その面白さ、折り紙つき。私の人生観を変えた31冊の素晴らしき本たち

教養
  1. はじめに
  2. 文学・小説
    1. 夜と霧 V・E・フランクル
    2. 人間の土地 サン・テグジュペリ
    3. シッダールタ ヘルマン・ヘッセ
    4. 悪童日記 アゴタ・クリストフ
    5. 老人と海 ヘミングウェイ
    6. ロング・グッドバイ レイモンド・チャンドラー
    7. ローズウォーターさんあなたに神のお恵みを カート・ヴォネガット・ジュニア
    8. スタンド・バイ・ミー スティーブン・キング
    9. 雨・赤毛 サマセット・モーム
    10. トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇 レオ・トルストイ
    11. 砂の女 安部公房
    12. 金閣寺 三島由紀夫
    13. 異邦人 アルフォンス・カミュ
    14. 変身 フランツ・カフカ
  3. 科学・歴史
    1. サピエンス全史 ユヴァル・ノア・ハラリ著
    2. 銃・病原菌・鉄 ジャレド・ダイアモンド
    3. ファスト・アンド・スロー ダニエル・カーネマン
    4. これからの「正義」の話をしよう マイケル・サンデル
    5. フェルマーの最終定理 サイモン・シン
    6. 暗号解読 サイモン・シン
    7. 誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち スティーブン・ウィット
    8. 忘れられた日本人 宮本常一
    9. 入門!論理学 野矢茂樹
    10. 若い読者のための世界史
  4. 哲学・思想
    1. 史上最強の哲学入門 飲茶
    2. 東洋の哲人たち 飲茶
    3. 超訳 論語
    4. カント入門 石川康文
    5. 読書について ショーペンハウエル
  5. その他(エッセイ、ビジネス書など)
    1. ハッカーと画家 ポール・グレアム
    2. イシューから始めよ 安宅和人 著
  6. おわりに

はじめに

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こんにちは!
子供の頃から本の虫で、
今も読書の習慣を欠かさないdaimaです。

本日はそんな私が
面白い本をお探しの方や、
新しい知識を増やしたい方に向けて、
今まで読んできた中でも特に
私の人生観、生き方に
大きな影響を与えた30冊の
素晴らしき本
たちをご紹介します。

中にはマニアックな
話題を扱ったものや、
読み手を選ぶ本も含まれていますが、
専門知識がなくても楽しめて
そして何より、私が心から
出会えてよかったと思えた本だけを
セレクトしています

それではどうぞ。

文学・小説

夜と霧 V・E・フランクル

ウィーン出身のユダヤ人精神科医、
V・E・フランクルがナチスの強制収容所で
体験した極限の人間心理をベースに
人間の生きる意味や絶望に打ち克つ方法を
洞察した文学作品。

アメリカ議会図書館の調査で
「私の人生に最も影響を与えた本」の9位に選ばれ、
世界で1000万部を超える出版部するを誇る本書は
私の人生観にも多大なる影響を与え、
この本から学んだ生に対する姿勢は
今日も私の生き方の重要な指針の一部となっています。

www.taikutsu-breaking.com

この本については別個に
名言のまとめ記事も投稿していますので
ご興味があればぜひそちらもご一読ください。

人間の土地 サン・テグジュペリ

星の王子様で有名な、
空飛ぶ作家サン・テグジュペリの半自伝小説。

20世紀初頭、
一歩間違えれば死に直結する
危険な航空路開拓の任務に当たっていた
郵便飛行士達のエピソードを通じて、
人間の勇気と人生の素晴らしさが
謳われています。

また、ジッドなどフランス文学の
翻訳で有名な詩人、堀口大學による
詩的で情熱あふれる文体も見所のひとつ。

ちなみに、スタジオジブリの宮崎駿監督も
本書が大のお気に入りだそうで、
文庫版の素敵な装丁画やあとがきも
宮崎氏が本書のために書き下ろしています。

シッダールタ ヘルマン・ヘッセ

車輪の下や「そうか つまり君は
そういうやつなんだな」

少年の日の思い出などで有名な
ドイツ出身の作家、ヘルマン・ヘッセが
青年シッダールタの出家から
悟りに至るまでの道のりを描いた一冊。

悟りを開いた後の聖人ブッダではなく、
あくまでも悟りを開こうとして苦悩する
人間ブッダの姿を描いた点が印象的。

父を捨て、友を捨て、財も愛人も捨て、
何もかも捨て去った果てに、流れる川を見て
悟りに至ったシッダールタ。

この作品を読むたび
人生の意味について
深く逡巡させられます。

悪童日記 アゴタ・クリストフ

ハンガリー出身の女流作家、
アゴタ・クリストフが、
齢50にして書き上げた処女小説。

1956年に起きたハンガリー動乱の
亡命者でもある著者が、聡明な
双子の悪童の秘密日記という形式で、
戦争に巻き込まれる無力な市民の姿を
時に残酷に、時に黒いユーモアを持って描きます。

子供離れした精神と知能を持つ双子を始め、
「おばあちゃん」「兎っ子」「司祭」など
登場人物達はみな強烈な存在感があり印象的。

ちなみに余談ですが、
かつてGBAで発売された
MOTHER3というゲームの
主人公リュカとその兄クラウスの名前は
悪童日記の双子の名前が元ネタであり、
私が本書の存在を知ったのも
実はそれがきっかけだったりします。

老人と海 ヘミングウェイ

中学や高校の教科書にも載っている
アーネスト・ヘミングウェイの
代表的な小説作品。

巨大なカジキマグロと死闘を演じ
ボロボロになりながらも
不運に見舞われて報酬を得られず、
それでも最後には心から満足した様子で
静かに眠る老漁師サンチャゴの描写には
国も時代も超えた人間賛歌的な
強い感動を覚えたものでした。

中でも私のお気に入りの一節は、
サンチャゴがカジキマグロとの
戦いの中で呟いた次のセリフです。
「But man is not made for defeat.
A man can be destroyed but not defeated.」

(しかし、人間は打ちのめされるようにはできていないのだ。
人間はいずれ死ぬが、打ちのめされることはありえない)

ロング・グッドバイ レイモンド・チャンドラー

ハードボイルド小説の名手、
レイモンド・チャンドラー最大のヒット作。
日本では村上春樹氏が
チャンドラーのファンを
公称していることで有名ですね。

主人公はクレバーだが情に厚く、
決して自分の信念を曲げない
私立探偵フィリップ・マーロウ。

そんなマーロウが、
謎の多い富豪、テリー・レノックスと
偶然友人になったことから、
ある巨大な陰謀に巻き込まれていく…
というのが本作の大まかなあらすじ。

アメリカ文学を代表する一冊としても、
「さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ」
などの名セリフに代表される、ハードボイルドな
世界観を堪能できる名作探偵小説としても
読書好きならぜひ押さえておきたい名作です。

ローズウォーターさんあなたに神のお恵みを カート・ヴォネガット・ジュニア

現代アメリカを代表する作家の一人、
カート・ヴォネガット・ジュニアが
1965年に発表した長編小説。

親から莫大な財産を受け継ぎ、
生まれながらにして
億万長者のローズウォーター氏は
しかしある理由から貧民を救うために
財産を浪費して慈善事業を起こし、
周囲はそんな彼を狂人扱いします。

資本主義社会の歪みを
著者ならではのシニカルな筆致で
これでもかと皮肉った痛恨の一作。
カート・ヴォネガット作品に
初めて触れる方にもオススメです。

スタンド・バイ・ミー スティーブン・キング

本作の素晴らしい点は、子供時代を
安易に美化していないところにあります。

子供を騙したり虐待する大人や
理不尽な暴力を振るう不良たちなど、
社会の汚い部分はきっちり描いた上で、
苦しい時側に居てくれる友人のありがたみを
痛いほど感じさせる物語に仕上げています。

一般的に娯楽作品の
イメージが強いキングですが、
血の通った『人間』を描かせたら
これほど上手い人もいません。

むしろその本質は、
限りなく文学的なところに
あるのではないでしょうか。

雨・赤毛 サマセット・モーム

英国を代表する作家のひとり、
サマセット・モームによる、
南海をテーマにした短編集。

『面白い作品こそが自らの文学である』
と語ったモームらしく、収録作は
どれも最後にあっと驚く
どんでん返しのあるものばかり。

特に一作目の『雨』は白眉で、
南海のロマン的なムードと
巧みな伏線によって、人間の理性の
脆さが鮮やかに描きだされています。

トルストイ民話集 人はなんで生きるか 他四篇 レオ・トルストイ

武者小路実篤やガンディー、
ウィトゲンシュタインにも影響を与えた
ロシアの文豪トルストイによる民話集。

キリスト教への回帰を深めた
晩年の作であり、その内容は
非常に道徳的かつ啓蒙的なもの。

どれも素朴で温かみのある
お話ですが、個人的には三篇目の
「愛のあるところに神あり」
最も強く心に残っています。

その生涯を通じて
戦争や暴力を否定し、
他者への愛を説き続けたトルストイ。

そんなトルストイの
エッセンスが詰まった本書を読めば、
あなたもきっと、近くの誰かに
優しくしたくなるはずです。

砂の女 安部公房

前衛的な作品を書く作家として
国内のみならず海外からも評価の高い
鬼才、安部公房の長編小説。

そのあらすじは
退屈な日常から離れるために
田舎に昆虫採集に出かけた男が
砂に埋もれいく集落に捕らえられ、
そこで引き止め役の女と二人
強制的に暮らすことになるというもの。

全編を通じて
鬼気迫る緻密さに満ちていて、
特に男を取り囲む砂について
描写するくだりは
読んでいるこちらが息苦しくなるほどの
圧迫感とリアリティを感じさせます。

また、狭い穴に捕らえられ、
砂かきに酷使にされる男の姿は
労働に追われる現代人の皮肉のようであり、
人生そのものの秀逸な
メタファーのようでもあります。

何がどう面白いのか説明しづらいけれど、
なぜだか読む手が止まらない。
例えるなら読めば読むほど味が増す
スルメのような作品です。

金閣寺 三島由紀夫

川端康成とノーベル文学賞を競い、
日本の美を追求した文豪
三島由紀夫の代表作。

稠密で人工的な文体は好みが分かれるが、
青年僧の内面表現や、鮮明なイメージが
思い浮かぶような情景描写は流石に見事。

同作者の憂国、潮騒と並んで
海外でもその評価は高く、
三島文学のエッセンスを味わえる作品として
読書好きならぜひ押さえておきたい一作です。

異邦人 アルフォンス・カミュ

「今日、ママンが死んだ」
「太陽が眩しかったから」などの
名句で知られる不条理小説の金字塔。

一説によると、
この小説のテーマは無神論実存主義であり、
著者のカミュは、神=キリスト教の裁きと
人間の裁きを混同した当時の司法や社会を
批判する目的で本書を書いたそうですね。

尤もこの本を初めて読んだ
18歳当時の私にとって、
そんな小難しい理屈を理解できる由も無く、
ただそれでも不思議と食い入るように
この本を夢中になって読んだものでした。

それは、当時孤立気味だった私が、
自らの意思と理性に殉じたムルソーに
一種の憧れを抱いていたからであり、
その気持ちは今も変わっていません。
(もちろん、殺人は肯定しませんが)

20世紀が産んだ
永遠のアンチヒーロー、ムルソー。

私のように不器用で、
世間とぶつかりまくっている人ほど
その姿に激しく心揺さぶられるでしょう。

変身 フランツ・カフカ

チェコ出身のユダヤ人作家、
フランツ・カフカの
あまりにも有名すぎる長編小説。

男が目覚めたら虫になるという
そのプロットだけでもすでに面白いですが、
この作品を、何が人間を人間たらしめるのか
という実存主義の地点から見てみると、
また一味違った表情が見えてきます。

ちなみに、
一般的に暗い作品とされる本作ですが、
カフカ自身はこの作品を朗読する際、
絶えず笑い、時折吹き出してもいたそうです。
(確かに私も、父親がザムザに
リンゴを投げつけて瀕死にする場面など、
場面を想像して、ちょっと
吹き出してしまった部分がありましたね…)

科学・歴史

サピエンス全史 ユヴァル・ノア・ハラリ著

イスラエルの人類学者である著者が
原始時代から現代に至るまでの
ホモ・サピエンスの歴史を、
様々な角度から分析し
一般向けに読みやすく再構築した一冊。

本書を読んで驚かされるのが、
言語、宗教、科学、国家、経済などの
テーマを幅広く扱う著者の知識量です。

なぜ、ホモ・サピエンスが
人類種の生存競争に勝てたのか、
農耕は私たちを本当に幸せにしたのか 、
貨幣はなぜ広まったのかなど
興味深い複数のテーマに対して
ひとつひとつ明確な論拠を示しながら
斬新な主張を次々に展開する
様子は非常にスリリングであり、
最後まで読み手を飽きさせません。

数百万年に及ぶ
人類の歴史を俯瞰的に学ぶことができ、
なにより読み物として非常に秀逸なので、
楽しみながら知識が得たい方には
本書を強くおすすめします。

銃・病原菌・鉄 ジャレド・ダイアモンド

カリフォルニア大学教授であり
文化人類学者でもある
ジャレド・ダイアモンドはある日、
聡明なパプアニューギニア人の青年から
ひとつの疑問をぶつけられます。

「なぜ、今世界で一番豊かなのが
私たちではなくアメリカ人なのだろうか?」

ジャレド氏はその壮大な謎に対し、
銃・病原菌・鉄という
表題の3要素に着目し、
仮説を立て、事実を検証し、
最後にはあるひとつの
シンプルな結論を得ます。

専門的な科学知識を扱いつつも
最後まで読み手を飽きさせない
刺激的な展開は実に見事。

今まで考えることもなかった
マクロな視点の疑問について、
深く考える機会を得ることができ、
自分の視野を一段階
広げてくれた一冊でした。

ファスト・アンド・スロー ダニエル・カーネマン

あなたがその商品を選んだのは、
もしかしたらあなたの意志ではなく、
巧妙な認知バイアスに
誘導された結果だったのかもしれない…

ノーベル経済学賞を受賞した
心理学者ダニエル・カーネマン氏が、
人間の意思決定を左右する
様々なバイアス(歪み)を
シンプルな実証実験で
次々と明らかにする一冊。

私たちが日頃目にする広告や
身近なスーパーの商品配置など
日常の様々な部分に、心理学の罠が
潜んでいることを気づかせてくれる
まさに目からウロコの一冊です。

これからの「正義」の話をしよう マイケル・サンデル

「多くの人を救うためなら
一人を犠牲にしても許されるか?」
「災害時に物の値段を釣り上げるのは悪か?」

などといった道徳的な諸問題を、
アリストテレス、ベンサム、カント、
ロールズなど、過去の
有名哲学者たちの思想に照らしつつ
「ハーバード熱血教室」で有名な
マイケル・サンデル教授が分析する一冊。

哲学というと専門用語が乱立し、
難解で日常生活には無縁なもの
と思われがちですが
この本の場合は最初に示したように
非常に身近で想像しやすい例題を元に
問題を考えるので、哲学初心者にも
非常にとっつきやすい内容になっています。

読み物として非常に面白いので、
哲学を勉強したいけど何から
手を出せばいいか分からないという方は
とりあえずこの本を手に取って見るのも
大いにアリだと思いますよ。

フェルマーの最終定理 サイモン・シン

300年間誰にも解けなかった数学の難問、
フェルマーの最終定理
解決するまでの道のりを、
徹底した取材によって
良質な人間ドラマに落とし込んだ一冊。

証明解決までの各ステップに対し、
適宜わかりやすい解説があるので
なぜ、どうやってフェルマーの
最終定理が解決したかについて、
専門外の人間でもその大枠は
理解できる作りになっています。

最終定理解決に携わった人々の
人間ドラマが生き生きと描かれており、
また西洋の数学者だけでなく、
日本人数学者の功績に対しても
しっかりページが割かれている点は
同じ日本人として嬉しいところ。
(谷山・志村予想、岩澤理論など )

数学に苦手意識のある人ほど
読んでいただきたい一冊です。

暗号解読 サイモン・シン

再びサイモン・シンになりますが、
この人の本はそれぐらい
面白いのだからしょうがない。

本書のテーマは『暗号技術』
古代ローマからのカエサル暗号から
ナチスドイツのエニグマ暗号
そして現代のRSA暗号まで、
暗号開発に関わる人々の情熱と
その裏に隠された残酷なドラマを
ドキュメンタリーの名手サイモン・シンが
絶妙の語り口で紹介します。

本書を読めば
暗号というものがどれほど
国家の命運を左右してきたか、
そして数学と暗号技術の深い結びつきが
深く理解できます。
IT技術者や数字が好きな方なら
きっとハマること間違いなし。

誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち スティーブン・ウィット

音響圧縮技術MP3の誕生秘話を、
MP3によって隆盛を極めた
海賊版音楽の物語に絡めて綴る、
スリルたっぷりのドキュメンタリー小説。

MP3開発にかける
研究者たちの情熱もさることながら、
海賊版音楽についてのエピソードは
昨今話題(悪い意味で)の漫画村騒動に
重なる部分も感じられます。

忘れられた日本人 宮本常一

あなたは、リアルな
明治時代の日本人の暮らしぶりを
想像することができるでしょうか?

本書は、民俗学者宮本常一が
日本全国をくまなく歩き回り聞き取った
明治から昭和を生きた古老達の体験談を、
民俗学者宮本常一氏が
読み物として楽しめるように編纂した
小説形式のレポート集です。

歴史の授業で習うのとは全く違う、
当時の人々の息遣いや体温まで
感じられるかのような一冊。

伝聞ではなく、
生の声を聞くことの大切さを
しみじみ感じさせられました。

入門!論理学 野矢茂樹

「かつ」「または」「でない」など
私たちが日頃使っている論理の基礎を、
哲学者で東大教授の野矢茂樹氏が
論理記号や計算式を
極力使わずに優しく教えてくれる、
革新的な論理学の入門書。

日本はまだまだ論理思考の
教育体制が整っていないと言われていますが、
それは裏を返せば、
正しい論理の使い方を知ることで
容易に周りから一歩リードできる

ということでもあります。

綺麗な文章を書く上でも、
上司に叱られないうまい報告をする上でも
大いに役立つ論理の土台を
この本で学んでみてはいかがでしょうか。

若い読者のための世界史

オーストリア出身の美術史家
E・Hゴンブリッチが、その名の通り
若い読者に向けて書いた世界史の概説書。

扱う内容はヨーロッパ中心ですが、
原始時代から20世紀前半までの
世界史を網羅的に学ぶことができます。

語りかけるような文体で読みやすく、
ページボリュームも短くまとまっているので、
これから世界史を学ぶ学生や
世界史を復習したい大人にもおすすめです。

哲学・思想

史上最強の哲学入門 飲茶

出オチみたいな表紙ですが、
中身はいたって真面目な哲学入門書です。

元は飲茶氏のサイトで
公開されていたコンテンツを
書籍として再編集したもので、
その簡潔でユーモアのある内容が人気を呼び、
今では哲学入門書のベストセラーとなっています。

「真理」「国家」「神」「存在」という
四つのパートに分けて
名だたる西洋哲学者達の主張が、
この上なくわかりやすく解説されており、
ソクラテスデカルトカントサルトルなど
有名どころはだいたい抑えてあるので、
これ一冊で古代ギリシャから現代までの
西洋哲学の本流を概ね
抑えることができてしまいます。

これから哲学を学びたいという方に、
先に紹介した「これからの正義〜」
と並んで、本書を強くお勧めしたいです。

東洋の哲人たち 飲茶

私たちが知ったつもりになっている
仏教や道教の意外な『真実』を、
『史上最強の哲学入門』の飲茶氏が
豊富な知識と軽妙洒脱な語り口、
そして大胆な解説によって解き明かす
東洋思想の入門書です。

扱う内容は、ヤージュニャヴァルキャから
ブッダ龍樹へ続くインドの原始仏教から、
孔子老子韓非子などの中国思想、
そして親鸞栄西道元などの
日本仏教までの大きく三編に分かれます。

難解な仏教の概念である「空」
「無分別智」の解説が特に素晴らしく、
また、名前だけなら誰でも知っている
あの般若心境の本当の意味の解説など、
読んでいて鳥肌が立つような
驚きの連続でした。

実のところ、
今回ご紹介した本の中でも、
私の人生観を最も大きく変えたのは
この本だったかもしれません。

超訳 論語

超約本は割合当たり外れが大きいですが、
この『超訳 論語』は非常に良かったです。

孔子の箴言の中でも、生きる上で
普遍的に役立つものが選ばれており、
そこに安冨氏の思想を加えた
独自の解釈(=超訳)が展開されています。

巻末には原文も載っているので、
生の孔子と安冨氏の超訳版孔子を
読み比べて楽しむことも可能。

自分の生き方に迷った時、
何度でも読み返したくなる一冊でした。

カント入門 石川康文

近代西洋哲学の集大成とも言える、
イマヌエル・カントの入門書。

理性の限界や自由、善悪についてなど
カントが何に問題意識を持ち、
どのように考えたかが初学者にも
理解しやすいように平易に書かれています。

ヒュームやルソーなど、カント以前の
哲学者についても触れられており、
近代西洋哲学の骨子をつかむ上でもおすすめです。

読書について ショーペンハウエル

カントに影響を受け、
ニーチェに影響を与えた
厭世の哲学者ショーペンハウエルの著書。
その主張は『多読は害である』という
本好きにとっては衝撃的なもの。

こんな本を紹介しては、一見
当エントリの体裁が立たないように思えますが、
内容をしっかり読めば決して
読書そのものを批判しているわけでは
ないことがわかります。

履歴書に「趣味は読書」
書いちゃうような方にこそ呼んでほしい、
読書の意義を見つめ直させられる一冊です。

その他(エッセイ、ビジネス書など)

ハッカーと画家 ポール・グレアム

ITエンジニア、ポール・グレアムが
「どうしてオタクはもてないか」
「ハッカーと画家」「ものつくりのセンス」
などのテーマで論を展開するエッセイ集。

著者が語るハッカー流の
ものつくり哲学は明快で切れ味鋭く、
絵画やデザイン論と絡めて、
プログラマとして最高の仕事とは何か?
をつきつめていきます。

IT技術者はもちろん、IT技術者を雇う
経営者の方や、ITに興味のある多くの方に
広く読んでいただきたい一冊です。

イシューから始めよ 安宅和人 著

東大を出て超大手コンサル会社マッキンゼーに
四年半勤務した経験を持つ著者が、
『知的生産のシンプルな本質』
をテーマに綴ったビジネス書。

その内容は、MECE、フレームワーク
ピラミッドストラクチャなど
ロジカルシンキングの基礎と、
複雑なイシュー(課題)を細かく分けて
解決する著者独自の仕事術を中心に
豊富な図と経験談で解説したもの。

職種に関わらず普遍的に使える
思考術が満載であり、私も
この本から学んで自分の仕事に
取り入れた考え方は数多い。

ロジカルシンキング入門としても、
一般的なビジネス書としても価値の高い、
問題解決の本質に立ち返った一冊。
もっと効率よく仕事をしたい、
全ての働く方におすすめです。

おわりに

あなたの興味を惹く一冊は
見つかりましたでしょうか。

好みに偏った部分はありますが、
どれも今の私の生き方に
影響を与えた素晴らしい本ばかりなので、
ぜひ手に取ってもらえると嬉しいです。

それでは、みなさんの明日が
より知的で豊かなものとなりますように!

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