追跡=死の最強スタンド『ワンダー・オブ・U』の能力&強さを徹底考察!

ワンダー・オブ・Uジョジョの奇妙な冒険
  1. はじめに
    1. ワンダー・オブ・Uのスペック
      1. ワンダー・オブ・Uの能力
      2. ワンダー・オブ・Uの本体は透龍くん
      3. ラスボスのスタンド能力としては珍しい、待ち一辺倒の能力
      4. 劇中でワンダー・オブ・Uが起こした厄災の事例
        1. 事例① 傘立てにつまずいて脚がちぎれそうになる(21巻)
        2. 事例② 乗用車に激突される(21巻)
        3. 事例③ 雨粒が降り注ぎ体を貫通する(22巻)
        4. 事例④ 電球が割れて破片が降り注ぎ手のひらを怪我する (24巻)
        5. 事例⑤ 破裂したヘアスプレー缶のストロー部分が心臓に突き刺さって死亡 (24巻)
        6. 事例⑥ ロカカカの果汁が偶然口に入り、致命的な等価交換が行われて死亡 (24巻)
        7. 事例⑦ 定助が隠していたしゃぼん球の罠で頭が削れて死亡(25巻)
        8. 事例⑧ 折れた杖の破片が眼球に突き刺さって死亡(26巻)
        9. 事例⑨ 落ち葉で指二本が切断(26巻)
        10. 事例⑩ 航空機の脱出用スライドパネル(重さ3kg)が上空10000mから落ちてくる(26巻)
      5. その他の劇中での気になる描写
        1. 完全な受け身ではなく、ある程度能動的な使い方も可能
        2. ワンダー・オブ・Uはスタンド使いでない一般人にも視認することができる
        3. 一度確定した厄災の流れは本体の透龍にも止められない(25巻)
        4. ゴー・ビヨンドがワンダー・オブ・Uに通用したのはなぜ?
        5. ワンダー・オブ・Uが本体の死後も動いていたように見えたのはなぜ?
  2. ゴー・ビヨンド以外でワンダー・オブ・Uを倒す方法はあるか?
    1. ワンダー・オブ・Uの弱点は?
      1. 弱点1. 能動的な攻撃手段に乏しい。
      2. 弱点2. 厄災は必ず「何かが」が「ぶつかってくる」というパターンでしか実現しない。
      3. 弱点3. 厄災の発動までにはタイムラグがあり、本体がダメージを負えば厄災を回避できてしまう。
    2. ワンダー・オブ・Uを倒せる(かもしれない)人たち
      1. 候補1. ファニー・ヴァレンタイン(D4C ラブトレイン)
      2. 候補2. ジョルノ・ジョバァーナ(ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム)
      3. 候補3. 空条承太郎(スタープラチナ) or DIO(ザ・ワールド)
      4. 候補4. ケンゾー(龍の夢)
      5. 候補5. ヴァニラアイス(クリーム)
      6. 候補6. 究極生命体カーズ
      7. 候補7. ディアボロ(キング・クリムゾン)
      8. 候補8. プッチ神父(メイド・イン・ヘブン)
      9. 候補9. ジョニィ・ジョースター(タスクACT4)
      10. 候補10. 吉良吉影(バイツァ・ダスト)
      11. 番外編1. グリーン・ディやヘビー・ウェザーのような無差別に広範囲を巻き込むスタンド
      12. 番外編2. ビットリオ・カタルディ(ドリー・ダガー)
    3. 結論。ワンダー・オブ・Uはめちゃくちゃ強い。
  3. おわりに
  4. 『ジョジョの奇妙な冒険』の関連記事

はじめに

ジョジョの奇妙な冒険第八部、
ジョジョリオンのラスボスとして登場したのが
岩人間の透龍くんです。

彼のスタンド、『ワンダー・オブ・U』
自らを追跡をしようとした者に
不可避の「厄災」をもたらし最終的に死に至らしめる
という
ジョジョの長い歴史の中でも屈指の強能力でした。

しかし、いざその能力を具体的に説明しろと言われると
非常に困ってしまうのもこのスタンドの特徴です。

  • そもそも厄災の定義はどうなっているのか?
  • なんでゴー・ビヨンドは通用したのか?
  • ゴー・ビヨンド以外で倒す方法はあるのか?
  • 本体の死後も動いていたように見えたのは何だったのか?

などなど、よく考えると意味不明なのに
劇中ではノリと雰囲気で流されていた部分が多く、
最後まで読み終えても能力の全体像がはっきり見えてこないんですよね。
(最近のジョジョはそれがデフォな感じもありますが)

加えて劇中での登場も21巻からと非常に遅く
考察の材料自体も少ないという考察勢泣かせぶり…。

しかし本日はそんな悪条件にもめげず、
ジョジョに魅せられて早17年目の私daimaが
このワンダー・オブ・Uの能力及び弱点や倒す方法に至るまで、
考えうる全ての要素についての徹底考察を試みてみたいと思います。

題材の難易度もあり、
いつも以上に独断や妄想が混じるかと思いますが
もし途中でそのような気配を感じましたら適宜取捨選択して、
納得できる部分だけ拾って読んでいただければ幸いです。

それではいってみましょう。

ワンダー・オブ・Uのスペック

冒頭でも軽く触れましたが
まずはワンダー・オブ・Uのスペック全般をおさらいしておきましょう。

ワンダー・オブ・Uの能力

コミックス25巻に掲載の公式解説より引用。

スタンド名─
「ワンダー・オブ・U」

本体 -透龍くん

能力─TG大学病院院長の明負悟の
正体またはスタンド能力を
"追跡・追撃する"者は「厄災」の力に見舞われる。
追えば追うほど最後に出逢うのは破壊と死である。
本体の透龍くんは岩人間である。
透龍という名はもちろん彼が作った人間社会用の名前で
姓・名字は広瀬康穂もこれまで"検索"した事はなかった。
「追わなければ」それで良い。

スタンド『ワンダー・オブ・U』の顔形は
見る人によってその姿が異なる。①と②は同体である。
一般の人はTG大学病院院長の明負悟として見て接するし、
『厄災』の力と認識した定助や康穂たちは
スタンドの形として見るのだろう。
①②どちらも追跡したものは厄災に見舞われる。

ワンダー・オブ・Uの能力は例えるなら
自身の正体を追跡しようとしたものに厄災が降りかかる
超凶悪なオートカウンター能力
といったところでしょうか。

起こる厄災の具体的な内容としては
ガラスの破片が手に刺さるような軽度なものから
重さ3kgの飛行機のドアが空から降ってくるような致命的なものまでさまざまですが、
劇中での描写からその程度はターゲットの敵意の強さや
距離によって変動するものと考えられます。

また、ワンダー・オブ・Uの外見は
見る者によって変化する性質があり、
作中ではそれを利用してワンダー・オブ・Uが
TG大学病院院長の明負悟としての役割をこなす場面もありました。

ワンダー・オブ・Uの本体は透龍くん

透龍くん

ワンダー・オブ・Uの本体は透龍(とおる)くんです。

表向きはTG大学病院で
アルバイトをする普通の青年ですが、
その正体は進化の途中で人間と枝分かれした
岩人間とよばれる種族の一員です。

TG大学病院を根城とする
岩人間のグループのリーダー的存在であり、
作中では食べることでどんな病気も治せる
ロカカカというフルーツを巡って定助と対立しました。

透龍くん自身は通常の人間とそう変わらない
戦闘能力しか持たないようですが、
岩生物とよばれる
岩人間と同じ体質を持った生物を使役することができ、
作中では『ドゥードゥードゥー・デ・ダーダーダー』と
『オブラティ・オブラダ』の2種の岩生物を
定助にけしかけて攻撃に利用していました。

ラスボスのスタンド能力としては珍しい、待ち一辺倒の能力

他の部のラスボスのスタンド能力と比べて
ワンダー・オブ・Uがとりわけ異質なのは、
それが完全な待ち一辺倒の能力である点です。

厄災の発動にはターゲット側からのアクションが必要であり、
自分から能動的に攻撃を仕掛けることはできません。

劇中では一度もスタンドによる格闘戦が描かれておらず、
自分から攻撃を仕掛ける際には
岩生物を使役することで代用手段としていました。

劇中でワンダー・オブ・Uが起こした厄災の事例

考察において一番大事なのは一次資料にあたること。
というわけで続いてはワンダー・オブ・Uが
作中で実際に起こした厄災の事例を一つずつ振り返ってみましょう。

事例① 傘立てにつまずいて脚がちぎれそうになる(21巻)

豆銑礼がTG医大の院内で
院長(ワンダー・オブ・U)を追跡した際に起きた厄災。

普通、傘立てにつまずいただけで
脚がちぎれ飛ぶという事はあり得ないので、
これはスタンドパワーで強化された現象だと思われます。

事例② 乗用車に激突される(21巻)

康穂が病院の駐車場で
バスに乗った院長(ワンダー・オブ・U)を追跡した際に起きた厄災。

一見すると普通の事故と言えなくもないですが
状況的にみてこれもワンダー・オブ・Uが起こした厄災でしょう。

事例③ 雨粒が降り注ぎ体を貫通する(22巻)

定助と豆銑礼が病院近くで
院長(ワンダー・オブ・U)を追跡し始めた際に起きた厄災。

これも通常の物理現象としてはあり得ない事なので
①と同じくスタンドパワーで強化されたものと思われます。

事例④ 電球が割れて破片が降り注ぎ手のひらを怪我する (24巻)

豆銑礼が病院近くの警察の独房内で
外にいるワンダー・オブ・Uを見るために立ち上がった際に起きた厄災。
これまでの例と比べてかなりダメージが小さいことから、
明確な攻撃の意思を持たないアクションであれば
発生する厄災の程度も比較的小さいもので済むという法則性が読み取れます。

事例⑤ 破裂したヘアスプレー缶のストロー部分が心臓に突き刺さって死亡 (24巻)

自宅にいた東方常敏が、自身のスタンドで
ワンダー・オブ・Uを攻撃した際に起きた厄災。

ターゲットが確実に「死に至る」のであれば
物理的な力の大小は関係ないようですね。

事例⑥ ロカカカの果汁が偶然口に入り、致命的な等価交換が行われて死亡 (24巻)

TG医大のモブ医師が、院長の行なっていた
人体実験を曝露すると宣言した際に起きた厄災。

念の為補足しておくとロカカカというのは
食べることで等価交換によって病気や怪我を治すフルーツで、
このモブ医師の場合はニキビが治る代わりに
頚椎が石化して死亡することとなりました。

どこが等価交換で失われるかは完全ランダムですが、
それが致命的な頚椎部分になったのは
やはり厄災の力が働いた結果でしょう。

事例⑦ 定助が隠していたしゃぼん球の罠で頭が削れて死亡(25巻)

豆銑礼がワンダー・オブ・Uにあと1cmまで近づいた上で
攻撃を続行した際に起きた厄災。

ワンダー・オブ・U曰く、
そこまで近づかれたのは
これが初めてということでしたが
結局攻撃が成功する事はありませんでした。

事例⑧ 折れた杖の破片が眼球に突き刺さって死亡(26巻)

虹村京が自身のスタンド『ボーン・ディス・ウェイ』で
ワンダー・オブ・Uを攻撃した際に起きた厄災。

「ワンダー・オブ・U」に「明確な殺意を持って」
攻撃を仕掛ければ、即死級のダメージが
返ってくるとみてまず間違いないようです。

事例⑨ 落ち葉で指二本が切断(26巻)

定秀が透龍くんにつかみかかろうとした際に起きた厄災。
事例①、③と同じパターンですが、
この事例で気になるのは「超至近距離」で「透龍くん本体」に
「敵意を持って」迫るという超弩級の地雷を踏みまくっているのに
この程度のダメージで済んでいることです。

所詮定秀のことなので、キレていたのはただのコケ脅しで
内心では大した敵意は持っていなかったのかもしれないですね。
(だとすると、その小心さが定秀の命を救ったことになりますが…)

事例⑩ 航空機の脱出用スライドパネル(重さ3kg)が上空10000mから落ちてくる(26巻)

康穂が虹村京に
スマホで定助の元へ向かうよう連絡した際に起きた厄災。

落下したパネルは康穂に激突するギリギリまで迫りましたが
直前に本体の透龍くんが『ゴー・ビヨンド』で
ダメージを負ったことで軌道がそれ、
作中で描写された中では初の未遂に終わりました。

簡単なことではないですが、本体にダメージを与えることで
一度発動した厄災でも回避できる可能性があるというのは
ワンダー・オブ・Uの弱点を考察する上で重要なポイントになり得ますね。

その他の劇中での気になる描写

完全な受け身ではなく、ある程度能動的な使い方も可能
ワンダー・オブ・Uの幻覚が東方家の屋内に出現したシーン

ワンダー・オブ・Uの幻覚が東方家の屋内に出現したシーン

ワンダー・オブ・Uには厄災によるカウンター能力に加え、
特定のターゲットに自らの姿を幻影として見せる能力もありました。

先述の事例①や事例⑤がその一例ですね。

特に事例⑤では
TG医大 - 東方邸間の距離で幻影を見せていたので
一度ターゲットに納めればその射程距離は
少なくとも十キロは下らないようです。

ただし、この場合でも
標的にダメージを与える=厄災を起こすには
相手がその幻覚を追跡or攻撃する必要があり、
本質的な部分で受動的な能力であるという点は変わりません。

また、近くに不審な人影があれば
大抵の人はその正体を確かめようとすると思うので
何も知らない相手に対して条件を満たす事は容易ですが、
もし1度目の厄災発動で相手が死に至らず、
さらに厄災の発動条件まで読まれて警戒されてしまった場合、
ワンダー・オブ・Uの徹底した受動性ゆえに
それ以降は何もできなくなる可能性が濃厚です。
(実際に劇中でも事例①の段階で即能力の発動条件を見破られていました)

こう考えるとワンダー・オブ・Uは
本体の身を守る目的においては無敵のスタンドである反面、
それ以外のことはほぼ一切何もできないという意味で
かなり特化型のスタンドであるとも言えそうですね。

ワンダー・オブ・Uはスタンド使いでない一般人にも視認することができる
ワンダー・オブ・Uが扮する院長が一般聴衆に講演を行うシーン

ワンダー・オブ・Uが扮する院長が一般聴衆に講演を行うシーン

作中ではTG医大院長の『明負悟』に扮したワンダー・オブ・Uが
ロカカカの成果・新薬「LOCACACA6251」による再生医療についての講演を
詰めかけた一般聴衆に向けて行う場面がありました。

基本的にスタンド能力というのは
スタンド使い以外の目にしか見えないという設定が
スタンドが初めて登場した3部から一貫して存在しています。

一部例外として、肉片と融合した黄の節制(イエロー・テンパランス)や
空気中の水分を凍らせて見にまとう「ホワイトアルバム」のようなスタンドは
一般人にも見ることができますが
ワンダー・オブ・Uはそのようなパターンに合致するようには思えません。

とは言えこれに関してはもう
「それもまたワンダー・オブ・Uの能力のうち」
と理解するしかないでしょう。

キラークィーン(第一の爆弾+第二の爆弾)や
ホワイト・スネイク(催眠+幻覚+記憶抜き取り)のように
実質的に複数の能力を持つボススタンドは
これまでにもあったことですし…

一度確定した厄災の流れは本体の透龍にも止められない(25巻)
透龍が一度確定した厄災の流れは止められないことを康穂に説明するシーン

透龍が一度確定した厄災の流れは止められないことを康穂に説明するシーン

25巻のある場面にて、
透龍くんは距離30mくらいの雑木林の中から
康穂に次のような説明をしていました。

もし君が
これから僕の顔や
姿を直接…
目撃したら
………だ

『ワンダー・オブ・U』………は

つまり『厄災の流れ』は
最終の形と
なってしまうんだ。

ここでの言いぶりからして、
ワンダー・オブ・Uの厄災は一度確定したら
本体の透龍自身に求めることができないものと思われます。

また、顔や姿を直接目撃することが
厄災の威力を向上させるトリガーになっていると
読み解くこともできます。

もっともこれは透龍くん自身の発言であり、
康穂の足を止めるためのブラフであった可能性も否定できないので
必ずしも真実だと断定できないのが微妙なところではあります。

ゴー・ビヨンドがワンダー・オブ・Uに通用したのはなぜ?

登場から約4巻に渡って無敵を誇ったワンダー・オブ・Uは、
最終的に定助のゴー・ビヨンド(と康穂のペイズリーパークのアシスト)によって倒されました。

では、ゴー・ビヨンドとは具体的にどのような能力だったでしょうか。
公式のスタンド解説文を見てみましょう。

『S&W━Go Beyond』

東方定助のしゃぼん玉は
実は線が高速で回転しており
球体になっていた。

もしその線が、無限大に細くなれば
究極はゼロの線になり━それは只━
この世に「回転のみ」が存在する
しゃぼん玉となる。
その「回転」はこの世の「条理」を
全て越えて行くのであろう。
「禍」というこの世の「理」も
ゴー・ビヨンドならきっと越えていく。

ここでのポイントは、ゴー・ビヨンドのシャボン玉は
限りなく0に近い、この世に存在していないのと同じくらいの細さの紐が
超回転しているものである
という点です。

それはつまり、
実質的に「回転」という事象だけが
存在しているということであり、
それゆえに外部からの(厄災も含めて)一才の干渉を受けずに
進み続けることができるのです。

(ただしゴー・ビヨンドにはその特性上、本体の定助にも正確に軌道をコントロールすることができないというデメリットがあります。)

例えるなら、3部に出てきた
ヴァニラアイスのクリームが作り出す暗黒空間の
超小型版を射出する能力といったところでしょうか。

ここでもう一つ、
今度はワンダー・オブ・U側の発言を取り上げてみます。

ありえない
……

この世には「理」の
繋がりがある
…………

どんな
「スタンド能力」
だろうと
……

その繋がりを
越えて…

このわたしを
攻撃して
触れるなどと
いう事は…

ワンダー・オブ・Uの発言 26巻 P63より

これは裏を返せばゴー・ビヨンドのように
この世の「理」を超越した攻撃方法であれば
ワンダー・オブ・Uの防御を突破できる
ということであり
攻略法を考察する上では重要なヒントとなります。

…まぁ、そんな特殊な攻撃方法を持ったスタンド自体が
超レアというか、滅多に無い存在ではあるんですけどね。

ワンダー・オブ・Uが本体の死後も動いていたように見えたのはなぜ?

27巻(最終巻)にて、
本体の透龍くんが東方花都にとどめを刺され
粉々に消滅して死亡したにもかかわらず
ワンダー・オブ・Uが単独で動いて
憲助の命を奪おうとした場面ありました。

本体の死後も動くスタンドといえば
本体の怨念のエネルギーで動く五部のノトーリアスBIGや
六部のリンプ・ビズキットが思い起こされますが
このケースはそれらとはまた事情が異なるように思います。

これについては同じ場面で康穂が説明していた通り、
"厄災"というのはそもそも
ワンダー・オブ・Uとは独立して存在する自然法則のようなものであり、
ワンダー・オブ・Uはあくまでもそれを一定の法則で
利用していたに過ぎなかった
と解釈すべきなのでしょう。

『厄災の理』!!

戻る本体が消滅しても「院長」は
無くなったりは
しないのか!?

厄災はまだ
続いている…!!

…というよりも
ワンダー・オブ・Uは
決して無くなる事のないこの世の
「厄災の理」を

あの透龍は
自分の為に
利用していただけの
能力だったッ!

そう考えると、先ほどの「ワンダー・オブ・Uの厄災は一度確定したら
本体の透龍自身にも止めることができない」という点も合点がいきますね。

ゴー・ビヨンド以外でワンダー・オブ・Uを倒す方法はあるか?

作中での描写を一通り振り返ったところで
次はいよいよワンダー・オブ・Uを倒す方法の考察に移ります。

ワンダー・オブ・Uの弱点は?

ワンダー・オブ・Uを
倒す方法を考えるにあたって、
重要な手がかりとなるのは
これまでの過程で見えてきた
ワンダー・オブ・Uの弱点です。

改めて一つづつ確認していきましょう。

弱点1. 能動的な攻撃手段に乏しい。

ワンダー・オブ・Uは
相手から明確な意思を持って追跡されることを
能力発動のトリガーととしているため、
敵意のない相手や意思を持たない相手には
能力を発動することすらできません。

岩生物や銃器などを使って
無理矢理戦闘状態を作り出すことも可能かもしれませんが
その場合は相手側のカウンター能力の発動条件を
満たしかねないというリスクが出てきます。

弱点2. 厄災は必ず「何かが」が「ぶつかってくる」というパターンでしか実現しない。

劇中での事例を振り返ると、
ワンダー・オブ・Uの引き起す厄災は必ず
ターゲットに「何かが」が「ぶつかってくる」
という形で実現していることがわかります。

全ての厄災がそのパターンで起こるとすれば、
常識はずれに頑丈な相手や
そもそも物理的な攻撃が通用しない相手は
厄災では殺せない可能性が出てきます。

弱点3. 厄災の発動までにはタイムラグがあり、本体がダメージを負えば厄災を回避できてしまう。

相手が追跡を開始しても
厄災が実際に被害を及ぼすまでにはタイムラグがあるため
想定外に素早い相手や
時間という概念を操作できる相手には
不意の一撃をもらって負けてしまう可能性も考えられます。

またその場合、本体がダメージを受けると
一度確定した厄災でも外れてしまうことがあるので
相打ちにすらならず一方的な敗北を喫してしまうかもしれません。

ワンダー・オブ・Uを倒せる(かもしれない)人たち

弱点を確認したところで、
ジョジョのキャラクターの中から
ワンダー・オブ・Uに
勝てるかもしれない人たちを
リストアップしてみます。

並び順が上であるほど
ワンダー・オブ・Uに勝てる可能性が高いとみています。

候補1. ファニー・ヴァレンタイン(D4C ラブトレイン)

全ての厄災を無関係な他人になすりつけるD4C ラブトレインは
ワンダー・オブ・Uの天敵となる存在です。

厄災が通用しないとなれば
あとはスタンドの戦闘能力の差で
ヴァレンタインが一方的な勝利を収めることでしょう。

候補2. ジョルノ・ジョバァーナ(ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム)

かなり難しいカードですが、
ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム(以下 GER)の能力が
「動作や意思の力を全て『ゼロ』に戻す」と定義されていることを考えると
厄災の引き起こす動作もまた『ゼロ』に戻して
無効化してしまうのではないかと考えられます。

もしそうなれば
ワンダー・オブ・U側はなすすべがないので
格闘能力で勝るGERが自動的に勝利を収める流れとなるでしょう。

候補3. 空条承太郎(スタープラチナ) or DIO(ザ・ワールド)

時間停止中に厄災が機能するかどうかが鍵ですが、
今回は機能しない方向で考えます。

なぜなら、弱点2により
全ての厄災は物体の激突という形で実現されますが、
時間停止中は停止した本人以外と
本人が触れたもの以外の
全ての物質の運動量が0になるからです。

よって、本体かスタンドのどちらかを射程にとらえて
時を止めてしまえばその時点で勝ち確かと。

ただしこれは弱点2が真であることを前提とした考察であり、
もし厄災に「ターゲットの心臓に血栓が詰まって発作を起こす」
などのバリエーションが許されるのであればこの限りではありません。

候補4. ケンゾー(龍の夢)

完全なる守りの方角 vs 究極の厄災。
どちらが勝つか全く読めないカードです。

岩生物の存在と、
ケンゾーの拳法が岩人間にも通用するか不明な点を考慮すると
やや透龍くん側が有利でしょうか?

候補5. ヴァニラアイス(クリーム)

暗黒空間の中に身を隠している間は
外から何が飛んできても
暗黒空間に飲み込んで無効化できるので、
その間に本体かスタンドを
暗黒空間に飲み込むことができれば
勝てる可能性はあります。

ただし、暗黒空間に入っている間は
外部の状況が視認できない関係から命中率は良いとは言えず、
少しでも外に顔を出せばその瞬間に厄災が激突して負けなので
クリーム側としてはかなり分の悪い戦いになることが予想されます。

候補6. 究極生命体カーズ

スタンド使いではない時点で厳しめですが、
圧倒的な肉体スペックで厄災のダメージを耐え抜いて
ゴリ押し勝利を掴んでしまう可能性もゼロではないかと。

候補7. ディアボロ(キング・クリムゾン)

最初は勝てるのでは?と思ったのですが
よく考えてみるとワンダー・オブ・Uが勝つように思います。

なぜならキング・クリムゾンは時飛ばし中に
他者に影響を及ぼすことができないという性質があり、
攻撃のために時飛ばしを解除したタイミングで
厄災が命中して倒されてしまう可能性があるからです。

ディアボロは劇中でその弱点を補うために
可能な限りギリギリまで相手の接近してから
時止めを解除するという工夫をしていましたが、
豆銑さんが残り1cmまで迫りながらも失敗していたことを考えると
やはり厳しいように思います。

候補8. プッチ神父(メイド・イン・ヘブン)

透龍くんに明確な敵意を抱かず、
そのほか多くの一般人と同じように
時の加速に巻き込むだけであれば
数なくとも厄災に襲われることはありません。
(それが勝ちかと言われるとかなり微妙ですが。)

一方でプッチ神父が時間加速の優位性を生かしつつ
明確に透龍くんを攻撃しようとした場合、
厄災によってぶつかってくる物体も(それが生物でなければ)
プッチ同様に加速した状態でぶつかってくるので回避することができず
結果的にプッチ神父は負けてしまうものと思われます。

候補9. ジョニィ・ジョースター(タスクACT4)

撃ち込みさえすれば厄災を越えて勝てる可能性はあるかと思いますが、
ACT4の発現には「馬を黄金長方形のフォームで走らせる」
という準備段階が必要なので、撃つ前に厄災にやられてしまうかと思います。

候補10. 吉良吉影(バイツァ・ダスト)

厄災の発動条件からして、
「吉良が透龍くんを攻撃する意思を持たずにバイツァ・ダストを仕込みつつ」
「透龍くんがバイツァ・ダストが憑依した相手から吉良の情報を引き出そうとする」
という条件を満たせば一応勝つことはできますが、
あまりにも偶然に依りすぎているので
基本的には勝てないものと考えて差し支えないでしょう。

番外編1. グリーン・ディやヘビー・ウェザーのような無差別に広範囲を巻き込むスタンド

厄災は敵意を持たなければ発動しないので
グリーン・ディやヘビー・ウェザーのように
無差別に大規模を巻き込む天災みたいなスタンドなら
事故的に透龍くんを死亡させられる可能性はあります。

ただし、バイツァ・ダストと同様に
あまりに運任せすぎますし、
勝ったと言えるかどうか微妙すぎるラインなので
まとめて番外扱いとしておきました。

番外編2. ビットリオ・カタルディ(ドリー・ダガー)

このドリー・ダガーは
ジョジョの本編に登場したスタンドではなく
五部の公式ノベライズ作品である
『恥知らずのパープルヘイズ -ジョジョの奇妙な冒険より-』
に登場したオリジナルキャラクターのスタンドであるため
番外編としてご紹介します。

ドリー・ダガーは小さなダガーに憑依したスタンドで、
刀身に映った相手に、本体のビットリオが受けたダメージの
7割をはねかえす能力を有しています。

つまり、この能力で厄災のダメージを反射させれば
勝てるのではないかという理屈ですね。

ただ、その場合でも3割分のダメージはしっかり受けるので、
それに耐えた上で相手の姿を刀身に収めるという条件も付いてはきますが。

結論。ワンダー・オブ・Uはめちゃくちゃ強い。

そのようなわけで、私が考察した中で(番外編は除いて)
多少なりともワンダー・オブ・Uに勝てそうな
見込みがあったのは以下の8名でした。

  • ファニー・ヴァレンタイン(D4C ラブトレイン)
  • ジョルノ・ジョバァーナ(ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム)
  • 空条承太郎(スタープラチナ)
  • DIO(ザ・ワールド)
  • ケンゾー(龍の夢)
  • ヴァニラアイス(クリーム)
  • 究極生命体カーズ
  • ディアボロ(キング・クリムゾン)

ケンゾーの場違い感よ
こうしてみると、
やはり厄災を無効化できるかどうかが鍵ですね。

あとこうやって考察して改めて思ったのは
漫画を読んでいた時に感じた印象よりも
ずっとワンダー・オブ・Uは厄介だということです。

敵対する意思を持つということそれ自体が
致命的な厄災を呼び込むトリガーになってしまうので、
文字通り"世の理"に干渉できる
ごく一部の特殊なスタンドでなければ
そもそも勝負にすらなりません。

読者の間では「キャラが薄い」「ポッと出」
「康穂の元カレ設定って意味あったの?」
などと何かと叩かれることも多い透龍くんですが、
少なくともその強さだけは歴代ボスと並んでも
全く引けを取らない恐るべきものであったことは間違いないでしょう。

おわりに

最近オールスターバトルRが発売されたこともあり
何かジョジョに関する記事を書こうと思って
以前から気になっていた
ワンダー・オブ・Uを取り上げたわけですが、
記事を書く前にジョジョリオンを読み返して一つ驚いたことは
ワンダー・オブ・Uの登場話数が
なんとなくこのくらいだったかな?と記憶していたのより
体感で3倍くらい多かったということです。

21巻の『#084 ザ・ワンダー・オブ・ユー (君の愛の奇跡①)』から
27巻の『#108 ゴー・ビヨンドその②)』まで
計7巻に渡ってずっとvs透龍くん戦が続いていたので、
読んでいて正直「いつ終わるんだこれ?」という気持ちになりました。

次に連載が予告されている第9部では
できればもう少しコンパクトでスピーディーな
ストーリー展開が楽しめることを期待したいものですね…。

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