ジョセフこそが歴代で最も有能なジョジョである4つの理由

ジョセフ・ジョースタージョジョの奇妙な冒険

『二代目ジョジョ』、ジョセフ・ジョースターって正直どうなの?

現在、第六部アニメ版の最終章が
絶賛配信中の漫画ジョジョの奇妙な冒険シリーズ。

2022年の時点で連載開始から30年以上を数え、
既に第九部の連載も予告されているこのジョジョですが、
そのファンの間で度々話題となるのが
誰が、あるいはどのスタンド能力が一番強いのかという
いわゆる"最強議論"です。

ジョジョに限らず、バトル漫画や
格闘、スポーツ漫画にはつきもののこの最強議論ですが、
ことジョジョにおいては、その歴史の長さと
単純な力の強弱で優劣を決めない
作品のスタイルから特に議論のしがいがあり、
令和の時代に入っても新しいキャラクターや能力が登場するたび、
過去の登場人物と比べてどれくらい強いのかなど、
盛んな議論が行われています。

そして、そんな議論の一種に歴代主人公を対象とした
「主人公の強さ議論」も含まれるわけですが、
その場において、二部以前のいわゆる「波紋編」の
主人公が上位に名を連ねることは滅多にありません。

というかほとんどの場合で二人揃って
ワースト1、2に並ばせられてしまっている
というのが実情なんですよね。

確かに、スタンド使いでなければ
スタンドを見ることもできない時点でかなり辛いですし、
そもそもこういう議論自体が
スタンド能力者であることを前提としている向きもあります。

他にも波紋自体が対吸血鬼に特化した技術であるため
対人での強さを測りづらいという面もあるかもしれません。

一方で、別の視点からこの両者を比較したとき、
ジョナサンの方は初代主人公という立場から
しばしば優遇されてきたことに気が付きます。

1部が劇場版ファントムブラッドとして映像化されたのも
3部の承太郎に次ぐ早さでしたし(出来はともかく)、
PS2でゲーム化されたのも3部、5部に続く3番目でした。

一方で2部はどうかと言えば
こちらは単体でゲーム化された例はこれまでに一度もなく、
映像化は2014年のアニメ版がようやく初出です。

それとこれはどこまで真剣に受け取るべきか若干微妙なところですが
荒木先生が「ジョジョの主人公で最強は誰?」という質問を投げかけられた際に
「実はジョナサンじゃない?」と答えたなんて話もあったりします。

このように、ジョセフ・ジョースターという
キャラクターを改めて見つめ直すと、
不遇とまではいかなくとも
主人公の中では今一つ目立ち難いというか、
家康と家光に挟まれた秀忠というか、
一ファンの実感として、
そんな微妙な立ち位置に置かれてしまっているような気が
しなくもないんですよね。

しかしながら…
ここからがようやく本日の本題となるわけですが、
私が本記事で主張したいのはむしろその逆で、
実はジョセフ・ジョースターこそが
ジョースター家の中で最も
有能な人物だったのではないかという説なのです。

ここで大事なのは、最強ではなく、有能であるという点。

つまり、強さだけでなく、
人間力や実務能力など総合的な観点から見た時、
実はジョセフこそが一番なのではないかという主張です。

私がなぜそう考えるに至ったのか…
その理由を以下に述べていきます。

ジョセフ・ジョースターが歴代ジョジョで最も有能である4つの理由

理由1. シリーズで最も強大な敵を倒し、文字通り人類を救った。

ジョセフが主人公を務めた
第2部最大の敵役である柱の男たちの能力は
それはそれは圧倒的なものでした。

吸血鬼とは比較にならないほどの生命力、
身体能力、知能を兼ね備え、
サンタナ以外の三人に至っては
それぞれ炎、風、光の流法(モード)で
ただでさえ高い戦闘能力をさらに高めています。

中でもリーダーのカーズは
物語の終盤で究極生命態への進化を果たし、
弱点の太陽光すら完全に克服してしまいました。

その強さはもはや別次元であり、
ジョセフがこれを退けるためには
火山の噴火の力による宇宙への追放という
運と大自然の力を合わせた
ウルトラCに頼るほかなかったほどでした。

しかしながら、
こうした肉体的な強さというのは
柱の男たちにまつわる脅威性のほんの一面に過ぎません。

それ以上に真に恐ろしいのは、
彼らが吸血鬼を人為的に大量量産し、
それらを統率して人類を支配することができる点です。

柱の男たちを他の部のボスと比較した場合、
例えば4部の吉良吉影や5部のディアボロも強大な能力を持ち
なおかつ社会的に「悪」と呼べる存在でしたが、
その影響範囲はせいぜい町一つか国一つまでといったところであり
放っておいても決して人類が滅ぶレベルの脅威ではありませんでした。

DIOはそれらよりも危険な存在ですが、
究極生物になれない = 太陽を克服できないことや、
吸血鬼を大量に増やすことができないことなどを考慮すると
脅威度はいくらか落ちるように思います。
(オーバーヘブン?あれはまぁ外伝なので…)

そう考えてみると、ジョジョの作中世界の歴史の中で
ジョセフが柱の男たちを撃破したことには
とてつもなく大きな意義があったと思うんですよね。

ここで、話を更にわかりやすくするために
もし二部でジョセフが負けていたら
どうなっていたのかを想像してみましょう。

二部ではシーザーやリサリサを始めとする
ジョセフ以外の波紋戦士たちも登場しましたが
実際のところ作中のおいて彼らの誰一人として
柱の男たちとの一騎打ちに勝利した例はありませんでした。

シーザーは二度にわたってワムウに敗れていますし
リサリサも不意打ちとはいえカーズに敗北しています。

作中ではジョセフを除くと
この二人が波紋戦士側の最高戦力であったため、
ジョセフ抜きでは遅かれ早かれ全滅させられていたことでしょう。

そしてそうなれば必然、
赤石は柱の男たちの手に渡ることとなり、
その結果として最悪の場合、
サンタナ以外の三人の柱の男たちが
揃って究極生命体となるという
絶望的な未来が訪れていた可能性も十分にあり得ます。

このように考えるとジョセフこそが
人類の救世主だったと言っても過言ではありません。

もしこの事実が世界に知れ渡っていたら
ジョセフの後に生まれたすべての人類は、
一人残らずジョセフに足を向けては
寝られなくなっていたでしょうね。

理由2 実業でも大成功、ニューヨークの不動産王に。

正直、最初の理由だけでも既にお腹いっぱいな感じですが、
ジョセフの有能さを示す別のエピソードとして、
2部本編終了後から3部開始までの間に
実業方面でも大成功して
ちゃっかりニューヨークの不動産王へと
上り詰めている点も無視できません。

その総資産額は不明ですが、
現実に同じくニューヨークの不動産王と称される
ドナルド・トランプ氏やドナルド・ブレン氏が
それぞれ数千億〜1兆の資産を保有していることを考えると
ジョセフもまたそれに匹敵する資産を
保有していたとしてもおかしくありませんね。

アメリカの不動産王はトランプ大統領じゃない! 総資産2兆円の「もう1人のドナルド」とは
遺産相続で富を築いたトランプ大統領とは違い、銀行から借りた1万ドルを元手に、数十億ドル規模の帝国を自らの手で築き上げた。

また、資金方面の話で言えば
初代主人公のジョナサンの親友であり
後に一代で石油王となった
R・O・スピードワゴンが設立した
スピードワゴン財団(以下 SPW財団)の存在も忘れてはいけません。

SPW財団は吸血鬼やスタンドなど
人類にとって脅威となる超常現象の研究を行う団体であり、
目的を同じくするジョースター家とは
丸1世紀にわたって緊密な連携を維持していました。

特に第3部では移動手段(潜水艦)の手配や
味方スタンド使い(イギー、花京院)の輸送など
さまざまな面でジョースター一行の旅を強力にサポートしており、
彼らがいなければ、ジョースター家はDIOの元まで
辿り着くことさえできなかったかもしれません。

では、なぜSPW財団がそこまで
ジョースター家に献身的なのかといえば
そこには第一に創業者スピードワゴンの理念があり、
もっと言えば若き日のジョナサンとの友情があるわけですが、
私が思うに、スピードワゴンと
直接会った最後のジョジョであるジョセフの存在もまた
同じくらいに大きいものだったのはないかと思うのです。

なぜなら、ジョセフは少年時代に飛行機のハイジャックから助けたので一度、
青年時代にナチスに拉致されたのを助けたので二度、
ローマの地下でワムウに始末されそうになったのを助けたので三度
そしてカーズを倒したことで実質的に四度
スピードワゴンの命を救った大恩人であるからです。

スピードワゴン自身義理堅い性格というのもありますが、
男として心底惚れた相手の孫にまで三度も命を救われたとあっては
ありとあらゆる手段でその一族を手助けしたいという
心境に至るのも無理からぬことでしょう。

そのようなわけで、自分自身の社会的成功と
SPW財団との関係を確固たるものとしたことの2点。
この2点においてジョセフは歴代の誰よりも
ジョースター家の経済的基盤の確立に
貢献した人物であると私は思うのです。

理由3 ジョースター家の遺伝子をつぐ優秀な子孫を多く残した。

ジョースター家の優秀な遺伝子を
後世に残すという点においても
ジョセフは歴代主人公でトップクラスの貢献をしています。

その代表的な例が、
孫の承太郎と息子の仗助の存在ですね。

一方は孫でもう一方は浮気相手との隠し子ですが
どちらも優れたスタンド能力と
黄金の精神を兼ね備えた人物です。

浮気の是非はともかく、
こうした優れた子孫を世に残したことは
ジョセフの功績の一つに数えられるでしょう。

理由4 人間的魅力が A(超スゴイ)

私がジョセフを推す最後にして
最も重要だと思う理由は、
喧嘩の強さでも資産の多さでもなく、
ジョセフ自身の人間的魅力です。

ジョセフの良いところは第一に、
どんな相手でも決して理由なく差別せず、
対等な目線で付き合おうとする点です。

それがよくわかるのが、
第二部冒頭のスモーキーとのエピソード。

まだ黒人差別が当たり前だった1930年代に、
自分から財布を盗んだスリの黒人少年スモーキーを悪徳警官の手から助け、
最終的に親友にまでなってしまうというこのエピソードは
ジョセフという人間の本質を
一発で読み手側に理解させる秀逸なものでした。

少しメタ的な話になりますが、
第一部が衝撃のラストで幕を閉じ
ジョナサンの記憶もまだ生々しい二部冒頭において、
このようなエピソードの存在は
読者が新しい物語を受け入れる上で
大きな役割を果たしていたのではないかと思います。

また、人間関係にフォーカスしてみると
ジョースター一族の中でも
ジョセフが突出しているのが
家族関係の良好さです。

育ての親代わりだった祖母のエリナ、
妻のスージーQ、娘のホリィとの関係は特に良好で、
とりわけ50年以上連れ添った妻のスージーQなどは
ジョセフのことを「50年昔 イタリアであの人と知り合って以来 期待を裏切られたことはただの一度としてありません…」とまで評しています。

一方で孫の承太郎や息子の仗助に関しては
対面した当初こそギクシャクしていたものの
DIO討伐の旅や透明な赤ちゃんの事件を通じて
最終的にはどちらとも強い絆を育むことに成功していました。

承太郎と徐倫、ジョニィと父(ジョージ)など
他の主人公の面々が
何かと家族関係に問題を抱えがちな中で
こうしたジョセフの家族仲の良さは
かなり例外的であるように思います。

その辺りに関しては作中の描写を見るに
持ち前の細かいことを気にしすぎない鷹揚な性格と
相手に自分の気持ちをはっきり伝える欧米気質が
関係していたりするのかもしれないですね。

終わりに

以上、ジョセフ・ジョースターこそが
最も有能なジョースターである4つの理由でした。

ぶっちゃけ二部はジョジョの全シリーズの中でも
四部に続いて初読時に最も強い感銘を受けた部なんですが、
それにはやはりジョセフ・ジョースターというキャラクターの魅力が
大きく関わっていたように思います。

一見ふざけているように見えながらも芯は熱く、
どんなピンチの場面でもこいつなら
きっと何かしてくれるというワクワク感がある。

真面目キャラだった先代のジョナサンと
対極的ともいえる人物造形だった点も印象的で、
もっとその活躍を見たいと
心から思わされたキャラクターでした。

そんなわけで、
ジョジョの主人公は全員魅力的ではありますが
もし誰か一人を選べと言われたら
やっぱり私はジョセフを推してしまうんですよね。

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