はじめに
SCP財団の中でも
アノマリーと並んで強烈な存在感を放っているのが
個性豊かな財団の博士たちです。
世界でもトップクラスの優秀な頭脳を持ち、
秘密のルートで財団に雇用される彼らの中には
単独でKeter級のアノマリーと渡り合える者や
自分自身がアノマリーになってしまった者、
実の娘が要注意団体のトップになった者など
一癖も二癖もある人材が揃っています。
本日はそんな博士たちの中から
特に刺激的なエピソードをもち、
報告書やtaleで名前を見かける機会も多い5名を
関連する報告書やtaleの解説も添えて詳細にご紹介してみたいと思います。
それではいってみましょう。
SCP財団の最もクレイジーな5人の博士たち
クレフ博士(Dr. Alto Clef)
あなたは兵士ではない。あなたは英雄ではない。
あなたは人殺しですらない。
あなたはいじめっ子にすぎない…そしてSCPたちはあなたが真実を隠すためにぶちのめしたいいじめられっ子たちにすぎないんだ。
あなたがひとりぼっちの、空っぽな抜け殻だという真実を隠すための。
クレフ博士のプロフィール
アルト・クレフまたはエージェント・ウクレレとして知られるクレフ博士は
財団に所属する博士の中でも特にミステリアスな存在です。
彼の顔はなぜか常にランダムな動物の顔と入れ替わるため
正しく撮影することは実質的に不可能です。
彼は非常に危険なSCPを残酷なまでに効率的に「終了」することで有名であり、
目的のためであれば科学と人類の保護の名の下に
罪のない無数の人々の命を犠牲にすることも厭いません。
その冷徹でエキセントリックな性格から
職員の中には彼の事を嫌悪する者も少なくなく、
特に女性からはほとんど本能的な嫌悪感を抱かれますが、
任務遂行能力の面において極めて有能であることは疑いようがなく、
O5は彼を訓練・開発部門のトップに据えることに合意しています。
また、後述する事案239-Bではクレフ博士が
要注意団体の一つであるGOC(世界オカルト連合)※にかつて所属していた
「エージェント・ウクレレ」と同一人物であることが示唆されています。
(※GOCはアノマリーの徹底破壊をモットーとする組織としても有名です。)
クレフ博士に関連する報告書、tale
SCP-447 - 緑のスライム
注: 「こんな事を思いつく頭は蹴り飛ばせ」
- A. クレフ博士
SCP-447は通称「絶対に死体に触れさせてはいけないスライム」です。
クレフ博士はカリフォルニアの都市で
死体と接触したSCP-447の回収を監督しました。
SCP-447の実験記録である実験記録447-Aではクレフ博士による
芸人顔負けの鋭いツッコミを楽しむことができます。
事件239-B クレフ-コンドラキ
私は一度ゴータマシッダールタと話したことがある。
この世界は幻影なのだと教えてくれた。
本当は何も存在していないのだと。
お前はそれを私に納得させなければいけない。
クレフ博士にまつわる事件の中でも
特にインパクト大なのがこちらのtale。
強力な現実改変能力を持つ8歳の少女のSCP-239(『小さな魔女』)を財団の重大なリスクとみなしたクレフ博士がこれを終了するために
複数のセキュリティ違反を犯しつつ財団施設内で大暴れした一部始終であり、
クレフ博士のキャラクター性が前面に出た内容となっています。
tale内にてクレフ博士が
SCP-239の現実改変に対して一定の抵抗力を発揮していたり、
高温を操るSCP-547-Dを1対1の戦闘で殺害したり、
SCP-336と古代シュメール語の変形言語で会話をしたりと随所で人間離れしたスペックを発揮している点も注目ですね。
中にはゴーダマシッダールタ(仏陀)と話したことがあるとの記述もあるので、
もしかすると彼は我々と同じような人間ではないのかもしれません…
コンドラキ博士 (Dr. Kondraki)
アイスバーグ: つまり、彼をよく見てみるんだ。
奴は精神異常者だ。
それでありながら、あまりにも多くの権力を与えられている。
コンドラキ博士のプロフィール
ベンジャミン・コンドラキ博士は、
SCP財団の無愛想で反社会的な研究者であり、
サイト-17の主任研究員であり、
SCPオブジェクトの兵器化を支持する人物です。
35歳の時に低位の研究員として財団に加わったコンドラキ博士は
探知不能なSCPを探知する類まれな才能や
カメラに関する高度な専門知識、
SCP-408 の収容への貢献等によって出世の階段を駆け登り、
複数サイトに及ぶ広い権限を持つ管理職の一員となりました。
彼は非社交的な性格の持ち主であり、
サイト-17に5年間勤めているにも関わらず、
同僚の名前を一人も覚えていないことを認めています。
彼のカメラに対する知識の深さは
財団での職務に役立つほどのものであり
中でも彼の所持するニコン3D(SCP-515-ARC)は
複数のアノマリーを用いた高度な改造が施された結果として、
兵器と呼んで差し支えないほどの異常な性能を発揮するほどの逸品となっています。
コンドラキ博士の人事ファイルには
精神面の理由から彼の適性に疑問を投げかける
補遺が記載されてたりするのですが、
コンドラキ博士自身はこれを
ケイン教授が適正なクリアランスなしで書いた
出鱈目であるとして反論しています。
補遺: 最近の出来事はコンドラキ博士の振る舞いの野放図な態度を現しており、彼の振る舞いは一介の従業員に課せられる懲戒処分として最多であると裏付けています。
にもかかわらず、O5メンバー内での共通認識では解雇ないし彼の雇用を解約できないほど価値があり危険すぎると考えられています。
財団の活動を前進させる重要な場面に現れる彼の傾向は、偶然の一致以上のものに見えるため、綿密な調査の下にあります。
SCP-408との接触もコンドラキ博士が群体に影響できる度合いで少々不安にさせられます。
最終的に、心理評価によりコンドラキ博士は1つ以上の強い精神異常を患っているようだということを示しました。
我々が彼を射殺する前に誰かが何らかの手を打つ必要があり、単に葬り去るには彼は多くを持ちすぎています。
メモ: 適正なクリアランスなしで偽の補遺を書き、そして私のファーストネームを綴り間違えた奴が誰か見つけ出してやるよ。お前は両方の違反行為で厳しい罰を受けるだろうよ。 -ちょおちょおたちの王
メモ: ケインだな。 -ブライト博士
メモ: おい、俺はなにもしてないぞ。お前が自分でやったんだろ。 -ケイン教授
コンドラキ博士の精神が本当に異常であるかどうかは不明ですが、
以下で解説するDuke 'till Dawnというtaleで
アイスバーグ博士からも同様の指摘を受けていることを考慮すると
彼の精神構造に何らかの問題がある可能性は決して低くなさそうです。
コンドラキ博士に関連する報告書、tale
SCP-408 - 幻想蝶
Dr. ████ サガイ: お前……俺を笑ってるのか!?
俺はお前の友達を解雇させようってのにそれを笑ってるのか!?
「ちょおちょおたちの王」を自称するコンドラキ博士と
最も深いつながりのあるアノマリーといえば
やはりこのSCP-408でしょう。
SCP-408はブラジルの熱帯雨林で発見された
コミュニケーションや論証を行う能力を保有する異常な蝶の群れです。
SCP-408には高度な擬態能力があり、
普段は周囲の風景に擬態して不可視状態をとっていますが
外敵などによって群れが身の危険を感じると
より強大な存在(ライオンやSCP-682など)の姿を模倣して敵を退けようとします。
コンドラキ博士は理由は不明ですが
SCP-408の集合意識を自在に操ることができます。
弾丸や火が自分の体に届かないようにするための盾として使用したり、
SCP-408の擬態能力を応用して自分の身を消したり、他者に幻覚を見せることも可能であり、
コンドラキ博士の高度な戦闘能力を根底から支える存在となっています。
SCP-515-ARC - 蝶々のカメラ
SCP-515は、█████・コンドラキ博士が自由時間を使ってサイト17にて開発しました。
彼はSCPに関する仕事を補助するために撮影技術の向上を試みる中で、SCPの技術を彼のカメラに用いるという考えに行き着きました。
コンドラキ博士愛用のニコン3D。
コンドラキ博士が素材の一部にSCP-143(『刃桜』)やSCP-295-1(『焼けむし』)を利用したり、
シャッター及びセンサにSCP-698(『不死身の爬虫類』)の解析結果を元にした大幅な改造を施したりするなどした結果
「人類史上最強のカメラ(原文ママ)」と称されるほどの異常な性能を獲得することに成功しました。
特にフラッシュ機能は至近距離で使用すれば
二度から三度の火傷および一時的な失明を引き起こすほどの威力があり、
後述するDuke 'till Dawnでは
強力な再生能力を持つ人型アノマリーであるSCP-083-Dの眼球を焼き
一時的にその視力を奪う戦果を挙げました。
Duke 'till Dawn
SCP-682: 貴様は比べ物にならないぐらいの…最も鬱陶しい存在だぞ。
私がこれまで遭遇した貴様の…「種」の中でな。
貴様をぶち殺すことが、貴様の見ている世界のためになるだろうよ。コンドラキ博士: どんな好意も俺には必要ないよ、ゴジラちゃん、君が吸血鬼をお弁当にしちゃってからはね。
俺をぶっ放して全てを終わらせるのなんて屁みたいなもんだろうに、そうしないのかい?
コンドラキ博士が"デューク"の異名を持つ
SCP-083-Dの終了任務に取り組んだ際に起きたひと騒動を描いたtale。
…実際はひと騒動なんてレベルじゃなくらいの大暴れをしちゃっているわけですが
それでも最後にはしっかり本来の目的を果たしている点がコンドラキ博士のすごいところ。
中でもSCP-682(不死身の爬虫類)との絡みは
SCP-682のことをよく知る人ほど感動を禁じ得ない
全SCP読者必見の名シーンとなっています(適当)。
王は死んだ
そうだとしても、我々にコンドラキ、“ちょおちょおたちの王”という問題が残っていることに変わりはないな。
事態は少し足りとも、彼を放っては置かないだろうよ。
権力を持ちすぎたコンドラキ博士の存在を危惧したO5が
彼の暗殺を企てるという衝撃的な内容のtale。
その結末を語ることはここでは差し控えておきますが、
個人的にはこのtaleの中でコンドラキ博士がSCP-408を自在に操れた理由を
SCP-408に対して緩やかな催眠効果を引き起こすフェロモンの効果であったと
結論づけている点はなかなかに興味深いポイントでした。
ブライト博士 (Dr. Jack Bright)
他の人々はブライトを、同情、嫌悪、そして恐怖の目で見つめていた。
彼らはジェイコブの顔から急激に表情が消え失せ、そしてまた知性を取り戻す様を見たに違いない。
そしてそれがブランウィックの時にも同様に起きたのだろう。
彼らは自分たちの未来を想像してしまったのだ。
名も知らぬDクラス達によって、乗り移りがどう起きるものかは知っていただろうが、知人でそれを見るのはまた別の話だ。
ブライト博士のプロフィール
ジャック・ブライト博士は、
SCP財団の管理部門で働く風変わりな人物です。
生命工学と異常遺伝子学の権威でもあるブライト博士は
彼の弟がSCP財団に捕獲されてSCP-590となった際に
その知性と業績を買われて財団に採用されました。
採用後、科学部門に配属されたブライト博士は
SCP-963(不死の首飾り)の運搬中に
不運にもSCP-076-2の収容違反に巻き込まれて死亡してしまいます。
しかし幸か不幸か、近くにSCP-963があったことで
死の瞬間にその内部に精神を閉じ込められたブライト博士は
それ以降ペンダントの中に囚われた
不老不死の精神体としての人生を送ることとなったのでした。
またSCP-963には、それに触れた人間の精神を
中に封じ込められた人間の精神で上書きしてしまうという恐るべき特性もあり、
収容違反時に崩れた瓦礫の掃除にあたっていた
あるDクラス職員がSCP-963に接触した際にこれが発現。
結果としてブライト博士はそのDクラスの肉体を乗っ取る形で
予期せぬ現生への復帰を果たすこととなります。
その後紆余曲折を経つつも財団に事情を理解させたブライト博士は
献身的な勤務態度への評価もあり特例として
SCPオブジェクトとしてではなく
正規の財団職員として働き続けることが許可されたのでした。
とはいえ…
彼がその性質上、財団にとって扱いに困る人物となったことは間違いなく、
事件後のブライト博士はおそらく他の職員との接触機会を減らす目的から
サイト-17、サイト-19、サイト-63の人事管理官の仕事を任されることとなりました。
ブライト博士に関連する報告書、tale
SCP-963 - 不死の首飾り
SCP-963といえばブライト博士。
ブライト博士といえばSCP-963と言っても過言ではないくらい
ブライト博士というキャラクターの根幹に関わっているSCPオブジェクト。
このSCPオブジェクトの特性故に、
ブライト博士は時に男性、時に女性、またある時はゴリラなど
話の度に異なる外見で登場してきます。
SCP-590 - 君の痛みを知る人
SCP-590はブライト博士の弟であり
ブライト博士が財団で働くきっかけになった存在です。
見た目は普通の10代半ばの少年なのですが
老化の兆候を一切示さないほか
触れただけで他者の怪我や病気を治せる代わりに
自分が治した分の痛みや後遺症を負うという異常性を有しています。
SCP-590は確かにブライト博士の弟であるにもかかわらず
財団は彼を明確に「道具」として扱っています。
注釈: SCP-590に"590"以外の名前を与えることはできません。
彼は使われるべき道具であり、誰の友達でも、兄弟でも、子供でもありません。
SCPに愛着を示している事が判明した場合、 人員の不足している職務への異動が行われます。
そのことをブライト博士が内心どう思っているかは不明ですが
報告書中にはブライト博士が複数の精神遅滞を治療させることによって
SCP-590の精神レベルを3歳児程度まで後退させ、
財団にとって扱いやすい「従順な」状態に変化させたことが記されており、
少なくとも彼が肉親への情の為に財団の使命に背くような真似はしなかった事が分かります。
ブライト博士の処刑
「再び、ここには穢らわしいブライト博士がいる。
彼は首飾りによって他人の人生を盗み、身体に入り込むことによって生きている。
我々は彼に友人の命を使わせた。
彼自身の友人から彼は命を盗んだのだ。
もう一度彼は死なねばならない!」
壊された虚構ハブより、
テロリストに拉致されたブライト博士が
仲間と共に文字通り処刑されていくtale。
不老不死が必ずしも素晴らしいものではないということを
生々しい描写で伝えてくれる恐ろしいtaleです。
ブライト博士の禁止リスト
ブライト博士は"パイ大食いコンテストに勝つため"にSCP-184を飲み込むようなことは絶対にやめてください。
他のどのような大食いコンテストでも同様です。
ブライト博士の知名度向上に
少なからず貢献したであろう有名なネタtale。
その内容は…
推して知るべし。
ギアーズ博士 (Dr. Charles Ogden Gears)
我々は新時代の嚆矢にもいません。
誰も我々にとって問題ではありませんし、誰も我々を救おうともしません。
これらはただそこに在るために在り、することをするのです。我々が偉大な計画や潜在的な理由があって欲しいと考えることが、我々の抱える問題だと考えます。
我々は孤独で、この宇宙は我々を何とも思ってません。
少なくとも、私は心からそうしないことを願います。
ギアーズ博士のプロフィール
チャールズ オグデン ギアーズ博士は
財団に所属する高位の研究者です。
別名「歯車人間」ともあだ名されるギアーズ博士は
人間的な情緒や生命維持本能に著しく欠けているよう見えるため、
職員の中には彼のことをロボットかアノマリーではないか噂するものもいます。
ギアーズ博士の家族関係に目を向けた時、
彼と財団にとって特に重い意味を持つのが
彼の実の娘であり同名の要注意団体の本体ともなっている
"黒の女王"ことアリソン・チャオの存在です(詳細は後述)。
また、O5司令部書類内にて
財団の「創設者」ことO5-1とギアーズ博士との父子関係が示唆されている点も注目に値するポイントです。
ギアーズ博士に関連する報告書、tale
SCP-882 - 機械
近くの人間に幻聴を効かせることによって
自身の中に金属製の物質を放り込ませ、
それを取り込んで成長し続ける
歯車、ケーブル、滑車、ねじ、及びベルトなどがランダムに組み合わさった構造物。
ギアーズ博士はこのオブジェクトの回収の監督や、
関与した人物へのインタビューを担当しています。
黒の女王ハブ
黒の女王はSCP財団の要注意団体の一つです。
その正体はギアーズ博士の娘のアリソン・チャオ※であり
財団の破壊とギアーズ博士個人への復讐を目的としています。
(※より正確に言えば、複数の宇宙に存在する全てのアリソン・チャオ)
アリソンがそのような考えに囚われるようになった直接の原因は
彼女が8歳の時に、ギアーズ博士が自分と母親を置き去りにして
忽然と姿を消したことでした。
それは丁度この時期にギアーズ博士が財団に雇用されたためだったのですが
家族には何も理由を告げずに去ったことから、
アリソンと母はまるで自分たちが捨てられたかのように感じたのです。
特に母はそのことで精神的に完全に参ってしまい、
アリソンを養おうと女手一つで懸命に働いたものの
無理が祟ったのかやがて失意のうちに早逝してしまいます。
こうして一人残されたアリソンの願いは
自分たちをこんな目に遭わせた父に対する復讐、ただそれだけでした。
その後彼女は父親を見つけ出す旅を始め、
その道中で出会った老魔術師から
父がSCP財団という組織によって"誘拐された"こと、
宇宙のすべての知識が集まるという
"放浪者の図書館"と呼ばれる
超常的な異次元空間がどこかに存在していることを知らされます。
財団の存在を知り、父だけでなく
財団に対しても憎悪を抱くようになったアリソンは
やがて放浪者の図書館にたどり着き、
そこで超常的な能力を得た後に
自ら名を「黒の女王」へと変えた上で
父と、父を奪った財団への復讐を開始したのでした…
Epitaph──墓の上に──
私に感情が無いということはありません。
私はそれに応える事が出来ないのです。
それは強力な麻酔に落ち込むように、私が私の気持ちに気が付いても、彼らに何をするべきかに気が付いても、それでも……
彼らは私をよそよそしいと感じ、私を遠ざけます。
例えば誰かが泣いているのを見て、彼らの苦しみを想っても、泪は流れないのです。
ある実験の最中に大怪我を負った
ギアーズ博士とその後輩のアイスバーグ博士が
二人まとめて医務室入りした際のやりとりを描いたtale。
普段はあまり自分のことを語らないギアーズ博士が
秘めた内面を吐露する貴重なtaleであり、
意外にも(というと失礼ですが)人間味ある彼の言葉には
見ていて強く心打たれるものがあります。
マン博士 (Dr. Everett Mann)
ここまで腹が立ったのは、ヴァン博士が私の口ひげワックスに除毛剤を盛った時以来だ。

マン博士のプロフィール
マン博士はSCP財団の医療部門で働く医師で
トレードマークは大きなカイゼル髭と立派なもみあげ髭です。
ドイツ系の家庭に生まれたマン博士は
幼い頃に医学研究者で伯父の大マン博士に引き取られ、
その庇護のもとで後継者としての生活をスタートしました。
しかし表向き真っ当な医療クリニック経営者を装っていた大マン博士は
実は貧しい人々に非人道的な実験を繰り返すマッドサイエンティストであり、
幼いマン少年もまた日常的にその手伝いをしていました。
最終的に大マン博士は地元の警察によって逮捕され、
残りの人生を死ぬまで刑務所で過ごすこととなりましたが、
残されたマン少年は里親の元をたらい回しにされ、
周囲の子供からいじめられる陰鬱な日々を送ることとなります。
そんな生活を経て18歳になった頃、
マン青年は相続した伯父の遺産を使って[編集済]大学への入学を果たします。
ところが彼はそこでも
退学に相当する何らかのトラブルを起こし、
最終的には示談によって学位を認可された上で研究過程を開始しました。
その後、神経外科の分野で名を馳せたマン博士は
ある時伯父が所有していた文書を入手する目的からSCP財団と接触します。
財団との接触後、マン博士は彼らに伯父の倉庫を捜索する許可を与え、
さらにその過程で自身と財団エージェントが負った負傷を
かつて伯父に教わった技術と部屋に保管されていた
古い装置を駆使して治療してみせたことで財団の注目を引き、
ひいてはそれが財団がこの若い研究者をスカウトするきっかけとなりました。
幼いころから数奇な人生を辿って来たマン博士はこうして
SCP財団に腰を落ち着けることとなったのでした。
マン博士に関連する報告書、tale
SCP-1848 - [アクセス拒否]
変身能力を持ち、観察者を感情的に操ることに手慣れた
人物、物体、場所の姿をとることによって収容を突破しようとするアノマリー。
マン博士が観察者となった実験では亡き伯父の大マン博士の姿を模倣し、
博士が財団のために尽くしてきた仕事を誇りに思っていることを伝え、
一層よく働くよう彼を鼓舞したと記録されています。
この結果からするとマン博士はあの伯父に対して
悪く思うどころかむしろいまだに親近感や
尊敬の念のようなものを抱いている可能性が濃厚ですね。
終了を見るものども
彼は全ての準備を済ましていた。
用意をする時間は十分あったのだ。
計画、手段、陰謀、入るための用意は何もかも出来ていた。
万事つつがなく。
何者かの計画によって
O5が次々に◯されていくtale。
実質的な続編である安穏と併せて読むとなお良しです。
終わりに
本日は5人の博士をフィーチャーして
その人物像に迫ったわけですが、
こうして並べてみると見事に
ネジの一本や二本は軽くぶっ飛んでそうな人たちだらけですね。
「蛇の道は蛇」ではありませんが、
SCPオブジェクトのようなものと対等に渡り合うには
良くも悪くも常人では務まらないということでしょう。
なのでもしこれからSCP財団で働きたいという人がいれば
こういう人たちと一緒に働く覚悟があるかどうか
自分の心によく聞いてから決断することをお勧めします。