はじめに
本日ご紹介するゲームは「One Turn Kill(ワンターンキル)」。
「ファミレスを享受せよ」などの作品で知られるわくわくゲームズによるPvEゲームでお値段は1200円なり。

ゲームジャンルはSlay the Spire(スレイ・ザ・スパイア)に端を発する「ローグライクデッキ構築ゲーム」です。
ご存知ない方のためにこのジャンルの要点をまとめると…
- カードで戦う:プレイヤーはカード(攻撃・防御・特殊効果など)を使って敵と戦う
- プレイごとにデッキを成長:戦闘やイベントの報酬でカードを追加・強化し、自分だけの戦術を作る
- ランダム要素が強い:マップ、敵、入手カードが毎回変わる
- やり直し前提:負けると最初からだが、知識や一部の解放要素は次に活かせる
- 戦略性が高い:運と判断力のバランスが重要
運要素が絡むものの、デッキ構築とカードプレイングでそれを乗り越えていく過程が楽しいジャンルです。
デッキ = コストという新概念
では、Slay the Spire(スレイ・ザ・スパイア)のような先発のゲームに比べた時の
ワンターンキルならではの魅力、個性とはなんでしょうか。
プレイ画面を見て一目でわかる違いは、プレイヤー側に体力の概念が存在しないことです。
タイトルが示すように、このゲームではプレイヤーによるワンターンキル、つまり相手に手番を渡さず一方的に勝利することが大前提となっています。
もし1ターンで相手を仕留めきれずターンエンドしてしまった場合
今度は逆にプレイヤー側が問答無用で1ターンキルされてしまいます。

なので、体力の概念が存在しないわけですね。
そこでプレイヤーは持ちうる手札、山札の全てを使って
敵をワンターンキルすることに心血を注ぐことになるのですが
当然ながら手札のカードを使用するにも一定の条件があります。
それは「カードを使用する場合は、定められたコスト分のカードを新たに山札を引かなければならない」というもの。
なんということでしょう。
使えば使うほど逆に手札が増えるという
通常のTCGではまずありえないこの発想。

じゃあどんどん引きまくってガンガン使いまくれば最強じゃね?
と思われるかもしれませんが事はそう単純ではありません。
なぜなら山札からカードを引くのがコストである以上、
コストとして引くカードが山札に足りなければ
そのカードはプレイできなくなってしまうからです。
要するに、後先考えずにカードを引きまくっていれば
すぐデッキが枯渇して
大量の手札は文字通り宝の持ち腐れとなってしまうのです。

かといってデッキ切れを恐れて
コストの低いカードや山札に手札を肥やすカードばかりデッキに入れれば
今度は手札の対応力が乏しくなって相手を倒しきれなくなったり、
最悪の場合は手札0でゲームオーバーなんて事態にも陥りかねません。

この、山札と手札のバランス感、駆け引きこそがワンターンキル最大の魅力であり、
他にない唯一無二のゲーム性を生み出す原動力となっているのです。
謎多きストーリーの魅力
基本的なゲーム性をご紹介したところで、次はストーリー部分を見ていきましょう。
本作はゲームシステムもさることながら、このストーリーがまた秀逸なんですよね。
ピクセルアートで描かれる荒廃した世界を舞台としていて、一種の近未来SF的な世界観を有しています。
主人公はザスキア。ある「組織」に所属する刀とコートがトレードマークの白髪美少女です。

ザスキアの任務は敵対組織に奪われた「アクシムコア」を取り戻すこと。
そのために敵の拠点に潜入し、立ちはだかる敵を1ターンキルし続けていくのです。
ここからちょっとだけ 序盤のネタバレ。
…
…
…
無事「アクシムコア」を取り戻し任務を達成したザスキア。
しかしそれも束の間、気づくと任務開始前に巻き戻っているではありませんか。

どうすればこのループから脱出することはできるのか?
ループから脱出できたとしてその先に待ち受けるものは?
謎が謎を呼ぶ物語がここに始まりを告げた…
…というのが本作の大まかなあらすじです。
ここまでの話からわかるように本作のストーリーはループ型で、
同じ相手と何度も繰り返し戦う構成をとっています。
とはいえ敵の強さは基本的にループごとに上昇するので
毎回新鮮な気持ちでバトルに臨むことができますし、
同じ相手でもループ回数や難易度条件で会話内容が変化します。
幾度となくループを繰り返し、より高い難易度をクリアしていくことで
物語の真実に近づくことができるのです。

またネタバレになるので詳細は伏せますが、
ループを繰り返した果てにたどり着く
最後の結末は実に胸を打つものとなっています。
そこまでたどり着くのはちょっと大変かもしれないですが
気になった方はぜひ挑戦してみてほしいですね。
シンプル故の可能性しか感じないゲームシステム
ここで再びゲームシステムの話に戻ります。
先述したように本作のゲームシステムはシンプル極まっているわけですが
そこに深みを足しているのが道中の敵が持つ固有能力です。
例えば道中に戦う相手の一人であるアズウェンは
カードを一定回数使用するたびに
こちらの山札に「過負荷」のカードを増やす能力を持っています。
「過負荷」は何の効果も持たないカスカードなので、
ドローで有効なカードを引く確率が低下してしまいます。
逆にいえばデッキ切れのリスクが減るとも言えるので
これをどう活かすかが攻略の鍵になるというわけですね。
他にもD-rexなどは通常の戦闘に加えて
時間制限の縛りが追加される形になり、こちらの思考時間が制限されます。
ただでさえ一手のミスが死に繋がりかねないこのゲームにおいて
思考時間の制限は言葉で説明する以上の緊迫感があり、他の敵にはないスリルが味わえる個人的にお気に入りの相手です。
本作ではこの他にも様々な妨害能力が登場し、
プレイヤーとザスキアの行手を遮ってきます。
基本ルールがシンプルゆえに、
発想次第でいくらでも面白いボスが作り出せそうなので
ここはぜひとも今後のアップデートやDLCに期待していきたいところですね。
デッキを強化せよ!
本作にも他のローグライクゲーよろしく複数の自デッキ強化要素があります。
まず第一はボス撃破やミッション達成による新規カードの入手。
ワンターンキルでは任務の出発前にボスの強さを個別に設定することができ、
倒したことのない難易度のボスを倒すことで新カードなどの報酬を得ることができます。

続いて第二にはカードの強化要素があります。
これはゲームを少し進めると解放される要素で、
ポイントを消費して好きなカードの能力を強化することができます。
ポイントはすでに倒したボスを再度撃破した場合も入手できるので
どうしてもクリアできない場合は修行僧のような気持ちで今まで倒したボスと再戦してポイントを集め、デッキの基礎能力を底上げして挑み直すという選択肢を取ることもできます。
そして第三は、これは直接のデッキ強化ではないですが
ボスを撃破するごとにランダムで手に入るスキルです。
これらはどれも強力な効果を備え、さらにカードと違い使っても敵の行動順が進まないという強みもあります。
ただし一度に取得できるスキルは提示された三種のうち1つだけなので、自分のデッキや残るボスとの相性を考えて取捨選択を行うことが重要になります。
初見では勝てなかった相手でも、こうした強化要素を活かしたり
デッキを練り直すといったプレイヤー自身の試行錯誤で乗り越えることができ、達成感を味わうことができる。
基本的なことですが、ここをしっかり抑えてるゲームには好感が持てますね。
BGMが素晴らしい
製品紹介ページで自ら売りの一つに挙げているだけあって世界観にマッチしたサイバーで軽快なメロディが耳に心地よく、プレイ体験の質を向上してくれます。
私は最初に耳にした瞬間から引き込まれました。
ボリュームは少なめ
ここまではプラス意見ですがマイナス意見も一応。
全体のゲームボリュームに関してはお値段相応というか、正直現時点では少なめです。
スジの言い方なら3~4時間ほどでストーリーを全クリできてしまうかもしれません。
世界観やゲームシステムが気に入ったからこそ、個人的にはやはりもう少しお値段上がってもいいからボリュームが欲しかった感。
この点は今後のアップデートや続編に期待ですね。
ある程度一つの戦略でゴリ押しが通用してしまう
まだまだカードの種類が多くないこともあり
一つの強い戦略をゴリ押すだけで最後まで行けてしまうこともあります。
カードの追加やボス、任務のバリエーション追加など
今後のアップデートでプレイヤーがより幅広い戦術を練る必然性が増すと嬉しいですね。(こういうシンプルなルールのゲームは少し匙加減を間違うと簡単に「壊れ」ができてしまうのが怖いところではありますが...)
まとめ
年末年始明けでお財布が厳しい中、
お手頃価格でしっかり遊べる良作に出会えたのはラッキーでした。
ここ数年ローグライクデッキ構築ゲームの潮流がきてる気配があるので
この流れで今後もバンバン面白いゲームが出てくれればプレイヤー冥利に尽きますね。
ちなみに1/30までリリース記念で20%オフとなっていますので
(もうあと2日くらいしかないけど)この記事を読んで少しでもピンときたら
あなたも今すぐレッツ「ワンキル」!

