【2023年版】ガチで面白いSCP報告書50選。隠れた名作や入賞作も【2】

2023年版!ガチで面白いSCP報告書まとめpart2SCP

はじめに

こちらの続きです。

ガチで面白いSCP報告書50選

SCP-2894-JP - 将来の夢

SCP-2894-JPの1例

SCP-2894-JPの1例

SCP-2894-JP - SCP財団

SCP-2894-JPに
指定されているのは
対象となった卒業生に
ミーム災害を及ぼす卒業文集です。

SCP-2894-JPに「将来の夢」を記載した対象は、
卒業時点からその夢を実現するために
日々の労力を費やすようになり、
集中力や学習意欲が飛躍的に向上します。

その結果、多くの場合で概ね
「将来の夢」に沿う形で社会的に成功し
相応の地位を築くに至ります。

報告書にはこのアノマリーの影響をうけたことで
志望校に合格した人物や、
サッカーの大会で華々しい成績を挙げた
人物の例などが掲載されており、
パッと見凄く有益なアノマリーのようにも思えます。

特に卒業を控えた年頃の
お子さんをお持ちの親御さんにとっては
喉から手が出るほど
利用したくなるアイテムなのではないでしょうか?

時間がない人のためのネタバレ▼

どっこいこれはSCPオブジェクト。
美味い話には必ず落とし穴があるものだ。

一方で、大半のSCP-2894-JP-Aは年月が進行するにつれて、自身が抱く「将来の夢」の理想の実現又は維持のためには如何なる手段を講じてもやむを得ないと確信し、それと共に自身の人格が次第に変化するようになります。
この人格の変化は不可逆的であり、SCP-2894-JP-Aはその変化に対して不審感を抱きません。

報告書には、夢を追うことに取り憑かれるあまり
破滅的な人生を辿った
曝露者の記録がいくつも掲載されている。

以下はSCP-2894-JP-Aによって引き起こされた事件の一部

補遺4: 203█年現在、SCP-2894-JP-Aの自殺率や精神疾患の発症率が非常に高い傾向にある事が確認されています。
その多くに共通する点として、定年退職、事故、不祥事等といった理由により「将来の夢」を維持できなくなった、又は断念せざるを得なくなった人物という点が挙げられています。
SCP-2894-JPの異常性との因果関係が存在するかは現在調査中です。

このように、SCP-2894-JPは本質的に
極めて危険なアノマリーなのだが
一方でこのアノマリーの開発元である
"夢見テクノロジー"なる団体は、
ある顧客へ送った寄稿文の中で次のように述べている。

人は誰しも若い頃に将来における自身の姿について考えます。
それは未来における「人生の変遷」を真剣に描く事に他なりません。
私達のお手伝いが皆様の夢を実現するために少しでも貢献できたのなら、これ以上の栄誉はございません。皆様の「将来の夢」が実現する事を願って締めの言葉とさせて頂きます。

「未来ある若者」が描く「将来の夢」を実現するために全力を尽くします!

これが本心から出た言葉だったとしても、
悪意を込めた皮肉だったとしても、
彼らがおよそまともな集団では無い
ということだけは間違い無いだろう。

SCP-2784-JP - 何処かで誰かが貴方の事を話している

SCP-2784-JPによって被害を受けた市街地の様子。

SCP-2784-JPによって被害を受けた市街地の様子。

SCP-2784-JP - SCP財団

SCP-2784-JPに
指定されているのは
日本国内で発生する
異常性を伴った突風です。

その瞬間最大風速は123.2m/sに達し、
発生地点付近に壊滅的な被害をもたらします。

また、SCP-2784-JPには
未知の粘性の高い水分が大量に含まれ、
これが付着した箇所には
大量の苔・植物・樹木が急速に
 生成されるという異常性もあります。

いかにも神がかりというか、神秘的な現象であり
中にはSCP-2784-JPを神風として
崇拝対象とする、清伝教団なる
怪しげな宗教団体も存在するほど。

その性質について
財団が調査を進めたところ、
どうやらこの現象の発生確率には
世間における「神」への言及の頻度が
関係しているらしいことが
わかってきたのですが…?

時間がない人のためのネタバレ▼

SCP-2784-JPの正体は神様のくしゃみ。

神様への言及が増える = 噂されている = くしゃみが出る。
という図式。

ちなみに報告書末に記載されている
SCP-2784-JP発生時の音声データをよく聞くと
男性のものと思しき「ハックション」という音声が聞き取れる。

SCP-2992-JP - バックドア

SCP-2992-JP - SCP財団

SCP-2992-JPに
指定されているのは
特定1室内にて1人で
事務作業をしていると
背後にドアが出現し、
振り返ると存在を抹消されるという怪談です。

かつては信憑性のない
都市伝説として扱われていましたが、
2014年にサイト内職員寮
G-05室内にて存在が確認されました。

もしあなたがその室内で作業をする機会があれば…
神様へのお祈りの文句でも考えておくことをお勧めします。

時間がない人のためのネタバレ▼

報告書は、最初の作成者である
[#error! pete_wilsonというアカウントは存在しません]
執筆中にSCP-2992-JPの犠牲になった関係でロックされ、
編集ができない状態にある。

しかし、念の為設置されていたテキストボックスだけは
自由に編集ができるようになっており、
そこには歴代の犠牲者たちの最後のメッセージが残されている。

その中でも最後のメッセージは
今まさに書いている途中といった風。

scp-2992-jpキャプチャ

つまり、このメッセージを書いているのは
報告書を見ているあなた自身。
そしてその背後には…

SCP-2899-JP - ごめん、やっぱ今のナシで

SCP-2899-JP - SCP財団

SCP-2899-JPに
指定されているのは
不特定多数の個人に
発生する異常現象です。

その内容は、会話の中の発言の一部が
「コメントは削除されました」
「この書き込みは存在しません」などの
"発言を撤回する"趣旨の言葉に置き換わるというもの。

直接的な危害こそないとはいえ、
真面目な会話の途中でいきなりこんな言葉が出てきたら
どう言い訳したものか、気まずくて仕方なさそうですね…

時間がない人のためのネタバレ▼

SCP-2899-JPの発生原因は、
自分の過去の発言を取り消せる
異常なウェブサイト(SCP-2899-JP-A)。

依頼者はSCP-2899-JP-Aを通じて
「あなたの氏名」「発言日時」「取り消したい言葉」
を入力することで、該当する発言を
先述した固定ワードに置き換えることができる。

しかしこれは一種の過去改編であり、
改変のたびにCK-クラス"再構築"シナリオが起きていた。

要するにSCP-2899-JPは無害どころか
本質的に世界の滅亡に繋がりかねない
極めて危険なアノマリーだったのだ。

しかも財団の調査によれば、
未だ閉鎖されていないSCP-2899-JP-Aが
最低でも7サイトは野放しになっているのだという。

また、報告書の最後には
SCP-2899-JPの担当職員の士気低下を受け、
O5-7が発表した激励の言葉が掲載されているが、
その内容は次のようなものとなっている。

O5-7声明 [削除済み]

O5自ら過去改編するとは、
一体どれほどまずいことを
口走ったというのだろうか…?

SCP-2792-JP - 自慢のパパのお仕事は、

この画像はグラティア・プロトコルの一環として表示されるものであり、SCP-2792-JPと直接の関係はありません。

この画像はグラティア・プロトコルの一環として表示されるものであり、SCP-2792-JPと直接の関係はありません。

SCP-2792-JP - SCP財団

SCP-2792-JPに
指定されているのは
アメリカ国籍を持つ
14才の少女です。

SCP-2792-JPが目を閉じると、
過去に一度でもSCP-2792-JPに
言及した経験のある人物のダミー(SCP-2792-JP-1)が、
言及した媒体(SCP-2792-JP-2)を
所持した状態で暗闇の中に出現します。

そしてここからが更に重要な点なのですが、
SCP-2792-JPはSCP-2792-JP-1を介して
モデルになった現実の人物に影響を及ぼすことができます。

つまり、SCP-2792-JPがSCP-2792-JP-1を叩けば
現実世界のモデルも同じ箇所に痛みを与えられるということ。

あえて何かに例えるなら
言及されることを発動条件とする
呪いの藁人形に近い力と言えるでしょう。

しかしこれは考えようによっては非常に危険な力であり、
事実、SCP-2792-JPはこの異常を利用して、
自分の誹謗中傷をSNS上に書き込んだ
3人の女学生を殺害しています。

その後、この事件を聞きつけた
財団によって収容されたのですが
そうなると次に問題となったのが
SCP-2792-JPの報告書を
誰がどのように作成するのか、という点でした。

なにせSCP-2792-JPの性質上、
報告書を作成すること自体が
SCP-2792-JP-1出現のトリガーとなってしまうため、
そのままでは機密情報の漏洩や
報告書作成者へ危害が及ぶことも考えられます。

そこで財団は
このジレンマを解消するため、
グラティア・プロトコルなる
特別な収容プロトコルを実施したのですが、
その内容というのが…

時間がない人のためのネタバレ▼

グラティア・プロトコルの肝は、
SCP-2792-JPの父親であるジルガ博士が
単独で報告書作成者 兼 収容担当者となる点にある。

ジルガ博士はSCP-2792-JPが
読解することのできない日本語で報告書を執筆し、
その内容を聞かれた場合には
"ジルガ博士が携わる青色の色素を持つバラの研究"の内部資料だと嘘を伝える。

そして、SCP-2792-JPの身に起きている現象は
ただの病気であり、いつかは治るのだという
もう一つの嘘を重ねることによって
SCP-2792-JPの精神的な安定と
長期収容を実現する計画だったのだ。

そして、今の所この計画はうまく機能しており
SCP-2792-JPの精神状態は安定を保っている。

SCP-2792-JP: ねぇ、パパ。

ジルガ博士: ん、どうした?

SCP-2792-JP: いや、別に大した話じゃないんだけど。最近ずっと、考えてたことがあるんだ。

SCP-2792-JPは俯き、少しだけ押し黙った後、ゆっくりと顔を上げる。

SCP-2792-JP: いつか、このどうしようもない悪夢みたいな病気が治って、ここから退院できたらさ。私……将来はパパと一緒の仕事がしたいんだ。誰かの笑顔に繋がるような、そんな素敵な研究を……私も大人になったらやってみたいなって。

ジルガ博士: アイネス、お前は……。

SCP-2792-JP: ううん……そうだね。これは例えば、なんだけど。私とパパの2人でさ、太陽の光を浴びるとキラキラって虹色に輝くバラなんかを開発できたら、それってかなり素敵な話じゃない? どうかな?

ジルガ博士: ……ハハ、そいつは本当に素敵な考えだな。うん。とても、とても素敵なことだ。

SCP-2792-JP: でしょ! しかも、今の私には時間だけなら使い切れないほどあるし。そうだ! カウンセラーの先生にお願いしてさ、バラの研究者になるための勉強も教えて貰っちゃおうかな!

ジルガ博士: ああ……パパも。いつかお前と2人で働けるよう、ますます頑張らないといけないな!

SCP-2792-JP: それ、絶対ね! 絶対に約束だから! よし、私もパパみたいな1人前の研究者になるからね! だからパパも、青いバラの研究はちゃんと終わらせといてよね!

<記録終了>

しかしながら、
娘に対して嘘をつき、
騙し続けなければならない
ジルガ博士の心境を思うと
胸が締め付けられる思いがするのは
きっと私だけではないだろう…

SCP-2816-JP - 「ごめんね、でもこれ電池じゃないの」

SCP-2816-JP

SCP-2816-JP

SCP-2816-JP - SCP財団

SCP-2816-JPに
指定されているのは
市販のiPhone Xに酷似した外見を持つ
異常なモバイル端末です。

SCP-2816-JPの上に
他のモバイル端末が12時間以上放置された場合、
3〜6日後にSCP-2816-JPのバッテリーが
設置された位置を中心とした膨張が起こり、
内部で小型のモバイル端末(SCP-2816-JP-A)の構築が開始されます。

SCP-2816-JP-Aは
構築が開始してからおよそ10日で
市販されている同じタイプの
モバイル端末と同じサイズまで大型化し、
その後SCP-2816-JPのコネクタから
軟化した状態で排出され、
一定時間をおいて通常の
モバイル端末同様の硬度まで硬化します。

ここまででも十分に興味深い特性ですが、
もう一つ更に興味深い特徴として、
構築されるSCP-2816-JP-Aの機種が
重ねる端末の機種によって変わるという点があります。

それは例えばiPhone 8を重ねればiPhone Xが排出され、
Galaxy S9を重ねればGalaxy S9が排出されるといった具合に。

財団はこの不可思議なアノマリーを
より深く理解するために
金村博士を研究主任として、
様々な機種との掛け合わせテストを実施しました。

しかしある時、その金村博士が
実験の全面的な禁止を主張しだして…?

時間がない人のためのネタバレ▼

SCP-2816-JPは「妊娠するスマホ」。

SCP-2816-JP-Aが
時間をかけて大きくなる点や、
親となる端末の性質を受け継ぐ点は
人間の胎児と酷似している。

金村博士が実験の禁止を主張したのは
SCP-2816-JPを金村博士が手に取ろうとした時に
バイブレーションを起こすようになったのを見て
それが自分へのSOSだと感じたから。

しかし財団がアノマリーへの同情を理由として
実験の中止を許可するはずもなく、
金村博士は不適格として研究主任を外されてしまう。

その後、後任には別の博士がつき
実験は続行されたのだが
その中にはタブレットや
ノートPCなどと掛け合わせるなど
色々無茶なものも多々含まれており、
SCP-2816-JPは故障と修理を度々繰り返すこととなる。

このような過酷な実験が
数十回繰り返された結果、SCP-2816-JPは
常時バイブレーションがなり続けたり、
バッテリー温度の異常な高温になったりするなどの
多くの不具合が目立つようになっていった。

しかしそれでも財団側は依然として
実験を継続する気マンマンであり、
最後は後任の博士が実験の効率化のために
SCP-2816-JPのバイブレータを外すことを
提案して報告書は終わっている。

モノの擬人化というのはよくあるアイディアだが
この報告書が他と一線を画しているのは
SCP-2816-JPが全く喋らないのにも関わらず
読んでる側が自然と共感して辛い気持ちにさせられる点。

特に、実験記録2816-52で
SCP-2816-JPが金村博士の愛用アラーム音である
「ラ・カンパネラ」を鳴らしたところなどは
必死に助けを求めているように見えて、
読んでいて正直かなり可哀想に思えてしまった…

SCP-2817-JP - 涸井戸鏡

SCP-2817-JP - SCP財団

SCP-2817-JPに
指定されているのは
三重県の山中に存在する
石造りの井戸です。

その形状は一辺が約1.6mの
正確な正三角柱形で深さは約8.4mほど。

内部には可視光を
約99.7%反射する物質は張り巡らされ、
底部の中心には透明な物質で塞がれた
直径30cmほどの孔が存在しています。

また、孔の向こうには
SCP-2817-JP-1に指定される存在がいて、
常に角速度360°/年で回転しているほか、
数年に1度のペースで瞬間的に
位置をずらす・類似した別の
SCP-2817-JP-1実例に瞬間的に変化する
などの活動を行っているとのこと。

と、これだけの説明では
正直何が何やらさっぱりかと思いますが
もしかするとここまでの内容で
ピンときた感の良い方もおられるかもしれません。

分からなかった方は、メタタイトルにご注目…

時間がない人のためのネタバレ▼
SCP-2817-JP-1

SCP-2817-JP-1

SCP-2817-JPのモチーフは"万華鏡"。

SCP-2817-JP-1は
私たちが万華鏡を覗くように
SCP-2817-JPを通じて
こちら側を覗いていた。

SCP-2817-JP-1が回転したり、
位置や外観が瞬間的に変わったりするのも
万華鏡のメタファーになっている。

ちなみにメタタイトルは"涸井戸鏡"だが、
これの読み方は(著者曰く)万華鏡の英語名である
カレイドスコープ(kaleidoscope)"。

SCP-6975 - 世界共通リセットボタン

SCP-6975 - SCP財団

SCP-6975に
指定されているのは

6歳のイラン人少女、
ルカイヤ・アバスの心臓です。

この心臓が持つ異常性とは、
端的に言えば自身が機能停止するほどに
損傷を受けた場合にのみ発言する
時間巻き戻し現象です。

巻き戻せる時間は8時間限定ですが、
これは冷静に考えなくてもとてつもない現象であり、
財団は案の定これをThaumielオブジェクトに指定、
つまり財団の任務に役立てる方向で検討を開始しました。

その過程で、財団研究員から
色々な活用方法が提案されたのですが、
それは例えば以下のようなもの。

提案者: エドガー・サンティアゴ、サイト-14の時間分析部門の次席研究員

手法: ルカイヤ・アバスを数回続けて殺害し、SCP-6975が時間を逆行できる回数に限りがあるか確認する。

監督司令部: 却下。この提案では、時間異常に関して、他の情報源からでは容易に入手できない情報が得られる可能性は低いため。

提案者: シャーロット・ペニーコック、サイト-14のミーム・認識災害部門の次席研究員

手法: 認識災害を有すると思われるアノマリーに被験者を曝露させる場にルカイヤ・アバスを立ち合わせる。認識災害が発見された場合、ルカイヤ・アバスを殺害する。これにより曝露前に時間が逆行し、被験者を失わずに認識災害の存在を確認できるようになる。

監督司令部: 却下。ルカイヤ・アバスが認識災害に曝露する可能性があり、なおかつ時間異常と認識災害との関係性が不明であるため。

提案者: ヒュー・カークウェル、サイト-14の高度尋問部門主任

手法: 捕らえた敵エージェントを尋問する場にルカイヤ・アバスを立ち合わせる。7時間後、ルカイヤ・アバスを殺害する。これにより尋問を永久に繰り返すことができ、それまでに入手した情報を活用しつつ対処法を完全なものとすれば、以前よりも大きな成果を、より短期間で収めて尋問作業を完了できるようになる。

監督司令部: 却下。尋問中に災害性のある情報が開示され、ルカイヤ・アバスとSCP-6975に傷害が及ぶ危険性が高いため。

どの提案にせよ、ルカイヤの殺害が
前提であるのが流石財団といった感じですが、
ここで注目したいのは全ての提案が
司令部によって却下されているという事実です。

使命のためなら鬼となる財団上層部にも、
少しは人の心が残っていた
ということなのでしょうか…?

時間がない人のためのネタバレ▼

1953-10-12、チャールズ・マーティン2が、SCP-6975を財団の防衛システムに組み込むという提案を詳述したハカム計画を監督司令部に提出しました。仮承認を経て、この提案書は精査のために倫理委員会へと送られました。続く道徳上の異議は全て監督司令部によって破棄されました。

ハカム計画:

1953-10-29から1955-08-07にかけて、ルカイヤ・アバスの身体から切除した肉片を基に100,000以上のSCP-6975-1標本が生成されました。SCP-6975-1標本の持つ記憶保持効果が十全に及ぶよう、これらの標本は全ての財団サイトに配置されました。

1955-08-30、SCP-6975は手術によってルカイヤ・アバスから摘出され、人間の心拍を再現するのに適した機械に取り付けられました。ルカイヤ・アバスの死体はのちに、財団の生物学的廃棄物処理要件に則って焼却されました。

1975-07-12現在、ハカム計画により財団は19回の敵襲、26回の収容違反、39億人以上の死を阻止することができています。

前言撤回。
やはり財団には血も涙もない。

同情も感傷も捨て去って、
全てを自分達の目的のために
利用し尽くすこの徹底的された合理主義。

逆にこれこそ財団と
どこかで安心してしまう自分がいるのは
SCP財団の常識にすっかり脳が
毒されてしまった証拠でしょうか…

SCP-3192-JP - 看取り看取られ

SCP-3192-JP - SCP財団

SCP-3192-JPに
指定されているのは
61歳の日本人女性、
東藤 昌子です。

この人物は既に死亡していますが、
問題は死体発見時の状況でした。

自宅のベッドの上で
腐乱死体となっていたSCP-3192-JPの上に
6体の複製体が折り重なるように倒れて死亡しており、
さらにその傍らには別の複製1体が
死体群を見つめるような姿勢で
直立、生存していたというのです。

何か異常な事件に巻き込まれたのか、
それとも何か別の理由があるのか?

謎は深まるばかりです…

時間がない人のためのネタバレ▼

後の調査で、SCP-3192-JPの住居の屋根裏から
「孤独死のタナトマ」が発見されている。

タナトマ(Thanatomania)とは、
人間や動物から液体として抽出された"死"の現象であり、
例えば"轢死のタナトマ"を抽出された対象は
交通事故に巻き込まれても死亡しない。

先述した「孤独死のタナトマ」は
SCP-3192-JP自身から抽出されたものと考えられ、
SCP-3192-JPはそれ以降
孤独死だけは絶対にしない状態になっていたと思われる。

その上で、発見された多数の複製体は
SCP-3192-JPが孤独死を迎えそうになった際に
その原理原則を維持するために
(定義上孤独死とならないために)生成された存在だったと解釈できる。

生前のSCP-3192-JPが
どういう思いで孤独死のタナトマを抽出したのかは不明だが、
まさか自分自身のコピーに
最期を看取られることになるとは思いもしなかったことだろう。

SCP-3739-JP - ひとりはみんなのために(ならない)

SCP-3739-JP - SCP財団

SCP-3739-JPに
指定されているのは
影響下にある人間が
極端に滅私的な行動を
取るようになる異常現象です。

このアノマリーの影響を受けた対象には
勤務態度の向上や、学習時間の増加、投票率の向上等の、
「社会的に模範的な」行動の増加が見られ、
社会的には事故や事件の件数が大幅に減少します。

このようにSCP-3739-JPは
何から何まで良いこと尽くめの異常であり、
また既に全世界の大半の人間が曝露済みであることから
もはや異常などとは呼ぶべきではなく
むしろまだ曝露していない者たちの方を
異常指定して収容すべきでしょう。

時間がない人のためのネタバレ▼

SCP-3739-JPの影響で
世界中の人間が機械のように
真面目に働くようになった世界は
確かに平和だったが
一方で自由な発想や
個人主義を追求することで生まれる
革新のようなものは一切生み出されなくなってしまった。

そんな中、曝露を逃れた
数少ない一人である天川研究助手は
非曝露者が異常扱いされる危険な状況下で
同じ非曝露者の仲間を集め、
記憶処理薬による治療法の発見と
一部の日本支部理事の治療に成功する。

最終的にSCP-3739-JPの影響は取り除かれ、
プロトコル"個人主義"の実行、開始が決定された。

プロトコル"個人主義"とは、財団規則に
「財団職員はSCP-3739-JPの影響下から
脱しなければならない」旨の規則を盛り込むことで、
仮にSCP-3739-JPが再発しても自動的に
元の正常性が取り戻されるようにするというもの。

これによりSCP-3739-JPは
無効化(Neutralized)されたものとみなされ、
天川研究助手たちは無事に
個人主義が蔓延した"正常な"
世界に戻ることができたのだった。

SCP-6076 英雄、完

かつてSCP-6076収容室の上に位置していた、墓標の役割を果たすものと思われる構造物。

かつてSCP-6076収容室の上に位置していた、墓標の役割を果たすものと思われる構造物。

SCP-6076 - SCP財団

SCP-6076に
指定されているのは
アイルランドのラウス県に存在する
異常な人間の死体です。

その主な異常性は以下の通り。

  • 外見上、SCP-6076は身長2.72mで、胸部に残された多数の裂創など、死亡する前に重傷を負った形跡がある。
  • かつて心臓があったと思われる位置にはある種の槍の穂先によって生じたと思われる大穴が空いている。
  • SCP-6076の両手足には7本ずつ指があり、爪は伸長・硬化して鉤爪のようになっている。
  • SCP-6076の両足は180度ねじれています — 足先と脛は後方、踵とふくらはぎは前方を向いている。
  • 脈管系が極度に膨張しているため、SCP-6076の身体には血管が目立って浮き出しており、特に額とこめかみでそれが顕著。
  • どちらの目にも鮮やかな赤色の瞳孔が7つ存在している。
  • 片方の目は、専用のカメラを眼窩に挿入しなければ観察できないほど奥深くに引き込まれており、もう片方の目はSCP-6076の頬までぶら下がっている。
  • SCP-6076の頬は顔面に沿って剥がれ、顎の筋肉が露出している。更に、SCP-6076の肺は喉元まで押し上げられており、SCP-6076が口を開ける際に直接見ることができる。
  • SCP-6076の頭部に残る全ての頭髪は激しく逆立ち、接触した物質を穿刺するほどの剛性と引張強度を有している。

明らかに人間離れした特徴ばかりですが、
財団の調査によれば遺伝的には
普通の人間と全く同じであるとのこと。

そして、SCP-6076に関して
最も重要なもう一つの特徴が、
毎年8月のある時期になると自然に蘇生し、
不定な期間にわたって暴れ回る点です。

一度復活したSCP-6076には
一般的な人間の限界を上回る体力と速度を発揮し、
両手の鉤爪で周囲の人間を引っ掻いて殺傷するため、
財団はさまざまな兵器や特別設計の収容室でこれを防いでいます。

ちなみに休眠中のSCP-6076を攻撃した場合には、
"英雄の光"と呼ばれる極度の高熱を伴った
オレンジ色の光を発して反撃してくる性質があるため
復活前に攻撃を加えておくことはできません。

唯一弱点と見られているのは犬の肉であり、
休眠中にこれを与えることで
復活期間を短縮できると考えられているため
収容プロトコルには一定間隔での給餌が定められています。

ただ、なぜ犬の肉に弱いのかという
具体的な理由ははっきりしておらず
財団にとっても謎が多いオブジェクトであることが窺えます。

この傍迷惑な存在は
一体どこからやってきたというのでしょうか…?

時間がない人のためのネタバレ▼

SCP-6076の正体は
最後まで謎のままとなっているが、
その元ネタがケルト神話に出てくる
半神半人の英雄、クー・フーリンであることは
著者コメント内で明かされている。
(舞台がアイルランドであること、槍(ゲイボルグ)で刺された傷跡があること、犬に関する逸話などが特徴に一致している)

このように本報告書は
意外なオチを売りにするタイプではないが、
財団の協力者として報告書中に登場する
ルーシー・L・レイノルズの語りには
なんとも言えない味わい深さがある。

ルーシーは2000年にわたってSCP-6076を
収容し続けてきた現地の一族の子孫にあたる14歳の少女。

祖先の例に倣って彼女も
その役目を継承したのだが、
ある時SCP-6076の脱走を許してしまい、
そのせいで近隣の村の住民が殺害されてしまう。

その後、事件を聞きつけた財団によって
ルーシーは発見、拘束されてしまったが、
交渉を経てSCP-6076の収容を
財団へ移管することに賛同し、解放された経緯があった。

報告書末尾にはその際の財団による
インタビュー内容が記載されており、
SCP-6076に対する
彼女の率直な心情を窺うことができる。

ルーシー・L・レイノルズ: 13歳の誕生日、パパは私を起こす。ママの具合がすごく悪いんだ、と言い出す。お前にやってもらいたい仕事がある。 私の手を取ってあの忌々しい洞窟に連れて行く。犬肉を渡されて、これから一生やらなきゃいけない仕事を教えられる。素敵なプレゼントでしょ?

グリーン博士: その、ええと、犬の肉ですね、はい。我々の収容スペシャリストは、あれが本当に必要か否か議論しています — その件について、御父上は亡くなる前にもう少しこう、理由を説明しましたか?

ルーシー・L・レイノルズ: (肩をすくめる) どうもあいつ、ある種の呪いに掛かってるみたいなんだ — 犬の肉を食うとヤバい事になる呪い。ぶっちゃけ犬の肉なんか食ったら誰でもヤバい事になると思うんだけど、魔法には詳しくないからよく分かんない。私はただ… パパの言う通りにしてただけ。 (溜め息) …ああいうのは、いつも簡単に手に入るもんじゃなかった。

ルーシー・L・レイノルズ: 言うほどの… 鬱憤なんかは抱えてないと思う、あの死体に対してはね。あいつはただ、ああいうもんだから。私が憎もうが憎むまいが気にもかけない。こう… 有毒廃棄物と同じ。毒を撒き散らすのを止めるまでは、上に座って抑えつけるしかない。ヒロイズムの半減期って死ぬほど長いんだね。

グリーン博士: 私ならSCP-6076の行動を“英雄的”ヒロイックとは呼びません。

ルーシー・L・レイノルズ: ま、それは定義によるでしょ。英雄って何だと思う?

(グリーン博士は椅子の背にもたれる。)

グリーン博士: そうですね… 不正を改めたり、罪無き者を保護したり、そういう事をする人でしょうか。他の人々が目指す理想像とか、概ねそんな感じです。

ルーシー・L・レイノルズ: 大昔だと、英雄ってのは敵を殺すのが上手って意味だった — 大筋ではね。賭けてもいいけど、地下のお友達はそれがとっても上手かったはず。2,000年後も死体が未だに殺し方を覚えてるぐらいに。 (鼻を鳴らす) 誰かさんに槍で刺されたのも無理ないよ。

グリーン博士: 興味深い見方ですね。

ルーシー・L・レイノルズ: 英雄の墓を一生ずっと見守ってると、嫌でも腐臭に気付く。 (溜め息) 2,000年間隠し続けてきたのに、私のせいで何もかも台無しになった。典型的だね?

ルーシー・L・レイノルズ: 私さ、君たちが“記憶措置”だか“記憶処理”だかについて話すのを聞いたんだ。具体的にどういうのかは知らないけど、話の流れからするに、記憶を弄る薬みたいな何かでしょ?

グリーン博士: かもしれません。

ルーシー・L・レイノルズ: ちょっと訊くけど… もしそれを私に注入したら、今までの事を何もかも忘れさせてくれる? あの夜パパが私を起こしたのも、あいつを何年も閉じ込め続けなきゃいけなかったのも、あの… あの肉をあいつの喉に詰め込まなきゃいけなかったことも? せめて、普通の人生を送ってきたと思わせることができるかな?

(沈黙。)

ルーシー・L・レイノルズ: できるかな?

グリーン博士: 残念ながら。

ルーシー・L・レイノルズ: (鼻を鳴らす) だと思った。

先祖代々の義務だったので
仕方なく引き継いではいたが
本心はあまり乗り気ではなかった様子(そりゃそうか)。

先祖代々の役目からいきなり解放された彼女は
その後どのような人生を歩むのだろうか…

SCP-6002 - 大きな、小さな、生きとし生けるもの

図6002-1。

図6002-1。

SCP-6002 - SCP財団

SCP-6002に
指定されているのは
カリフォルニア州北部
クラマス国有林に位置する、
見かけ上は一本の
セコイアデンドロンに類似した
巨大な構造物です。

SCP-6002にはあらゆる生命の遺伝情報が含まれており、
このアノマリーの一部が傷つけられたり、
遺伝子操作が加えられたりした場合には、
対応する箇所の生物種の全ての個体に影響が生じます。

それは例えば、SCP-6002の
ネコ科の遺伝情報にあたる部位を取り除くと、
イエネコ、ライオン、チーターなど
地球上の全てのネコ科動物が死滅するといった具合。

このようにSCP-6002は
極めて扱いに慎重を要するアノマリーであり、
財団は20世紀初頭に地元の原住民族から
SCP-6002の管理権を引き継いだ後、
遺伝学や生態学の専門家を担当に任命して
その保全に努めてきました。

そのおかげで今も
SCP-6002は健全な状態に保たれ、
生物の生態系にも
大きな異変は確認されていません。

時間がない人のためのネタバレ▼

先に述べたSCP-6002の説明には
部分的にいくつかの嘘が含まれている。

例えばSCP-6002の管理権については
それまで管理してきた地元の原住民(クラマス族)に対し、
一旦協定を結んでおいてから
その後すぐに協定を反故にして
騙し討ちするような形でSCP-6002と
その周囲の土地を「獲得」していたりする。

またその際に、原住民に対しては
記憶改竄のためのロボトミー手術を含む
さまざまな残虐行為がなされていたが、
それらの歴史は財団によって隠蔽され、
公式になかったものとされている。

その後の管理体制にも問題があり、
特に2007年のサブプライムローン崩壊で
財団の経営が不況に陥った際には
SCP-6002の遺伝情報を改変して
病気を治すリンゴや何度でも食べられる肉牛を生み出すなど
利己的なSCP-6002の「乱用」が目立った。

中でも極め付けは、
SCP-6002を通じて全てのニワトリの個体に
特定の遺伝疾患を発生させ、
その後、財団があらかじめ開発しておいた
治療薬を売り捌いたことだった。

これにより財団は多くの富を蓄えることに成功したが、
一方でそんな振る舞いを苦々しく思っていた職員もいた。

それは生態学の専門家として
SCP-6002の研究に携わっていた
次席研究員ローズ・ワイルドキャット博士だった。

彼女はかつて財団によって裏切られた
クラマス族の末裔だった。

[新着コメント] ワイルドキャット,Dr.ローズ M.:

私が五年生だった時、母に「宇宙飛行士になりたい」といった。母は、「かわいいロージィ、この星を離れてはだめ。この星はあなたを必要としているの」と言った。

その時はとても腹を立てていたと思う。でも後になってそれは束縛でもルールの押し付けでもなかったのだと気付いた。それはインディアンの老いた母から小さな娘への、信頼のあかしだったのだ。何を言っているのかわからない? それは圧迫でもなんでもなかったのだ - この忌々しい世界の重みだったのだ。

[新着コメント] ワイルドキャット,Dr.ローズ M.:

くそったれ、ロボコップめ。司令部にも見せてやりたい。主の道具で主の家を解体するなんてできはしない。

ローズ博士は独断でSCP-6002のニワトリの
遺伝情報にあたる部位を再改変し、
財団が"作り出した"疾患を消してしまう。

このことは当然ながら大問題となり、
ローズ研究員は直ちに拘束されることとなったが
プロジェクトリーダーのミュラー博士の計らいで
Dクラスへの降格だけは何とか免れることとなる。

その後はミュラー博士によって
当然のように問題の疾患が再挿入され、
財団は継続して遺伝薬の販売でも儲けられるようになった。

これだけでも正直なところ
かなりの極悪ぶりなのだが、
報告書中の警告: レベル5-6002機密以下には
さらにショッキングな事実が記録されている。

2019年4月17日プロジェクト6002-ARKの一環として行われたヴァージニア州ポーツマス市ホッジズ・マナー小学校への襲撃の際、機動部隊隊員により拾得されたディズマル湿地の宣伝チラシ。

2019年4月17日プロジェクト6002-ARKの一環として行われたヴァージニア州ポーツマス市ホッジズ・マナー小学校への襲撃の際、機動部隊隊員により拾得されたディズマル湿地の宣伝チラシ。

上記の宣伝チラシには地球上のものではない
奇怪な生物のシルエットが掲載されている。

これらは不変生物界という
動物分類状の第七の"界"に
属する生物群であり、かつては本当に
地球上に存在していた生き物たちだった。

不変生物界の生物は、
共通する最大の特徴として細胞老化を起こさず、
ガンその他の細胞損傷に対し強靭な回復力を持っていた。

その特性に目をつけた財団はSCP-6002を通じて
不変生物から哺乳類へ、ひいては人類へと
その有益な特性を"移植"するプロジェクトを計画する。

しかし、その実験の過程で
ミュラー博士が切開したSCP-6002の枝の一部に

腐敗らしきもの(SCP-6002-B)が広がっているのが
もう一人の実験担当者だった
アチェベ博士によって発見される。

その腐敗はどんどん広がっていき、
結果的に不変生物界全ての枝を犯してしまった。

かくして不変生物界は地球上から消え去り、
不変生物界についての記憶も
財団の隠蔽工作によって
人類から消え去ってしまったのだった。

また、この際にアチェベ博士は
ミュラー博士によって
口封じされてしまっている。

かくして、大きな犠牲を払いつつも
SCP-6002-Bの侵食を
不変生物界の枝までで留めることには
成功したかと思われていたのだったが…

補遺: 2021年5月18日、不変生物界を切除したにもかかわらずSCP-6002の幹にSCP-6002-Bが発見されました。SCP-6002-Bは12ヶ月以内に他の界に到達すると予測されます。O5コマンドは6002-ARKによる偽情報が保たれているうちに感染の拡大を止めるため、SCP-6002の他の部位の事前切除について研究するようワイルドキャット博士に命じました。

一度動き出した破滅は止まらず、
生命の樹は蝕まれ続けていく。

そんな中、枝の切除を命じられた
ローズ・ワイルドキャット博士が行方をくらます。

補遺2: ローズ・ワイルドキャット博士は現在行方不明です。ワイルドキャット博士の所在についての情報を持つ者はすぐに報告してください。

かといって、彼女に何か
この事態を解決するアイディアがあるわけではない。
報告書の最後に綴られていたのは、
SCP-6002の幹の中に身を隠していた
ローズ・ワイルドキャット博士による
後悔と怒りと無力感が混ざった独白だった。

先週、私は間違っていたことがわかった。枯死は残っていた。私はこの世界の一兆の生命を、無意味に殺してしまった。

それは、まだ耐えられたかもしれない。しかし今週、また切除を命じられる前に木へ逃げ隠れていったとき、私は直視することのできぬ真実に行き当たった。

枝は、静かになっていた。もはや歌を聞かせてはくれなかった。

Vúluandshamよ… 母よ… アマラよ… 許してくれ。

ちなみにここで母親と並んで言及されている
アマラとは口封じされたアチェベ博士のこと。

両者とも女性だが、恋人同士でもあったのだ…

そして…
最後の最後に記されていたメッセージは…

認識監視警告: 生体信号が検出されません。生命反応は喪失されました。保安のため、ファイルは自動的に閉じられます。

報告書はここで終わっており、
ローズ・ワイルドキャット博士、そして
世界がその後どうなったのかは明かされていない。

しかし、おそらくは
SCP-6002-Bの侵食によって全ての生命が
滅びてしまったのではないかと思われる。

本報告書はもともと、"自然"をテーマとした
SCP-6000コンテストの出品作でもあった。

そのテーマ通り、現実世界の企業や政府が
その貪欲さによって引き起こしかねない致命的な自然の破壊を、
SCP財団という素材を活かしつつ雄弁に描き切った大作だったように思う。

科学は本当に万能なのか?
自然を自分たちの都合に合わせて
捻じ曲げられるという考えは人間の傲慢に過ぎないのではないか?
など、色々なことを考えさせられる物語だった。

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