巷の話題を浚うゲームが
『〜2』『〜3』といった
かつてのヒット作の続編ばかりだというのは
ゲーム業界全体から見れば
あまり芳しくない傾向なのかもしれません。
しかしながら
自分の好きなシリーズの最新作が
10年ぶりに発売されて、
しかもそれが期待を裏切らない
最高の内容であったとしたならば
その嬉しさはやはり格別のものがあります。
そして先週発売されたDMC5は
私にとってまさしくそんな作品でした。
- 出版社/メーカー: カプコン
- 発売日: 2019/03/08
- メディア: Video Game
- この商品を含むブログを見る
本日はそんなDMC5の
ストーリー、キャラクター、ゲーム性、
難易度、オススメポイント、欠点について
ゲームクリアまで遊んだ上で
未プレイの方向けに
あらゆる角度から徹底解説します。
それではいってみましょう。
Let's start the party!!
ストーリー
魔剣教団事件から数年――。
地方都市レッドグレイブ市に、
突如現れた異変。
巨大な樹木が街の中心を貫き、
血を吸う根が人々を襲い始めていた。悪魔退治を生業とする青年ネロは、
移動式便利屋「デビル メイ クライ」の
トレーラーでレッドグレイブに急ぐ。
彼に武装を提供するパートナー、
自称“武器職人”のニコとともに。失ったプライド、奪われた力。
ネロには、取り戻すべきものがあった。湧きだした悪魔どもを蹴散らしつつ、
異変のただ中へと突っ込む。
愛剣レッドクイーンが唸り、
連装銃ブルーローズが火を噴く。そして右手に光るのは――
対悪魔用義手型兵装。
「いいね…暴れまくってやる!」公式サイトより引用
時代設定は4の五年後。
物語はダンテ、レディ、トリッシュが
本作から登場した新たな敵、
魔王ユリゼンに敗北した場面から始まります。
プレイヤーはネロを操作して
ユリゼンに挑みますが、
その圧倒的な力の前にあえなく敗北。
意識を取り戻したダンテが悪魔化し、
捨て身の特攻でネロを逃したところで
DMC5本編の幕開けとなります。
キャラクター
ネロ
4で主人公を務めたダンテの甥っ子。
本作では髪を短く切ったスポーティーな
見た目になっています
かつてのメインウェポンだった
悪魔の右手(デビルブリンガー)を失い、
代わりにニコが発明した
対悪魔用の改造義手「デビルブレイカー」を
携えて悪魔狩りに参戦。
ネロの戦闘スタイルは
対近距離用の剣(レッドクイーン)と
飛び道具の銃(ブルーローズ)、
そこに様々な能力を持つ
各種デビルブレイカーを加えた
扱いやすいバランス型です。
また基本能力として
離れた敵を引き寄せる
ワイヤースナッチがあり、
これがコンボを継続して
スタイリッシュランクを上げる際に
重要な繋ぎ技となっています。
プレイヤーが最初に操作する
キャラクターということもあり
全体的に癖が少なく扱いやすいキャラですが
ダンテと比べると技数が少なく
攻撃が単調になりがちな点と
デビルブレイカーの仕様に少々癖があり、
高ランクを狙うにはプレイヤーの経験と
判断によるカバーが必要となります。
デビルブレイカーについて
▲ガーベラ : 移動にも使える衝撃波を放つデビルブレイカー。ブレイクエイジでは極太高火力レーザーを放つ。
▲ローハイド : 鞭のような広範囲攻撃用デビルブレイカー。ブレイクエイジでは敵を縛り付けてカウボーイのように振り回す
ネロが手にした"新たな力"
ミッション開始前に3個(最大8個)まで
マガジンにセットすることが可能で、
種類によって異なる攻撃方法を有しています。
基本的に使い捨ての武器であり、
使用中に敵から攻撃を受ける、
腕を爆破して緊急回避する「ブレイクアウェイ」を使う、
ボタンため押しで発動する必殺技の「ブレイクエイジ」を使う
のいずれかを満たすと勝手に壊れてしまい、
次のストックがあればそれに自動換装されます。
使用可能なデビルブレイカーの種類は
ストーリーの進行に応じて増加。
その能力はどれも個性的で、
中にはロケットパンチのように
敵を自動追尾して攻撃するものや
デビルブリンガーを模したもの、
ブレイクエイジで敵の時の進みを
遅くするものなどもあります。
総じて回避にも攻撃にも使える
ド派手で見た目にも面白い武器ですが、
所持できるストックに限りがある、
自由に腕を切り替えられないという
2点には注意が必要です。
V(ブイ)
本作で初登場した
魔王ユリゼンを追う黒髪の青年。
その目的からネロと共闘しますが
過去を含め何かと謎の多い人物でもあります。
Vの戦闘スタイルは
シャドウ(黒豹)、グリフォン(猛禽)、
ナイトメア(巨人)の3体の悪魔を使役し
戦闘もそれらを動かして行うものの、
敵へのとどめはV本人が下さなければならない
という非常に風変わりなもの。
このうちシャドウは近距離専門、
グリフォンは遠距離専門で
それぞれ別のボタン
(PS4コンならシャドウ=△グリフォン=□)
で技を繰り出します。
ただ初期設定だと
この2つのボタンが隣り合っているため
誤タップが起きやすいので
やり辛い場合はボタン配置設定で
グリフォンの□をL1あたりと
入れ替えておくのがオススメです。
ナイトメアに関しては
DT(デビルトリガー)使用時限定で
呼び出せる切り札的存在であり、
呼び出すとオート行動で周囲の敵を
殲滅してくれます。
Vの投入は正解だったのか?
戦闘は基本的に人(悪魔)任せという
型破りなスタイルを持つV。
その型破りさゆえに前情報の段階では
このVがDMCの持ち味である
爽快感ある戦闘を体現できるのか
正直懐疑的な部分もありました。
しかしながらいざ実際に動かしてみると
きちんとDMCらしいスタイリッシュな
戦闘が楽しめるキャラに仕上がっていた上に、
その独自性がかえってプレイ体験に良い変化を
生み出していたことに気づいたのです。
Vは手数が多い分火力が高く
スタイリッシュランクも上げやすいのですが
各悪魔(とV)の位置関係や体力ゲージに
注意を払う必要があり、だからこそ
各自の連携がうまく決まった時の快感は
他の主人公にはないものがあります。
そして何より
悪魔ごとに違った動作で繰り出される
とどめ(チェックメイト)アクションに
作り手のこだわりが感じられて素晴らしい。
腹をえぐるように何度も杖を突き刺したり
頭部に刺した杖を脳をかき混ぜるように回したり、
またある時は敵の目玉を杖の先にぶっ刺したかと思えば
最後にはそれを残った敵本体に投げつけてシメて見せたり…
とにかく使って楽しいという点では
他の二人に決して劣らない
イカしたキャラに仕上がっていました。
総じて、Vの参戦は
プレイアブルキャラクターとして
魅力的なのはもちろんのこと、
固定ファンの根強いシリーズ作品において
開発コスト増や受け入れられなかった時の
リスクなどを冒してまでも
これまでにない操作感のあるキャラを
実装して見せた開発側の心意気も含めて
賞賛すべき試みであったと思います。
ダンテ
魔剣士スパーダの息子にして
数々の大悪魔を討伐してきた
伝説のデビルハンター。
…ですが
本作ではゲーム開始直後に行方不明になり
プレイヤーが操作できるようになるのは
ゲーム中盤以降となります。
キャラ性能はトリックスター、
ロイヤルガード、ソードマスター、
ガンスリンガーの4つのスタイルに加え
リベリオン、バルログ、キャバリエーレ、
ケルベロス、エボニー&アイボリー、
コヨーテ・Aなど豊富な武器を使い分ける
引き出しの多さが特徴的。
さらにシリーズ恒例の
デビルトリガー(魔人化)も使用可能。
魔人化時は火力が上昇し、
アーマーと自動回復が付与されます。
しかも本作ではこの魔人化の
さらに上を行くある形態も登場。
ここでのネタバレは避けますが、
とにかくド派手&超絶火力でまさに
最強の切り札といった性能です。
総じて技の豊富さはダントツで、
今作のプレイアブルの中でも
一番やりこみがいのあるキャラに
仕上がっていると言えるでしょう。
ダンテの新武器1 キャバリエーレ
今作で初登場したダンテの新武器が
バイクのような形をした奇妙な武器、
キャバリエーレです。
通常攻撃時は車体を分割して
双剣のように扱い、
スタイルアクション時は騎乗して
悪魔どもを轢殺するこの武器は
動作こそ大振りで隙が大きいものの
ダメージ量とスタイリッシュランクの
上げやすさは随一で、何より
ダンテのクレイジーな性格に
この上なくぴったりなイカした魔具です。
ダンテの新武器2 Dr.ファウスト
射撃装備にも新武器がお目見えです。
帽子のようなこのDr.ファウストは
スキルの使用時にレッドオーブを消費するという
風変わりな特性を持っており、
その代わりに敵からのレッドオーブ獲得量を
増加させる効果を持つ技を備えています。
しかしこの武器に関して最高だったのは
何と言っても入手時のムービーでしょう。
歳を重ねても全く変わらないダンテの姿に
思わずニヤリとしてしまうこと請け合いです。
ニコ
ダンテの愛銃、エボニー&アイボリーを
製作した武器職人ニール=ゴールドスタインを
祖母にもつ女性科学者。
ネロの新武器デビルブレイカーを開発し、
ゲーム内ではショップ担当のほか、
キャラクター名鑑の執筆も
ニコの手によるものです。
トリッシュ
DMC1に登場した
ダンテの母親に似た容姿を持つ女性悪魔。
本作の出番は物語上の登場のみですが
デビルメイクライ4SEでは
プレイアブル化も果たしていました。
レディ
DMC3に登場した
ダンテの仕事仲間の女性デビルハンター。
こちらもトリッシュと同じくプレイアブルはなし。
ユリゼン
Vがダンテとネロに討伐を依頼した魔王。
魔王の名にふさわしい強さと
傲岸不遜な態度を持ち合わせています。
実はその正体は…?
謎の悪魔
ネロを襲撃し、
デビルブリンガーを奪い去った謎の悪魔
フードで顔を隠し、その正体は不明です。
ゲームシステムについて
戦闘/探索
DMC5は過去作同様に
ミッション制となっています。
悪魔や仕掛けが待ち受ける道中を攻略し、
最後に待ち構えるボスを倒すとクリア
というのが基本的な流れです。
ミッションごとの
使用キャラは基本固定ですが、
中には突入時に使用キャラを選択できる
ミッションもあります。
また道中は基本的に一本道ですが、
ところどころに分岐点や隠し通路があり
寄り道をすることで更なるレッドオーブや
ブルーオーブを獲得することもできます。
スタイリッシュランク
『スタイリッシュアクション』を標榜する
DMCならではのシステムがこのスタイリッシュランク。
上げ方のコツは従来のシリーズとほぼ同様で
・多くのコンボを繋げる
・多くの技をコンボに組み込む
・敵からダメージを受けない
・敵の攻撃を引きつけて回避
・一度に複数の敵を撃破する
といったところ。
特に重要なのが
敵の攻撃を受けないこと。
ですので初心者の方は
コンボを完璧にすることよりも
まず何より先んじて回避の徹底を
意識することを推奨します。
ショップ/スキル
ミッション開始前とミッション中の
各中継ポイントで利用できるショップでは
ミッションで獲得したレッドオーブを消費して
キャラクターのスキルや
パラメータを強化することができます。
強化する能力の順番は
プレイヤーの任意ですが
初心者の場合はまず体力の強化を最優先し、
次に基本コンボの充実や
デビルトリガー継続時間の増加等を
優先するのがおすすめです。
やりこみ要素について
シークレットミッション
シリーズ恒例、体力の上限を増やす
ブルーオーブの欠片が入手できる特別ミッションです。
シークレットミッションは
フィールド上に隠された
紋章を見つけ出すことで
トライすることができます。
内容は制限時間内に敵を倒すものから
ノーダメージで敵を殲滅するもの、
ネロのスナッチを駆使して
一回も着地せず目的地を目指すものなどなど。
この辺は特に目新しさはないですが
ゲーム本編の息抜きとしてはいい感じです。
難易度
現在判明しているゲームの難易度は
HUMAN(イージー相当)
DEVIL HUNTER(ノーマル相当)
SON OF SPARDA(ハード相当)
DANTE MAST DIE(ベリーハード相当)
HEAVEN OR HELL
HELL AND HELL
の6つ。
私はひとまず
DEVIL HUNTERをクリアし、
現在SON OF SPARDAを攻略中ですが
これまでのところ全体的な難易度は
3や4と比べるとやや優しめの印象です。
しかしながら決して
ヌルゲー化したわけではなく、
雑魚戦でも気を抜けば一気に
体力を削られる緊張感がありますし
終盤のボス戦の難易度は
DEVIL HUNTERですら何回も
リトライを強いられる手強さでした。
他のPS4の国産アクションゲー(ニーアなど)
と比較しても辛口の難易度ですので、
アクションゲームは苦手という方は
無理せずHUMANからプレイすることをおすすめします。
敵について
グラが美麗になったことで
敵のキモさおどろおどろしさも
極限レベルに上がっています。
何体か代表的なものを見てみましょう。
エンプーサ
ゲーム内で一番最初に戦うことになる
働きアリのような姿の悪魔。
マリオで言えばクリボー、
ドラクエで言えばスライムのポジションであり
羽の生えたグリーンエンプーサや
女王蜂のように巨大なクイーンエンプーサ
などの派生系が多数存在します。
ヘルアンテノラ
両手に鉈を持つ中型の悪魔。
痛覚が敏感で、
攻撃を受けると怒ってアーマー状態で
突進してくる性質があり、
複数の敵と同時に出現した際は
事故を引き起こしやすい難敵です。
デスシザース
仮面を被った幽鬼のような悪魔。
壁や床をすり抜けて行動し、
こちらの攻撃は全て手にしたハサミで
防御してしまうという厄介な敵。
闇雲に攻撃しているとなかなか倒せないので
弱点が露出するタイミングを待って攻撃するのが得策です。
ゴリアテ
ネロ編序盤に登場するボス悪魔。
知能は低いものの持ち前の怪力と
腹部の巨大な口から放つ火球が脅威。
DMCのボスは序盤から
結構容赦ない強さなのが慣例ですが、
このゴリアテも実際かなりの強敵。
初見でノーコン撃破するには
デビルブレイカーの使いどころを
うまく見極める必要があります。
総評
良かった点と悪かった点
GOOD
- 爽快感抜群、病みつきになるアクション性
- 謎が多く飽きさせないストーリー
- REエンジンを採用した美麗なグラフィック
- やりこみ派も納得の難易度設計
- シリーズ伝統のスタイリッシュなキャラクターと台詞回し
BAD
- アクションゲーム慣れしていないプレイヤーには操作がやや難解
- 根本的なゲーム性は旧作からあまり変化がない
- エンディングまでのプレイ時間が短め(20時間前後)
- 戦闘以外のゲーム性は乏しい
こんな人は買うべし! or 向いてないかも
こんな人は買うべし
向いてないかも
過去作未プレイでも楽しめるか?
DMCシリーズ初プレイの方のために
ギャラリーに過去シリーズの
おさらいムービーが用意されています。
しかし本音を言えば本作のストーリーは
過去シリーズからのつながりが大きいため、
初プレイの方はお金と時間に余裕があるなら
まずはDMCコレクション及びDMC4SEを
プレイしてからこのDMC5に手を出して
頂きたいところ。(どちらもPS4で遊べます)
DEVIL MAY CRY 4 Special Edition Best Price - PS4
- 出版社/メーカー: カプコン
- 発売日: 2016/06/30
- メディア: Video Game
- この商品を含むブログを見る
- 出版社/メーカー: カプコン
- 発売日: 2018/03/15
- メディア: Video Game
- この商品を含むブログを見る
中でも「3」と「4」は重要で、
これらをプレイ済みか否かで
ストーリーから受ける印象に
幾分差が出てくるのではと思います。
ただ、本作単体でも
アクションゲーとしては出色の出来ですので
そんな余裕ないよという方は
5から始めても全然良いとは思います。
アクションゲームが得意じゃなくても楽しめるか?
アクションが苦手だけど
DMC5をプレイしてみたいという方はまず
PSストアで配信中の無料体験版をプレイして
ゲームの雰囲気や難易度が自分に合っているか
試してから購入を検討することをおすすめします。
加えて今作は以前のシリーズに比べて
遊びやすさの面に大きな進歩があり、
例えば道中道に迷った時は
左スティックを押し込むことで
キャラが行くべき方向に向き直る
お助け要素が搭載されていたり、
オンライン要素で他プレイヤーから
いいね!を受けるとその回数に応じて
復活アイテムのゴールドオーブが貰えるため
クリアするだけならそれほど難しくはありません。
(スコアを極めようと思うと話は別)
また今ならゲーム序盤としては破格の
100,000レッドオーブがPSストアで
216円(税込)で追加購入できるため
それを購入して序盤を楽に進める方法もあります。
さいごのさいごに
長くなりましたが
私のDMC5レビューは以上です。
細かい部分で粗はあるものの、
ソシャゲ全盛のこんな時代に
国産コンシューマ向けソフトで
こんなにワクワクできるゲームと出会えたことは
私にとって実に素晴らしい経験でした。
アクションゲーム好きなら見逃せないこの一作。
気になったらまずはぜひ無料体験版をプレイしてみてください。
それでは!