応えは1部以上。

敵のスケールも1部から大幅アップしており、
これから初めて読むという方は
期待以上のスペクタクルを味わえること請け合いです。

ただぶっちゃけ第2部は他の部より
第1部ありきの続きものといった感が強いので
2部から読み始めるくらいなら
素直に1部から読み始めることをお勧めします。

第3部 スターダストクルセイダース

ジョジョ3部表紙

連載期間は1989年〜1992年。
フリーザ編のドラゴンボールとか
SLAM DUNK、幽遊白書とかがやってた時代の作品ですね。

時代設定は第2部からさらに50年後の1988年で、
主人公はジョセフ・ジョースターの孫の空条承太郎。
シリーズとしては初の現代日本を舞台とした作品になります。

シリーズでも屈指の人気を誇る承太郎や
スタンド能力が初めて登場したのもこの作品であり、
黄金期のジャンプで3年にわたって連載していたこともあって
ここからジョジョを知った or 読み始めたという方も
少なくなかったのではないでしょうか。

絵柄は前期と中盤以降で大きく変化しており、
前期の方は2部以前から引き続きの劇画風ですが
中盤以降はドラゴンボールの影響を感じる
比較的すっきりとした絵柄にシフトしていきます。

部単体としての面白さもかなり上位。
スタンドバトルの要素が加わったことで
頭脳戦の面白さに磨きがかかっていますし、
東京からエジプトのカイロまで、
世界を股にかけるロードムービー的な楽しさもあります。

ただ、本作には今に続く
能力バトル漫画の草分け的な部分もあるので、
現代の複雑な能力バトルものを読み慣れた人にとっては
今読むと能力の設定や駆け引きがシンプルすぎて
若干物足りなさを感じるところはあるかもしれませんね。

総じて、最初に読む部の選択肢として有力な部ですが、
それでも1部から続くディオとの因縁含め
1、2部を読んでいるからこそ味わえる感動も多々あるので
個人的にはやはり1部から順に読み進める方をお勧めしたいです。

第4部 ダイヤモンドは砕けない

ジョジョ4部表紙

連載期間は1992年〜1995年。
魔人ブウ編のドラゴンボールや
忍空、地獄先生ぬ~べ~などが同期にあたります。

時代設定は3部から約10年後の1999年。
主人公はリーゼントヘアがトレードマークの高校生、
東方仗助が務めています。

これまでの部と異なり、物語の舞台が
最初から最後まで日本の一地方都市(M県S市杜王町)から
移らないことが最大の特徴。

その設定ゆえに描かれるお話の内容も
食べるだけでどんな病気も治してしまう料理の話や
主人公たちがスタンド能力で小金を儲けようとする話、
漫画家(岸辺露伴)の家を訪問する話など
これまでよりずっと身近でのんびりしたものとなっています。

とはいえ、要所要所での命懸けのスタンドバトル描写は健在で、
特に中盤以降はこれまでに無い個性を持った大ボスが登場して、
そのまま終盤に向けて一気に緊迫度が高まる構成となっています。

本作は主人公こそジョースター一族ですが、
2部や3部と比べて過去作との
つながりがそれほど密接では無いので
スタンドの概念さえ押さえておけば
単体で読んでもさほど違和感なく楽しめるのではないかと思います。

第5部 黄金の風

ジョジョ5部表紙

連載期間は1995年〜1999年。
るろうに剣心や遊戯王、
連載初期のONE PIECEなどが同期にあたります。

時代設定は4部から数年後の2001年。
イタリアを舞台に、腐敗したギャング組織の打倒を目論む
主人公ジョルノ・ジョバァーナと
その仲間たちの壮絶な闘いが描かれます。

過去作とのつながりは4部よりもさらに希薄であり、
ジョルノがジョースターの血を引いていることや、
序盤限定で過去作のゲストキャラが登場することなどを除けば
ほとんど独立した物語となっています。

なのでイタリアという舞台設定や
ギャング同士の抗争という題材に
特別に心惹かれるものがあれば
この部から読み始めるのも全然アリ。

また、5部では味方側のブチャラティを筆頭に、
信念を持ったスマートでかっこいいイケメンキャラが
たくさん出てくるので人によってはそこも見所となりそうですね。

ただ、5部後半からは
スタンド能力の分かりづらさや
ネタ切れ感が目立ち出し、
特にラストバトルは超展開&超理論のオンパレードで
なかなか人におすすめし難い内容となっています。

その辺を差し引くと、作品としての完成度は
残念ながら3部や4部よりも1歩劣る印象ですね。

第6部 ストーンオーシャン

ジョジョ6部表紙

連載期間は2000年〜2003年。
NARUTOやヒカルの碁、
シャーマンキングなどが同期にあたります。

舞台は2011年のアメリカ。
主人公はシリーズ初の女主人公の空条徐倫です。

いきなりですが最初に断っておくと
未読の方がいきなりこの部から
読み始めることは全くお勧めできません。

6部は過去の部から続く
血統の因縁が物語の核となっているので、
少なくとも3部だけでも事前に読んでおかないと
その魅力の半分も味わうことができないでしょう。

また、絵のアクの強さ、スタンド能力の複雑さが
1つの頂点を迎えたのもこの部であり
他の部でジョジョ特有の論理展開に慣れておかないと
読み始めて早々で置いてきぼりになる可能性大です。

このように6部は良くも悪くも
ジョジョの特に濃い部分を煮詰めて抽出したような作品なので
間違っても初読者が最初に手を出すべき部では無いでしょう。

第7部 スティール・ボール・ラン

ジョジョ7部表紙

連載期間は2004年〜2011年。

時代設定は19世紀末のアメリカで
5000万ドル(60億円)の賞金をかけた
総距離約6000kmに及ぶ北米大陸横断レースである
スティール・ボール・ラン(SBR)が物語の主軸となります。

そのレースの過程と並行して
国家が絡んだ巨大な陰謀や主人公ジョニィの
精神的な成長、相棒役のジャイロとの
男の友情が描かれるのが本作の特徴。

記憶に残る名場面、名セリフなども豊富で
ファンの間でも密かに評価の高い部となっています。

それまでの世界設定をリセットして
新たにスタートした物語ということで
過去作の知識がなくても楽しめるのも
新規勢にとっては嬉しい点。

ただし、一部キャラクターの名称や能力など
過去作を読んでいるからこそ「おっ?」となる
ファンサービスがそこかしこに
散りばめられているのもの本作の特徴なので、
そこを踏まえるといきなり
7部から読み始めてしまうのは少々勿体無い気もします。

第8部 ジョジョリオン

ジョジョ8部表紙

連載期間は2011年〜2021年。

時代設定は2010年台初頭の日本で、
4部で登場したM県S市杜王町が
再び舞台となっています。

時系列的には7部の100年後の物語ですが
時代設定が大きく離れていることもあり
この部から読み始めても特に問題はありません。
(ファンサービス的に7部のキャラクターの名前などは登場しますが)

主人公は記憶喪失の青年東方定助。
この定助が震災の後に隆起してできた「壁の目」という場所で
ヒロインの康穂に助け出されたことから
ジョジョリオンの物語がスタートします。

さて、そんなジョジョリオンですが
最初に手を出す部としては
正直あまりお勧めはできません。

その理由は第一に、
本作の内容が控えめにいって賛否両論、
率直にいうとイマイチだからです。

そう思う根拠については、
手前味噌ですが以下のレビューを見て頂ければ
概ね理解いただけるのではないかと思います。

評価や好みは人それぞれかと思いますが、
少なくとも私はジョジョを初めて読む人に
ジョジョリオンを推薦したいとは思いません。

お勧めしないもう一つの理由は、
本作の連載期間が歴代最長で
単行本の刊数も多く(27巻)
集めるのがそこそこ大変という点です。

それだけ集められる余裕があるなら
普通に1部から読み進めた方が良いですね。

第9部 ジョジョランズ

ジョジョランズ

最後に、今年3月から連載開始した
現行最新作のジョジョランズについても触れておきます。

舞台はハワイ・オアフ島。
この世の仕組み(メカニズム)の頂点に立つことで
大富豪になることを目指す少年
ジョディオ・ジョースターの物語です。

正直まだ始まったばかりの話なので
評価については差し控えておきます。

一方で一刻も早くSNSなどで話題の波にのりたいなら
現行最新作であるこの9部から読み始めるというのは
十分アリな選択肢かもしれません。

ただ、作中で描写された主人公の家系的に
今後8部の要素が大きく絡んできそうなので
100%楽しみたいならやはり
7~8部は予習しておきたいところでしょうか。

今からジョジョを読み始めるなら?

各部についての所感を述べ終えたところで、
続いて今からジョジョを読み始めたい場合に
どういう方法があるのかについて記していきたいと思います。

ジャンプ・コミックス版

メリット

  • 美麗な表紙イラストが楽しめる
  • サイズが大きいので絵の迫力がある
  • 文字も大きくて読みやすい
  • 作者近影やファンレター(2部冒頭まで)まで読めるのは単行本だけ
  • 由緒正しきオーソドックスな単行本スタイル。

    文庫版に比べてサイズが大きいため場所はとりますが
    絵の迫力や文字の読みやすさはこちらに軍配が上がります。

    かっこいい表紙イラストが大判で楽しめるのも
    ファンとしては見逃せないポイントですね。

    また、「何をするだァーッ!」をはじめとする
    伝説の誤植の数々を生で拝めるのもコミックスだけの醍醐味です。
    (その場合、中古でわざわざ古い版を探す必要がありますが。)

    私的には置き場所に余裕があれば
    是非ともこのコミックス版をお勧めしたいですね。

    文庫版

    メリット

    • コミックスに比べてサイズが小さく場所を取らない。
    • コミックスより若干紙質が良い。
    • セットで買うと美麗なセットケースがついてくる。

    コンパクトなサイズ感で場所を取らないのが文庫版最大の強み。

    セット買いで付いてくるオシャレなカラーケースに入れて飾ると
    雰囲気が出てなおのことベネです。

    ただしその反面、
    サイズの小ささから絵の迫力に乏しかったり、
    文字が読みづらかったりするのはマイナスポイント。

    また、文庫版では現在7部までしか出ていないので
    8部以降も紙で揃えるならコミックス一択になります。

    ジャンプコミックスDIGITAL版

    メリット

    • 電子書籍は場所を取らない。
    • カラー版がある(!)。

    家に何十冊もの漫画本を置くスペースなんてない!
    という方は場所を取らない電子書籍版はいかがでしょうか。

    加えて電子書籍には
    デジタル彩色のフルカラー版もあります。

    最初はジョジョ特有の雰囲気が損なわれるのではと
    心配でしたが、いざ読んでみるとこれが意外に違和感なく、
    既読勢も新鮮な気持ちで読み返すことができてお勧めです。

    スマホだと流石に画面が小さいので
    十分な迫力を感じられる
    タブレットやPC環境での閲覧が推奨です。

    ジョジョニウム

    メリット

    • コミックスよりさらにサイズが大きい。
    • 雑誌掲載時のカラーを完全収録。
    • 巻末に作者によるキャラクター秘話掲載。

    いわゆる愛蔵版であり、
    コミックスを超える大サイズで
    ド迫力の読書体験が堪能できます。

    連載当時のカラーページが
    そのまま再現されている点も
    ファンにはたまらないですね。

    その分お値段がかなりお高めなことや、
    収納スペースを考える必要がある点はデメリット。

    また、地味に大きな難点として
    2015年に3部の最終巻が出版されて以来、
    4部以降は全く音沙汰がないという問題があります。

    総じてファン向けのコレクターアイテムであり、
    初読勢は素直にコミックスか文庫版を選ぶべきでしょう。

    アニメ版

    アニメ版ジョジョ

    メリット

    • 漫画に比べて低コスト。
    • アニメーションと音声とカラー付きで楽しめる。
    • 全体的にクオリティが高い。

    2012年から放映が開始されたアニメシリーズ。

    時代が時代だけに絵も演出も現代的で、
    連載時期の古さを感じさせない魅力があります。

    全体的な作画や演出のクオリティも高く、
    加えて動画配信サービスを利用して一気見すれば
    コミックスを買い揃えるよりも
    はるかに安上がりで済む点も見逃せません。

    一方で部によってクオリティにばらつきがあったり
    原作にあった細かな描写が
    カットされてしまっていたりするのはデメリット。

    声や動きがついたことでうまく補完されたと感じた部分もあれば
    想像の余地が減って逆に味気なくなったと感じた部分もあったので
    初見の方に漫画版とどちらを勧めるかは正直悩ましいところですね。

    終わりに

    部ごとに時代も舞台も主人公もリセットすることで
    途中の部からも違和感なく読み始められるようにしたことは
    スタンド能力に並ぶジョジョの偉大な発明の1つだと思います。

    個人的には読み始めるならこの部から、
    あるいはこの媒体でというおすすめはありますが、
    それ以上に皆さん1人1人の作品との出会いや
    読書体験を大切にして頂ければ幸いですね。

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