映画初心者にガチで観てほしい不朽のおすすめ名作映画10選

映画

はじめに

こんにちは、daimaです。

本日は、年に100本は映画を見る
映画好きの私が、映画初心者の方に
特にオススメしたい珠玉の名作映画
10本をご紹介させていただきます。

紹介する作品の選考基準は主に、
①アカデミーやカンヌ映画賞の受賞歴
②後世の映画に与えた影響の大きさ
③yahoo映画など各映画サイトでの評価の高さ
④私が実際に干渉して心からおすすめしたいと感じたかどうか

の四点です。

それではどうぞ。

※鑑賞の楽しみを奪うネタバレは避けるように配慮していますが、閲覧はあくまで自己責任でよろしくお願いします。

ファイト・クラブ(1999,デイヴィッド・フィンチャー)

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あらすじ

『セブン』『ベンジャミン・バトン』の
デヴィッド・フィンチャーが監督した
1999年公開のアメリカ映画。

ブラッド・ピットが
重要な役所であるタイラーを演じ、
2008年にエンパイア誌が行った
過去最高の映画ランキングでは
10位にランクインしています。

あらすじ

主人公の「僕」は
自動車会社勤務の冴えないサラリーマン。

そんな彼の数少ない楽しみは、
北欧ブランドの高級家具や
高級ブランドの洋服を買い漁ることでした。

しかしある時『僕』は、
出張途中の飛行機で
自分と正反対の外見と性格を持つ
タイラー・ダーデンと知り合い、
彼の誘いで秘密のファイト・クラブに入会します。

ファイト・クラブとは
タフな男達がルールに則って
喧嘩を行う場所であり、
そこで今までの生活にはない
刺激を味わった『僕』は、
ファイト・クラブにのめりこみ、
次第にそこで頭角を表すようになっていくのでした…

見所

本作の見所は
観客に驚きを与える巧みな仕掛けと、
ブラッド・ピット演じる
タイラー・ダーデンの
魅力的なキャラクターにあります。

シナリオ中の仕掛けについては
ネタバレになるため
やはり明かすことはできませんが、
劇中には随所に
伏線が散りばめられており、
終盤には思わず「やられた!」
と叫びくなるような
大どんでん返しが待ち受けています。

そしてファイト・クラブの
設定と合わせて、本作の
ハードな世界観に華を添えているの
が、ブラッド・ピッド演じる
タイラー・ダーデンの存在です。

鍛え上げられた肉体に
真っ赤な男臭いジャケットを羽織り、
その行動は大胆不適で抜け目がなく、
まさに男が憧れる男の中の男といった
人となりを持つダーデン。

本作のファンの中には、
ダーデンに憧れてそのファッションや
言動を真似したという方も
少なくありません。
(アメリカでは本作の公開直後、
映画の真似をしたファイトクラブが
いくつも開催されたとか…)

どんでん返しのある映画が好きな方に
ぜひおすすめしたい本作。
また、本作が気に入ったら
同監督の「セブン」もおすすめですよ!

トゥルーマン・ショー(1998,ピーター・ウィアー)

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概要

『マスター・アンド・コマンダー』
『いまを生きる』の
ピーターウィアーが監督を務め、
主演に人気コメディ俳優の
ジム・キャリーを据えた本作。
1998年のゴールデングローブ賞、
ヒューゴー賞などを受賞しています。

あらすじ

離島のシーヘブン島で
保険のセールスを務める
トゥルーマン(ジム・キャリー)は
誰からも愛される明るい好青年。
彼は妻のメリルや大学時代からの
親友マーロンと共に、平穏で楽しい
日々を過ごしていました。

しかしある日、
トゥルーマンは幼い頃に
海の事故で亡くなったはずの
父の姿を街で見かけ、
トゥルーマンが
声をかけようとしたところ、
父親はどこかから現れた
男達に連れされてしまいます。

この世界は何かがおかしい…
自分の周囲に不信感を
抱いたトゥルーマンは、
その謎を解き明かすことを
決意するのでした。

見所

本作は一見お気楽な
コメディ映画のように見えて、
その実自由意志という
哲学的なテーマを内包した作品です。

ネタバレになるため
詳細に触れることは避けますが、
本作のラスト、全てを知った
トゥルーマンがある決断を下すシーンは
誰もが心揺さぶられずにはいられないはずです。

ジム・キャリーファンも、
SFファンも、普通の映画ファンも
こぞって楽しめる秀逸な一本。
私自身、これまでこの映画に
何度勇気付けられてきたか
わかりません。

ショーシャンクの空に(1994,フランク・ダラボン)

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概要

監督フランク・ダラボン、
原作スティーブンキングの
ゴールデンコンビによる
1994年公開のアメリカ映画。

amazonの運営する
映画、TV、ゲームの総合サイト
IMDbでは、一般ユーザーが
投票で選ぶ映画ランキングにて
本作が約197万票を獲得し
見事一位に輝いています。

あらすじ

1947年、若き銀行副頭取
アンディ・デュフレーン(ティム・ロビンス)は
妻を殺害した無実の罪で、劣悪な環境の
ショーシャンク収率刑務所に収監されます。

アンディはそこで
古株の囚人のレッド(モーガン・フリーマン)と
親友になり、また持ち前の知性と
高潔な人柄から次第に他の囚人達からも
信頼と尊敬を集めていきました。

しかし、刑務所には
暴力で他の囚人を支配するボグズや
善人ぶった悪党のノートン所長など
アンディを苦しめる強敵が
次々に立ちはだかります。

果たしてアンディは、
短らの潔白を証明し
無事にショーシャンクから
脱出できるのか…
個人の自由と尊厳を描いた
極上のヒューマンドラマが
ここに幕を開けます。

見所

ネットや雑誌などで
記憶に残る名作映画
といった話題になると、
決まって名前が挙がるのが
この『ショーシャンクの空に』です。

本作の魅力は様々ありますが、
中でも大きなものは
『シナリオの面白さ』
『テーマ性の素晴らしさ』
『記憶に残る名シーンの数々』の3点です。

まずシナリオについては
『スタンド・バイ・ミー』
『IT』『キャリー』など数々の
名作映画の原作を執筆した
モダンホラーの巨匠
スティーブン・キングの長編小説
『刑務所のリタ・ヘイワースが
下敷きになっており、その完成度は
評判に違わないものがあります。

刑務所という舞台設定を
最大限に生かした危機の演出は
流石ホラーの大家と唸ってしまうような
リアルな恐怖感がありますし、
そうした危機をスマートに切り抜ける
アンディの姿には、思わず
憧れてしまうような格好よさがあります。

続いてテーマ性の面を見ると、
本作はその人間賛歌とでも呼ぶべき
ヒューマニズムや自由に対する
肯定的な姿勢が非常に印象的です。

本作における敵は
人間の自由を抑圧する
ゆがんだ社会制度や
自分の利益のために
弱者を虐げる悪党達であり、
主人公アンディはそうした
悪に対して、たった一人で
しかも暴力に頼ることなく
立ち向かっていくのです。

そして、こうしたテーマ性の深さは、
第三の魅力である『名シーン』の
感動にも繋がっています。

例えばアンディが
放送室をジャックして
『フィガロの結婚』のレコードを
刑務所中に流す
劇中の有名なワンシーン。

これは、囚人たちに
言葉や暴力ではなく
芸術の力で束の間の
自由な人間の気持ちを
味わわせたいという
アンディの粋な心遣いが
表れた名シーンであり、
本作のアイデンティティを
象徴するような一場面でもあります。

そして、あまりに有名な
本作のラストシーン。
それをここで明かすことはできませんが、
私が最初その場面を観た時、
使い古された月並みな言葉…
『心震える』というのは
まさにこういうことなんだと
言葉ではなく心で
理解することができた思いがしました。

長く愛される映画には、
必ずそれだけの理由があります。
未鑑賞の方はこの『ショーシャンク』
ぜひ一度ご覧になってください。
おそらく、心に何か
熱いものが残るはずですよ。

パルプ・フィクション(1994,クウェンティン・タランティーノ)

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概要

『レザボア・ドッグス』『キルビル』の
タランティーノが監督を務め、
主演にジョン・トラボルタや
サミュエル・L・ジャクソン、
ブルース・ウィリス、ユマ・サーマンなど
豪華俳優陣を起用した
オムニバス形式のクライム映画。

1994年のアカデミー賞7部門にノミネートし
その内脚本賞を受賞。さらに同年のカンヌで
パルムドールを受賞しています。

あらすじ

本作は筋は主に二つあり、
『ギャングのビンセント(ジョン・トラボルタ)と
ジュールス(サミュエル・L・ジャクソン)が
ボスの命令をこなす話』と
『落ち目のボクサー
ブッチ(ブルース・ウィリス)が
ギャングのボスの仕組んだ
八百長試合を裏切り、
恋人のファビアン(マリア・デ・メディロス)と
街から逃げ出そうとする話』
の二編が絡み合いながら進行します。

見所

本作はそのタイトル通り、
馬鹿馬鹿しい話の
連続で構成されています。

殺し屋のビンセントが
ボスの妻ミア(ユマ・サーマン)の
世話役を任されて
その奔放な行動に冷や汗をかいたり、
ブッチを追うギャングのボス、
マーセルスが質屋で×××されたり、
ビンセントとジュールズが
成り行きでクソダサTシャツを着たり…。

ですが、そうしたシークエンスの
ひとつひとつにタランティーノ流の
絶妙なユーモアが効いており、
2時間半の上映時間中
飽きることなく楽しませてくれます。

そして、それらの線が
最終的に一つの線に収束し、
ビシッと決まるラストシーンの
格好良さはまさに格別。

前作、レザボア・ドッグスに続いて、
タランティーノ監督の
名声を決定づけた一作であり、
個人的にも同監督作で
一番オススメしたい作品です。
未鑑賞の方はぜひ!

アマデウス(1984,ミロス・フォアマン)

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概要

『カッコーの巣の上で』の
ミロス・フォアマンが、
モーツァルトとサリエリという
18世紀フランスを生きた
二人の音楽家を主人公に据えて
圧倒的スケールで描き出す歴史ドラマ。

第57回アカデミー賞において
作品賞、監督賞、主演男優賞、脚色賞、
美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ賞、
録音賞の8部門受賞、他三部門で
ノミネート
という快挙を達成しました。

あらすじ

1823年の秋の暮れ、
一人の老人が自殺を図り、
精神病院に担ぎ込まれます。

みすぼらしいその老人は
自分をかつて宮廷音楽家として
皇帝に仕えた
アントニオ・サリエリだと言い、
様子を見に来た若い神父に対し
「自分がモーツァルトを殺したのだ」
という俄かには信じがたい話を
語り始めるのでした…

見所

誰もがその名を知る
神童『モーツァルト』の通称
アマデウスをタイトルに
冠したこちらの作品。

しかしながら、
この映画がその名を
映画史に刻んだ最大の立役者は
モーツァルトではなく、
もう一人の主人公サリエリでしょう。

本作におけるサリエリは、
「モーツァルトの才能を
理解できるだけの才能」を
与えられ、その才能に嫉妬する
役回りになっています。

この対比が実に見事で、
モーツァルトの才能を際立たせつつ
超えられない壁に苦しむサリエリに
観客は自分を重ねて
深く感情移入する効果をも
生み出しています。

そして、そのサリエリを演じる
F・マーリー・エイブラハムの
演技がまた見事。

中でもモーツァルトの楽譜を見て
そのあまりに完璧な譜面に
衝撃を受けたサリエリが
思わず楽譜を取りこぼすシーンは
映画史に残る鮮やかなワンシーンです。

モーツァルトを演じる
トム・ハルスはその愛嬌のある風貌が
本作の破天荒なモーツァルト像に
ぴったりですし、猛特訓を経て
代役なしで演じたピアノ演奏と
指揮のシーンの説得力は
役者魂を感じる素晴らしいものでした。

また、物語の舞台となる
宮廷の豪華絢爛な舞台美術や、
モーツァルト音楽の第一人者
ネヴィル・マリナーが担当した
劇中音楽の出来栄えも完璧で、
鑑賞中はまるで18世紀のパリに
タイムスリップしたかのような
陶酔感に浸ることができます。

総じて、演出、脚本、
美術、テーマ性、俳優陣の
どこをとっても隙のない
非常に満足度の高い内容。

鑑賞の際は、
大画面&大ボリュームで
浸るように楽しみたい一作です。

タクシー・ドライバー(1976,マーティン・スコセッシ)

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概要

マーティン・スコセッシ監督、
ロバート・デニーロ主演のサスペンス映画。

ベトナム戦争終結直後の1976年に公開され、
その社会的テーマ性の高さと
主演デニーロの鬼気迫る演技で人気が爆発。
アカデミー賞では作品賞をはじめとする
4部門にノミネートされ、
ゴールデングローブ賞やカンヌ、
ロサンゼルス映画批評家協会賞など
多数の賞を受賞しました。

あらすじ

舞台は1970年代のニューヨーク。
ベトナム戦争帰りの元海兵隊員
トラヴィス(ロバート・デニーロ)は、
戦場で患った不眠症のために
まともな仕事に就くことができず、
小さなタクシー会社の運転手として
孤独で虚しい日々を過ごしていました。

彼の眼に映る夜の街は
退廃と享楽にまみれた不浄なものであり、
そんな街を走り続ける日々の中で
トラヴィスの中にある感情が芽生え始めます。

そして偶然、13歳の売春婦
アイリス(ジョディ・フォスター)を
偶然助けたことをきっかけに、
トラヴィスはついに
この腐った社会を浄化する
ある計画を実行に移すのでした…

見所

1960年代後半から続々と作られた、
社会や体制に反抗する人間の姿を描く
アメリカン・ニューシネマの
最高傑作とされる本作。

しかし、そうした蘊蓄以上に
本作を不動の名作の位置に高めているのが、
主演であるロバート・デニーロの
鬼気迫る演技の魅力です。

自分を見捨てた社会に対し、
怒り反抗するトラヴィスが
乗り移ったかのような
デニーロの眼光と演技は、
本作に肌がヒリヒリするような
緊張感を与えています。

徹底した役作りで知られる
デニーロは、この作品のために
実際に一ヶ月間タクシードライバーの
仕事を体験して撮影の臨んだそうです。

他にもジョディ・フォスターや
ハーヴェイ・カイテルなど
脇を固める演者も非常に魅力的であり、
まさに時代の空気感と
俳優陣の実力が生んだ傑作と言えるでしょう。

ただ、本作はベトナム戦争や
コミューンなど、70年代の
アメリカ文化への理解を
前提とした内容になっていますので、
鑑賞をお考えの方は、
事前にその辺の時事について
軽くおさらいしておくことをおすすめします。

2001年宇宙の旅(1968,スタンリー・キューブリック)

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概要

SF作家、アーサー・C・クラークの
原作を元に、スタンリー・キューブリックが
メガホンを取った1968年公開のSF映画。

前衛的な作風ながら、
その映像技術と高いセンスが評価され
同年のアカデミー特殊視覚効果賞を受賞し、
1969年のヒューゴー賞も受賞しています。

あらすじ

時は人類が宇宙に進出した2001年。
史上最高の人工知能、HAL9000を
搭載した宇宙船ディスカバリー号は、
ある特別な任務を負って
木星探査の旅に出発します。

しかしその道中、
HAL9000が
誤った故障予測を出し、
それをきっかけとして船内に
恐ろしい事態が進行し始めるのでした…

見所

ジョージ・ルーカスが
SF映画の最高傑作と呼び、
スピルバーグやノーランを始め、
後世の映画監督に
多大な影響を及ぼしたこの作品。

その見所は、
映画界のオーパーツとも評される
高度で洗練された映像技術と、
今尚ファンの間で議論を呼ぶ
難解で象徴的なストーリーにあります。

特に映像技術の面に関しては
1960年代に作られたことが
信じられないほどの完成度で、
第一部に登場する猿人や
ミニチュア模型を駆使して撮られた
宇宙船ディスカバリー号、
そして第三部の筆舌に尽くし難い
光の洪水のような映像に至るまで、
どうやってこんなものを撮ったのかと
キューブリックを問い詰めたくなるほど
凄まじい画が次から次へと繰り出されます。

一方でストーリーに関しては
とにかく難解かつ抽象的であり、
その評価は今も観る人によって
大きく賛否が分かれます。

全体としては、
人類を超越した存在である
『モノリス』を中心に
人類の進化と未来について
描いているのですが、
作中にとにかく説明が少なく、
観客に対して多分に
想像力を求める作風のため、
人によっては『意味不明の映画』
にしか映らない可能性もあります。
(私も初見時は第三部の時点で
理解が完全に追いつかなくなりました)

ですので本作を鑑賞する際は、
初回はその映像美とセンスを楽しむつもりで
無理にストーリーを理解しようとせず、
鑑賞後に関連サイトを巡って
不明点を補完する、といった心算で
挑んだ方が良いかもしれません。
そのくらい、難解で
不親切な作品なのです。

しかしながらその点を差し引いても
本作が映画史の中で占める
影響の大きさは疑いようもなく、
ひとつのマイルストーンとして今後も
その存在感を発揮し続けることでしょう。

七人の侍(1963,黒澤明)

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概要

1954年公開、黒澤明監督の日本映画。

コッポラ、ルーカス、スピルバーグなど
名だたる名監督たちに影響を与え、
興行的にも700万人を動員する
大成功を収めました。

あらすじ

舞台は戦国時代末期。
野武士の襲撃に怯える村人たちは、
用心棒として侍を雇うことにします。

そうして集まったのは
島田官兵衛(志村喬)を始めとする
個性豊かな七人の侍たち。

彼ら七人は、
圧倒的に不利な状況の中、
村人たちと一致団結して
野武士たちとの戦いに挑むのでした。

見所

本作の魅力は、
エンターテイメントとして
ひたすらに面白い
という
ただその一点に尽きると思います。

冷静沈着で
人生経験豊富なリーダーの勘兵衛(志村喬)、
孤児として育ち、野蛮だが
人間味ある菊千代(三船敏郎)、
七人の中で最年少で、
官兵衛に憧れる勝四郎(木村功)、
無口でストイックな
凄腕の剣豪 久蔵(宮口精二)など
登場する侍たちはみな魅力的で、
ヒーロー漫画の主人公のようです。

そんな侍たちが
時にぶつかり合い時に認め合いながら、
圧倒的不利な状況に
立ち向かうというのだから、
これに心が燃えないわけがありません。

そして、最大の見せ場である
合戦シーンの迫力も
本作を語る上で外せないポイントです。

撮影技術としては、
世界初とも言われる
複数のカメラよる
マルチカメラ方式を採用し、
アップ・ロングを組み合わせた
臨場感ある画面を実現。

さらに真冬の2月に
消防車8台を使い雨を降らせて
泥だらけで撮影を行なう
という
作品作りに対する徹底ぶりも凄まじく、
そんな過酷な状況が
生んだ演技はまさに迫真の一語。

そこに嘘っぽさや
作り物っぽさは微塵もなく、
その迫力はまるで本当に戦国時代の
情景を垣間見ているような錯覚に陥るほど。

ラストには
ほろりとくるような余韻もあり、
いつ何度見ても楽しめる
まさに娯楽映画の王様のような作品です。

道(1954,フェデリコ・フェリーニ)

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概要

粗野な旅芸人のザンパノと、
死んだ姉の代わりにザンパノに買われ
巡業の手伝いをすることになった
ジェルソミーナの二人を主人公に、
生きることの悲哀を描いた
フェデリコ・フェリーニ監督の
イタリア映画。

自他共に認める
フェリーニ監督の代表作であり、
1956年のアカデミー
外国映画賞を受賞しています。

あらすじ

映画は、旅芸人のザンパノが
死んだ助手兼妻の女性の代わりとして、
その女性の妹ジェルソミーナを
家族からタダ同然の金額で
買い取る場面から始まります。

ジェルソミーナは
頭は少々弱いものの、
優しく純粋な心の持ち主で、
旅芸人の仕事に楽しみを見出しますが、
一方で自分を道具のように扱い、
平気で他の女と寝るザンパノに
耐えきれなくなって、ある日一人で
街へと逃げ出してしまいます。

逃げ出した先の街で
ジェルソミーナは、
陽気な綱渡り芸人
イル・マットと出会います。

しかしイル・マットとザンパノは
昔から犬猿の仲であり、
この出会いが三人に
ある思いがけない悲劇を
もたらすことになるのでした…

見所

フェデリコ・フェリーニは
今回取り上げた監督の中では
少し知名度の劣る存在かもしれません。

しかしながらその作品には
生きた人間の息遣い
透徹したリアリズムがあり、
観るものの心を強烈に揺さぶる
パワーに満ちているのです。

そしてそれは、
フェリーニの代表作である
本作において特に顕著です。

本作の主役であるザンパノは、
ジェルソミーナに暴力を振るうわ
泊めてもらった教会の
貴重品を盗もうとするわと
端から見れば自分勝手な悪人ですが、
そんな彼もフェリー二の手にかかれば
弱く愛すべき一人の孤独な男として、
映画の終盤には完全に感情移入させられて
しまうのだから不思議です。

そして主人公兼ヒロインの
ジェルソミーナは、
ジュリエッタ・マシーナの
配役が本当に絶妙であり、
劇中に見せる何気ない仕草の
ひとつひとつに、作り物ではない
自然な愛らしさがあって、
ザンパノやイルマットが
彼女に夢中になった理由が
十二分に伝わってきます。

そして、そんな二人の運命を
大きく変えることになるのが
中盤に登場する
綱渡り芸人のイルマットです。

あらすじの部分でも触れましたが、
イルマットはザンパノと
過去に因縁があり、そのイルマットと
ザンパノが共に
ジェルソミーナに恋をしてしまうという
何とももつれた三角関係が
本作の中盤以降のストーリーの
核なっているのです。

その結末はぜひとも
本編を見て確かめていただきたいのですが、
ちょっとだけ口を滑らせてしまうと、
本作のラストはひたすらに切ないものです。

この切なさというのは
とても言葉にできないほどで、
私にとって映画を見てあそこまで
強く胸をえぐられた気持ちになったのは
5年くらい前に観た
「ミリオン・ダラー・ベイビー」以来でした

どれだけ時を経ても色褪せない、
映画だけが持つ偉大な魔法が
込められた、美しく切ない名作映画。
骨太でずっしり胸に響く映画を
観たい方はぜひ、この作品をどうぞ。

めまい(1958,アルフレッド・ヒッチコック)

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概要

『めまい』は1958年に公開された
アルフレッド・ヒッチコック監督の
サスペンス映画です。

英国映画協会が2012年に発表した
「世界の批評家が選ぶ偉大な映画50選」
第1位に選出され、
インディペンデント紙の選ぶ
ヒッチコック映画のランキングでも
「サイコ」や「汚名」「鳥」などを
抑えて1位を獲得しています

www.independent.co.uk

あらすじ

屋上を逃げる犯人を追う際に
不運な事故で同僚を
転落死させてしまったショックから、
高所恐怖症とめまいの発作に
襲われるようになった「スコティ」こと
ジョン・ファーガソン刑事(ジェームズ・ステュアート)。

めまいを理由に警察をやめ
手持ち無沙汰になったスコティでしたが、
そこにかつての旧友エルスターが
ある奇妙な調査の依頼を持ち込みます。

その依頼というのは
エルスターの妻である
造船会社令嬢マデリン(キム・ノヴァク)
の尾行調査であり、
しかもエルスターによると、
マデリンには100年前に亡くなった
悲劇の女性カルロッタ・ヴァルディスの
亡霊がとり憑いていて
そのせいでマデリンの行動が
おかしくなってしまったというのです。

この突拍子も無い話に半信半疑ながらも
友人の頼みとあって調査を引き受けたスコティ。
しかしその裏には複雑な思惑が絡んだ
ある意外な真実が隠されていたのでした…

見所

公開当初は
さほど評判が振るわなかったものの、
時代が下るにつれて評価が見直され、
今ではヒッチコックの
最高傑作との呼び声も高い本作。

その筋書きは
オカルト要素とサスペンス要素を
うまく組み合わせた王道ミステリであり、
序盤こそやや退屈なものの、
中盤である急展開を迎えてからは
一気に映画の内容に引き込まれます。

またヒッチコック流の
実験的な映像表現も面白く、
高所から見た床が
迫ってくるような撮影技法、
通称めまいショットや、
ヒッチコック映画でおなじみの
監督のカメオ出演など
映画好きにはたまらない
蘊蓄の語りどころの多さも魅力ですね。

そして、本作のヒロイン、
マデリンを演じた
キム・ノヴァクの存在も
『めまい』という作品を
語る上で外せないポイントです。

ヒッチコックは当初
マデリン役に清楚な雰囲気の女性を
想定していたらしく、その点で言えば
妖艶な雰囲気のキム・ノヴァクは
むしろ不本意なキャスティングだったそうです。

しかしながら
その妖艶さこそが
かえってマデリンの悲劇的な
キャラクターを引き立てており、
作品を観終わってみれば
むしろこの人以外に
マデリン役は考えられなかったと
思わされるのだから不思議です。

今から50年前の作品であり、
映像も白黒な点はやや敬遠されがちですが、
巨匠ヒッチコックの代表作の一つとして
映画通ならぜひとも一度は
観ておきたい一作ですね。

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