最近読んだ中で特に面白かったおすすめ漫画ベスト10

平和の国の島崎へマンガ

はじめに

私は最近、暇があれば
無料アプリでちょくちょく漫画を読んでいます。

本日はその中でも
特に個人的にこれは面白い、
他の人にも読んでみてもらいたいと感じた
作品を全部で10作ご紹介させていただきます。

ジャンルも掲載誌もバラバラですが、
どれも自信を持ってお勧めできる良作ばかり。

それではどうぞ!

最近読んだ中で特に面白かったおすすめ漫画ベスト10

ジャンケットバンク

ジャンケットバンク

ヤングジャンプコミックス
作者/田中一行

大手銀行が主催する秘密カジノを舞台に
天才ギャンブラー真経津 晨(まふつ しん)と、
彼の担当(ジャンケット)となった行員の
御手洗 暉(みたらい あきら)の
命懸けの戦いを描くギャンブル漫画。

カイジや嘘喰いなどの流れを汲む
頭脳戦と心理戦の駆け引きを主軸とする漫画であり、
それらが好物であればたまらない作風です。

このテの作品は、キャラクターの魅力や
ゲームの独創性に加えて
「なぜ勝てたのか?」という
勝敗の理由づけの部分がしっかりしていないと
読む側が一気に冷めてしまうものですが
本作はその辺よく練られており、
各ゲームごとに「そういうことだったのか!」
というカタルシスを味わうことができます。

また、これは同じく重要な点なのですが、
出てくるゲームのルールがどれも極めてシンプルで
読んでいてすぐに理解できるものばかりであったのもグッド。

比較してしまうとアレですが、
例えば嘘喰いのドディのように
ゲームのルールが難しすぎて読者側の理解が追いつかない…
というような現象は少なくとも私の場合はありませんでした。

他にも基本的人権を担保とする特別融資の設定や、
自らの「キャリア(勤続年数)」をチップとする
担当行員側の駆け引きが並行して描かれる点なども斬新で、
既存の頭脳戦漫画のフォーマットを踏襲しつつも
新しいことにチャレンジしようという気概が感じられました。

総じて、頭脳戦の駆け引きと
続きが気になる度合いでは近年でも抜群の一作ですので
気になったら是非一読してみてください。

いちげき

いちげき

コミック乱
完結済み 全7巻
漫画/松本次郎 原作/永井義男

大政奉還後の江戸を舞台に、
江戸の町を荒らす御用盗(薩摩武士)と
幕府側が秘密裏に集めた力自慢の農民たちによる
「一撃必殺隊」との死闘を描く歴史活劇。
2023年1月にはNHKで実写版も放映されています。

元はコミック乱という
時代劇画専門の漫画雑誌に連載されていた作品で、
私も最初はこれはちょっとシブすぎるかな?
と思いながら試し読みしてみたところ
思いの外面白く(というと失礼ですが...)
気づいたら7巻分を一気に完読してしまっていた作品です。

では、このいちげきの何が面白いのかといえば
それは第一に急拵えの農民部隊が、
刀を使った殺し合いのプロである浪人や
薩摩武士に対抗するという設定の妙にあります。

農民たちは皆怪力とはいえ
剣術は付け焼き刃の素人であり
正面切って戦ってはまず勝てないので、
奇襲をかけたり、策を練ったりと
さまざまな工夫をして戦うわけですが、
そこにある種のジャイアントキリング的な
痛快感があるんですよね。

それともう一つ、敵も味方も
皆個性的かつ血が通ったキャラクター造形がなされていて、
自然と感情移入ができる点も良かったです。

一撃必殺隊のメンバーで言えば
小柄だけど頭の回る丑五郎やお調子者の市造、
心優しい巨漢の千代松などのキャラ付けがなされており、
脇役にも武士でありながら「刀などただの道具だ」と言い切るリアリストの島田に、
暴力の権化のようでありながら繊細な一面も持つ薩摩武士の伊牟田など
信念を持った濃いキャラクターがたくさん登場してきます。

巻数も全7巻と短くまとまっており
比較的気軽に手を出せる秀作として
安心しておすすめできる漫画ですね。

平和の国の島崎へ

平和の国の島崎へ

モーニングKC
既刊1巻
原作/濱田轟天 作画/瀬下猛

幼い頃に国際テロ組織に拉致され
工作員としての教育を受けた主人公の島崎が
30年越しに組織から脱走して日本へと帰り、
憧れだった"平和な生活"を手に入れるため
正体を隠して生活するというお話。

一瞬で屋根の上に飛び乗ったり、
組織の殺し屋を軽く返り討ちにしたりするような島崎が、
漫画家のアシスタントや喫茶店のバイトといった
平和な日常に馴染むことに悪戦苦闘するギャップが一つの見どころ。

ちょくちょく挟まる外国料理ネタや
日本の街中で繰り広げられる
ハリウッド映画顔負けのアクションシーンも楽しく、
あまり人を選ばずおすすめできるタイプの漫画です。

第一話のラストには
「島崎慎吾が戦場に復帰するのは─
340日後のことである」というナレーションが挿入されており
島崎の戦場復帰は決定事項のようですが、
平和な暮らしを望んでいるはずの島崎が
なぜ戦場に戻ることになるかはすごく気になるところ。

まだまだ連載開始から日が浅く、
これから話がどう転んでいくか先が読めませんが、
それも含めてこれからが非常に楽しみな漫画の一つです。

セトウツミ

セトウツミ

別冊少年チャンピオン
完結済み 全8巻
作者/此元和津也

大阪に住む瀬戸と内海の二人の男子高校生が
河原でダラダラとひたすら駄弁る姿を描く
一風変わった日常系漫画。

瀬戸と内海の間で話題に上るのは
家族の話や好きな同級生の話、
あるいは苦手な不良の先輩の話といった
いかにも男子高校生らしい他愛のないものばかり。

ですがそこには同時に、
端々に散りばめれらたシュールなユーモアと
歯切れの良い漫才のような掛け合いが生み出す
奇妙な中毒性があるのです。

中でも個人的に印象的だったエピソードは
前後編2話分を使って描かれたババ抜きの話(第二巻)。

お互いに噛み合っているようで
噛み合っていない会話の内容を
瀬戸と内海それぞれの視点から
描き直すというトリッキーな内容で、
読んだときは思わず感心してしまいました。

他にもこの漫画でしか味わえない
尖ったエピソードが盛りだくさんですので、
ゆる〜く読めるセンスの良い漫画をお探しであれば
ぜひこのセトウツミをチェックしてみてください。

紛争でしたら八田まで

紛争でしたら八田まで

Dモーニング
既刊11巻
作者/田素弘

地政学の知識で世界中の紛争を解決する
フリーランスの地政学リスクコンサルタントである
八田百合の活躍を描く漫画。

ミャンマーやタンザニアなど
章ごとに異なる地域が舞台となり、
その地域独特の政治、歴史、文化的な蘊蓄を
織り交ぜたストーリーが展開されます。

地政学、という多くの人にとって
馴染みの薄い分野を題材としつつ、
気軽に読めるエンターテイメントに仕上げている点が実に見事。

浦沢漫画やゴルゴ13が好きであれば
本作も楽しく読めるかと思います。

日本三國

日本三國

マンガワン
既刊3巻
作者/松木いっか

核戦争や伝染病の蔓延、大震災などによって
人口が10分の1にまで減少し、
文明レベルが明治時代のレベルにまで巻き戻ったことで
大和、武凰、聖夷の3つの国に分裂した
近未来の日本を舞台とする架空戦記漫画。

主人公は愛媛群(現実の愛媛県)出身の
三角 青輝(みすみ あおてる)で、
腕力ではなく得意の弁論を武器に
乱世の荒波を乗り越えていくという設定です。

このように、なかなか大胆というか
今までにありそうでなかった
チャレンジングな設定が目をひく本作ですが
その設定に負けないだけの確かな漫画力があり、
特に第一話では先述したような複雑な設定にもかかわらず
世界観の説明、主人公の人柄、特技、動機まで
しっかり伝わる構成となっており、
その時点で私はこの漫画は何か違うぞ、
という確信を持ちました。

戦記もの、ということで
三国志のように3つの国の戦いがメインとなるわけですが
同じ国であっても必ずしも一枚岩というわけではなく
派閥ごとの思惑や駆け引きがあったりと
群像劇的な面白さもあり、展開の先の読めなさ、
ワクワク感という意味では個人的に
ここ数年で読んだ漫画の中でも5指に入るレベルです。

また、異世界とかではなく
現実と地続きの近未来の日本が
舞台となっているところからくる
生々しいリアリティがあるのもこの作品の魅力。

言うなれば関西vs関東vs
北陸、東北、北海道連合軍みたいな。

自分だったらどの陣営で、
どういうふうに動くだろうみたいに
否応なく当事者意識を持って
読まされてしまうところが上手いですね。

惜しむらくはマンガワンアプリでの連載が不定期で
話が進むのがやや遅めであるという点ですが
作者の松木いっかによればそれも
作品のクオリティを重視したゆえの判断らしく、
私としては気を長くして今後の連載を待つばかりです。

フットボールネーション

フットボールネーション

ビッグコミックス
既刊17巻
作者/大武ユキ

ビッグコミックスペリオールで
2010年より連載中のサッカー漫画。

天才的なサッカーのセンスを持つ沖 千尋が、
天皇杯の優勝を狙う東京クルセイドの監督と出会って
天皇杯本戦への道のりを歩んでいくというストーリー。

主人公、沖の複雑な過去や
Jリーグの強豪クラブのエースを務めるものの
内心で沖にコンプレックスを抱くライバルとの関係など
スポーツ漫画らしいドラマも色々と織り込まれていますが、
この漫画の最大の特徴といえばやはり
随所に散りばめられたスポーツ科学的な蘊蓄の数々でしょう。

インナーマッスルを鍛えることの効果や、
速く走るための"上半身"の使い方、
体幹を安定させるための呼吸法など、
サッカーに限らず役立つ
汎用的なスポーツ科学の知識を
漫画を通じてわかりやすく伝えてくれる点が
この漫画の醍醐味です。

特に私の場合、慢性的な腰痛と
足裏にできる魚の目に悩まされており、
それらの対策となる姿勢についてのエピソードや
日本人と靴の関係性のエピソードからは得るものが多く、
まさに目から鱗という感じでした。

一方で…変な話ですが
肝心のサッカー描写については
やや賛否というか、
好みの分かれる点はあるかと思います。

漫画的なハッタリよりも
写実性を重視しているためか
全体的に躍動感に乏しく、
良くも悪くも漫画的なハッタリはあまりないんですよね。

無名のチームが独自の理論を武器に
強豪を打ち破っていく過程は面白いのですが、
「キャプテン翼」のようなド派手なサッカー描写を期待すると
肩透かしを喰らうかもしれません。

ともあれ、個人的には出会えてよかったと思えた漫画なので、
興味が湧いたら是非ともチェックしてみてください。

鬼ゴロシ

鬼ゴロシ

週刊漫画ゴラク
既刊9巻
作者/河部真道

仮面を被った五人の襲撃者によって
植物状態にさせられ、妻と娘を惨殺された元極道、
坂田周平の15年越しの復讐劇を描く
“鬼憑リベンジミステリー”。

圧倒的なスピード感が感じられる
スタイリッシュな暴力描写はもはや芸術の域。

鬼憑の伝承に絡めた謎解きや
それぞれ異なる仮面を被った襲撃者の正体など
ミステリ要素も多々ありますが、
この漫画に関してはそこまで深いことは考えなくとも
圧倒的な暴力と復讐の快感に
身を任せておけば良いのではないかと思います。

刺激ある、切れ味鋭い漫画をお探しの方は是非。

龍と苺

龍と苺

少年サンデーコミックス
既刊10巻
作者/柳本光晴

実写映画にもなった
「響」の作者が描く将棋漫画。

切れたナイフみたいな性格の女子中学生、
藍田苺が将棋と出会い
その類まれなる才能を開花させていく物語。

正直なところ、この龍と苺を読む以前、
私は著者に対してあまり良い印象を持っていませんでした。

なぜかというと、
前作の響を途中でギブアップした経験があるからです。

確か初期のエピソードだったと思うのですが、
主人公が文芸部の先輩と本の並べ方を巡って
言い争いなるエピソードで、
本棚を倒してまで自分の我を通そうとする
主人公の描写にひいてしまい、
それ以降読むのをやめてしまっていたんですよね。

なので、本作についても
この作者の感性は自分には合わないかもと
ほとんど期待せず読み始めたのですが
いざ読み始めてみるとこれがかなり面白い。

主人公の苺は
やはり生意気で型破りな性格なのですが、
勝負に関しては真摯であり
格上だと認めた相手の言葉は素直に受け入れ、
成長するためなら謙虚に努力もできる
キャラクターとして描かれており好感が持てます。

肝心の対局描写についても
苺の経験不足や精神的な未熟さを弱点として
毎回の対局に緊張感を持たせている点も上手。

例え将棋に詳しくなくとも
青春漫画としてストレートに楽しめる内容ですので、
面白くてハマれる漫画をお探しの方は是非
この龍と苺を読んでみてください。

7seeds

7seeds

月刊フラワーズ
完結済 全36巻
作者/田村由美

続いてご紹介するのは、
女性向け雑誌である月刊フラワーズ誌上で
連載されていた7seedsです。

あらすじは、目が覚めたら
なぜか嵐の海上で見知らぬ男女と漂流していた
女子校生の岩清水 ナツが
変わり果てた世界で仲間と共に
生き抜いていくというもので、
ジャンルとしてはSFになります。

ところで私はこれまでほとんど少女漫画
及び女性向け漫画を読んだ経験がなく、
本作も、U-NEXTの試し読みで
無料で10巻まで読めたので、
とりあえずで読んでみた感じだったのですが、
これが予想以上に面白くてびっくり。

絵はところどころラフな部分もありますが
主人公たちに次々と容赦無く襲い掛かるハプニングと
少しづつ明かされる世界の謎が面白く、
一気に話に引き込まれました。

また、登場人物の心理や人間関係の描写が丁寧で、
年甲斐もなくドキドキしたり、
ウルっとさせられることもしばしば。

良質な冒険活劇兼人間ドラマとして、
男女の別なくおすすめできる良作です。

終わりに

以上、最近読んだ中で面白かった漫画ベスト10でした。

この頃は、無料アプリや試し読みなど
手軽に漫画に触れられる手段が増えて
その点は全く良い時代になったものだと思います。

良い漫画がたくさん読まれて、
作者の方にお金が入って
それでまた良い作品が生まれるという
好循環が生まれれば良いですね。

それでは。

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