SCP財団が最も恐れた激ヤバ要注意団体TOP5【解説あり】

要注意団体のイメージSCP

はじめに

SCP財団の敵として、
その世界観に彩りを添えているのが
要注意団体(Group Of Interest)の存在です。

世界オカルト連合やカオス・インサージェンシーなど、
SCP報告書を読んでいれば一度はその名を目にする彼らですが、
その活動方針や他組織との関係性などについてまで
きちんと把握している方は意外と少ないのでないでしょうか。

本日はそんな要注意団体についてより深く興味を持って知って頂くために、
「SCP財団が最も恐れた激ヤバ要注意団体TOP5」と題して、
私が個人的に選出した、特に危険な要注意団体を
全部で5団体、解説や関連エピソード付きでご紹介させて頂きます。

ランク付けにあたっては
主に以下のような要素を重視した選定を行なっています。

  • 財団や人類に被害を及ぼした事例の数と規模
  • 人員数、軍事力、経済力の多寡
  • 活動方針の過激さ

通常のSCP報告書はもちろん、
SCP-001報告書やキリ番の報告書にも
頻繁に顔を出す彼らの実態を知ることで、
SCP財団の世界をより深く楽しむことができるようになるでしょう。

それでは、いってみましょう!

SCP財団の最も危険な要注意団体TOP5

第5位 蛇の手

蛇の手のロゴ


私たちはあなた方が閉じこめているものを自由にします。
私たちはあなた方が殺そうとしているものを救います。

庭は蛇の場所です。

私たちは蛇の手です。

─ "蛇の手のスローガン"より

蛇の手ハブ - SCP財団

蛇の手のここがヤバい!

  • アノマリーを積極的に解放し、社会と統合することが目的
  • 現実改変能力者をはじめ、自身もまた異常であるメンバーが多数在籍
  • 財団に対する複数のセキュリティ違反の主犯となった実績あり

蛇の手の概要

蛇の手はSCP財団や世界オカルト連合と対立する、
小規模ながらも手強い過激なレジスタンス組織です。

SCP財団が一般社会から
アノマリーやSCPオブジェクトの存在を隠そうとしているのに対して、
蛇の手は逆にそれらを解放し、
その力で世界を新たな段階へと推し進めることを目標としています。

その性質上、アノマリーの徹底破壊を標榜する
世界オカルト連合との相性は最悪で、
財団以上にこれと強く対立しています。

財団に対しては同様の理由で敵対することもしばしばである一方、
GOCほどの敵対心は持っていないようで
より危険なアノマリーに対抗するために密かに手を組む場合もあります。

蛇の手の拠点は放浪者の図書館と呼ばれる
超常的な異次元空間上に存在する世界最大の知識の宝庫です。

放浪者の図書館は世界中に存在する
"道"と呼ばれるポータルからアクセスすることができますが、
それを発見することは財団であっても容易ではありません。

蛇の手に関連する報告書(tale)の一例

蛇の手の活動目的は
SCP財団の主要な目的の一つである"日常の維持"に根本から反するものなので、
出てくる時は基本的に敵だと考えて差し支えありません。

アノマリーの保護に積極的なこともあり、
財団から脱走した危険な現実改変能力者の
格好の潜伏先になることもしばしばです。

SCP-268 - いないこ帽子

SCP-268 - SCP財団

被ると周囲から一切認識されなくなる異常性を有する
ツィードウールのニュースボーイキャップ。

元は財団がカオス・インサージェンシーの施設から押収した物品で、
その特性に目をつけた財団がエージェントの任務に活用していたところ
エージェントの中に紛れ込んでいた"L.S"なる人物が 

「今までどうも。そろそろわたしの帽子を返してもらいます。 ~ L.S.」

と書かれたメモを残して財団からこれを奪取。
(SCP-268の持つ異常性のおかげでL.S.がこの仕事を容易にやり遂げられたのは言うまでもない)

L.S.はさらにその後、再度SCP-268を利用して財団へ2度目の侵入を実行し、
SCP-407のシステムからの削除やSCP-914の使用などの複数のセキュリティ違反を犯しました。

事件記録X23 - SCP財団

この際にL.S.は犯行声明とも取れるメモを残し、
それが財団が蛇の手の存在を知る最初にきっかけとなりました。

人でなしどもの願い事

人でなしどもの願い事 - SCP財団

財団に収容中の現実改変能力者であるSCP-650-JPの収容室に
J.Fを名乗る別の現実改変能力者(詳しくはSCP-2996を参照)が現れ、
脱走を持ちかけるtale。

J.Fの語る勧誘話の中に、財団からアノマリーを保護する組織として
名前こそ明言はされていませんが蛇の手と思しき組織が登場しています。

第4位 壊れた神の教会

壊れた神の教会のイメージ

私たちは彼の時計仕掛けの召使い!
私たちは彼の作品をなす!
逆らうものたちも私たちを許すだろう
彼らが理解できるようになったとき!

─ "彼の時計仕掛けの召使い" より

壊れた神の教会ハブ - SCP財団

壊れた神の教会のここがヤバい!

  • 自然の生命を軽蔑し、機械を崇拝する異常な信仰
  • 人類全体を機械に変換することが最終目的
  • 紀元前1千年より以前から存在し、ダエーバイトやサーキズムと大規模な戦争をした過去あり
  • 年間10~50億米ドルに及ぶ経済力

壊れた神の教会の概要

壊れた神の教会は、機械の優位性を信じ、
肉と生命を穢れたものだとする世界的な宗教カルトです。

紀元前1000年〜1200年にはすでに存在していたとされ、
多数のSCPオブジェクトの作成に関与した疑いがあり、
その中にはかつてダエーバイトやサーキズムの文明との間で行われた
大規模な戦争で使用された超常兵器も含まれています(肉の戦争)。

壊れた神の教会のメンバーは自然の生命が
本質的に邪悪なものであると信じているので
自分達の肉体を機械化することに積極的です。

彼らの最終目標は機械的および
技術的な手段を通じて彼らの神を修復することであり、
カノンによっては人類全体を機械化して
より大きな敵との戦いに備えることも含まれます。

長い時代の中で壊れた神の教会にはいくつかの分派に分かれましたが
中でも壊れた神の教会の教えを現代的に再解釈したマクスウェリズム協会は
若い世代のメディアやインターネットを通じた教化を試みており、
現実に対する最も深刻な脅威となっています。

壊れた神の教会に関連する報告書(tale)の一例

SCP-882 -機械

SCP-882 - SCP財団

他の金属を吸収し、成長する錆びた歯車の塊。

近くにいる人間の精神に影響を与え、
自身に金属を投げ入れるように強制する異常性を有しています。

SCP-217、SCP-1139、SCP-629と共に、
ツイステッドギアーズ=カクタスの提言にて
壊れた神の教会の信者たちが組み立てた巨大実体に
組み込まれたパーツの一つとして名前が挙げられていました。

SCP-2406 - 巨像

SCP-2406 - SCP財団

SCP-2406は高さ93mの核動力のオートマトン(巨像)で、
動作するには少なくとも6人の操縦者が必要だったと考えられています。

その正体は紀元前1000年頃に
壊れた神の教会の前身であるメカニト帝国が
サーキック・カルトとの戦争において使用した兵器であり、
自然核分裂路と同じメカニズムで
1200℃の高温を発生させることができたものと推察されています。

第3位 世界オカルト連合(GOC)

世界オカルト連合のロゴ

人類に仇なすものに私はこう言おう、世界オカルト連合は人類を全ての敵から守り通す用意は常に出来ていると。
それが例え何であれど。

─ "事務総長D. C. al Fine 国際連合世界オカルト連合"

世界オカルト連合ハブ - SCP財団

世界オカルト連合のここがヤバい!

  • 別名アノマリー絶対破壊するマン
  • SCP財団と同等、またはそれ以上の財力と影響力
  • レーザー兵器を含む近代的で強力な武装の数々
  • 各方面の超常現象技術に精通

世界オカルト連合の概要

国連世界オカルト連合(GOC)は
SCP財団の対抗組織の中でも最も有名なものの一つです。

財団と同じくアノマリーから人類を守ることを目的として
第二次大戦後に世界中の108のオカルト組織が集まって創設された団体であり、
組織のトップに立つ人物として連合事務総長で国籍不明のヨーロッパ系女性であるとされる
D.C. アルフィーネの存在が知られています。

財団がアノマリーの保護と研究を行うのに対して
GOCは逆にアノマリーを徹底的に破壊することでその目的を果たそうとします。

GOCはその方針から察せられるように極めて過激な団体であり
例え無害な存在でもアノマリーというだけで破壊及び殺害の対象となり、
中にはSCP-1261のように
アノマリーに暴露した一般人を集落ごと殲滅した事例もあります。

相容れない方針から財団とは基本的に敵対関係にありますが
人類を守るという根本的な理念は同じであるため
財団ですら破壊する以外に方法がないアノマリーに対峙するときなどは
一時的に共闘戦線を張ることもあります。

世界オカルト連合に関連する報告書(tale)の一例

SCP-1552 -夜の海ゆく船たちは

SCP-1552 - SCP財団

SCP-1552は自動で走行し、
まるで生き物のような振る舞いを見せる2隻のトロール漁船。

異常ではあったもののなんら害のないこのアノマリーに対し、
GOCはハープーン対艦ミサイルで攻撃を仕掛け、
うち一隻を沈没させてしまいます。

しかし、そのことで残った一隻による報復を受け
GOCの船舶は沈没させられる結果となりました。

例え無害であってもアノマリーは即破壊という
GOCの容赦のなさと悪役ぶりが顕著な報告書でしたね。

SCP-2002 -死した未来

SCP-2002 - SCP財団

SCP-2002は地球と直接衝突する軌道にあった
正体不明の球形の宇宙船でしたが
地球衝突に伴う影響を危惧したGOCのレーザー兵器によって撃墜され、
破片はサウジアラビアの砂漠上へと落下します。

財団がその破片を回収し調査したところ、
内部に26名の成人と500名以上の新生児が積まれていたことが発覚(もちろん全員死亡)。

さらにSCP-2002から回収された放送の内容から
それが22世紀の未来になんらかのオブジェクトの収容違反で発生した
Kクラスシナリオ級の災害から逃れてきた避難船であり、
内部の新生児は未来の財団が必死の研究によって
その感染に対する抵抗を与えることに成功した
人類最後の希望であったことも判明します。
(同乗していた成人はその世話係でした)

また、同じく放送の内容から、
SCP-2002が本来目指していた時間軸とは
異なる時間軸に迷い込んでしまったことも判明しており
その意味で彼らは二重の不幸に見舞われた形となります。

しかしながら、もし財団が
GOCによる撃墜の前にSCP-2002を無事に回収できていれば
その中の新生児を調べることで
将来起こるであろう恐るべき災害への備えが
いち早くできたかも知れなかったわけで、
そういう意味でもこれは何かと瑕疵の多いGOCの中でも
最大クラスのやらかしだったと言えるでしょう。

SCP-2845 -鹿神様

SCP-2845 - SCP財団

土星から飛来した
人の顔を持つ鹿のようなアノマリー。

物理的な攻撃に対する完璧な耐性と
物質の構造を組み替える脅威的な能力を持ち、
人類に明確に敵対的であったこのアノマリーに対して
財団はGOCからの全面的な支援を受けて共に戦いました。

第2位 カオス・インサージェンシー

カオスインサージェンシーのロゴ

我々はこの自然に対する冒涜に立ち向かおう。
我々はこの混沌に対し反逆しよう。
我々の道は拓けており、視界に曇りはなし。
我々は傷を浄めねばならない。この宇宙を癒さねばならない。
我々は13の財団監督者を抹殺しなければならない。

─ "DJ・カクタスの提言III THEWAY IT END" より

カオス・インサージェンシーハブ - SCP財団

カオス・インサージェンシーのここがヤバい!

  • 元財団の離脱者で構成されており、財団の内部事情に精通
  • 財団から奪った複数のアノマリーを所有
  • 財団に対して極めて敵対的

カオス・インサージェンシーの概要

カオス インサージェンシー(略称CI)の起源は1924年、
財団の最高意思決定機関であるO-5評議会が
「インサージェンシー」という名の特殊任務部隊を増設したことに端を欲します。

インサージェンシーの中心となったのは機動部隊アルファ-1、
通称"赤い右手"と呼ばれるO-5直属部隊のメンバーであり、
彼らは物資やセキュリティの面であらゆるリソースを利用することが可能でした。

そんな彼らに与えられた役割は財団の活動上どうしても発生する、
倫理的、あるいは政治的に問題のある所謂"汚い仕事"を密かにこなすこと。

組織としての評判や職員のモチベーション維持のため、
そういった汚れ仕事を外部にアウトソーシングする必要に迫られていた財団上層部は
インサージェンシーにその仕事を任せつつも
"表向きは"財団に敵対する離反者による要注意団体だと見せかけることで
限りなく低リスクに全ての問題を解決する見事なロジックを作り上げてみせたのでした。

しかし、そんな状態が24年続いた1948年
それまで財団のために働き続けていたインサージェンシーが
何の前触れもなく突如として財団を裏切り、
複数のサイトを襲撃して深刻な損害を与えたほか、
いくつかのSCPオブジェクトを財団から奪取して自分達の戦力に加えました。

さらにこの時、彼らは自らの呼び名をカオス・インサージェンシーと改め、
今度こそ正真正銘の「要注意団体」となったのです。

カオス・インサージェンシーに関連する報告書(tale)の一例

カオス・インサージェンシーは元財団の反乱組織という
敵として非常にわかりやすい設定があるためか
様々な報告書中に財団の敵として登場しています。

元財団という出自からSCP財団の内部事情に通じていること、
複数のSCPオブジェクトを所有していることを考慮すると
要注意団体の中でもそのリスク度は最上位に位置すると言えるでしょう。

SCP-001 (DJ・カクタス/ツイステッドギアーズの提言 III)

DJ・カクタスの提言III - SCP財団 - SCP財団

DJ・カクタス氏による複数のSCP-001報告書をまとめた中の一作である
「PART FOUR THE WAY IT ENDS」では、
カオス・インサージェンシーのメンバーが
O-5のメンバーを次々に殺害していく様子が描かれます。

最終的にはO5全員の殺害を達成しており、
これがSCP-001報告書であることを踏まえても
カオス・インサージェンシーの潜在的な脅威度を示す好例ではないかと思います。

SCP-4746 - 死の標的

SCP-4746 - SCP財団

SCP-4746はカオス・インサージェンシーの元工作員。

財団側に寝返った報復として、カオス・インサージェンシーにより
「SCP-4746を速やかに殺害しなくてはならない」
という認識災害のターゲットにさせられてしまった経緯があり、
財団はそれを理解した上で彼の保護に成功したのですが
インタビューログ中のデービス博士は不運にも認識災害に暴露してしまっており
最後には雇用打ち切りを決定されてしまっています。

第1位 サーキック・カルト(サーキシズム)

サーキックカルトのロゴ

現代的なセクトは異なった解釈の産物であり、多くはその古代の前身となるカルトとの、単に表面的な類似を帯びるのみです。
最も予測していなかったこと ― 特に私のようなサーキシズムの初期の研究者の間で ― はその創設者たちの、見かけ上は善なる意図でした。
よく言われるように、地獄への道は善意で舗装されている ― 財団が常に心に留めおかねばならない警句ですが、我々と彼らの間には永遠とも言える距離があるにも関わらず、まさに同じ深淵を覗いているのです。

そして古代のサーカイトと同様、我々はそれが怪物に満ちていることを発見しました。

─ "サーキシズムへの人類学的アプローチ──ケーススタディ01: サルヴィのヴァシニャ" より

サーキシズム-ハブ - SCP財団

サーキック・カルトのここがヤバい!

  • 設立は紀元前1800年で世界中に信者を持つ
  • 肉の新しい時代をもたらし、人類を神格化することを目的としている
  • カニバリズム、殺人、テロ、薬物売買、アノマリー作成など目的のためなら手段は問わない
  • 政治家や業界リーダーなどの支配階級にも信者多数

サーキック・カルトの概要

別名Nälkä(空腹)としても知られるサーキック・カルト(サーキシズム)は
肉と病を崇拝する広範な宗教/哲学体系を持つカルト集団です。

"崇高なるカルキスト・イオン"と称され崇拝される
創設者によって何千年も前に設立され、
その後いくつかの分派に分裂しました。

イオンは元はダエーバイト文明に生まれた奴隷であり、
自身の信望者を率いてダエーバイトに対する反乱を起こし
ユーラシア全域に広がる大帝国(サーキック帝国)を築くことに成功します。

嗚呼、私らがどれだけあいつを憎んでいることか! あの呪われた信心深き異端者を、あの残忍なアルコーンどもを抱擁したあいつを、力に目を眩ませたあいつをだよ! イオン様はあいつを抑え込めなかった、堕落のままに動いたあいつを、ナルカの名に泥を塗ったあいつを! 我らは誉れ高き戦士なんだよ。かつて我らが憎ましきダエーバイトの下で苦しめられた、この不当な世界を浄化するんだ。なのにあいつ自身が他者を奴隷にしているじゃあないか! あいつみたいなあんな横暴な審問官がいて、どうすれば輝かしき帝国だったと言えよう? ~ ナルカの巫女、シスター・イオとの面談で

─ "カルキスト・ハリーナ=イエヴァ、またの名を”趾を求む母”" より

しかし、領土の拡大につれて
壊れた神の境界を含む他のいくつかの古代文明との軋轢が拡大。
やがて大規模な戦争へと発展してしまいます(オカルト戦争)。

この戦争は参加したすべての国家に多大な犠牲をもたらし
やがてサーキック帝国も崩壊。

その渦中で指導者のイオンが死亡したのか、
それともどこかに逃れて生き延びたのかは
今なお不明のままとなっています。

現代のサーキック・カルトの思想に目を向けると
その根幹には一個の人間が神格へと昇華できるという信仰があり、
先述したイオンはこれを果たした存在だと見なされています。

彼らは自分もイオンのような神に等しい存在となるため、
しばしば儀礼的なカニバリズム、人身御供、肉体の増生、
魔術、次元操作、そして他世界存在との契約を実践します。

とはいえサーキック・カルトの中でも
その活動内容や危険度には派閥によって大きな差があり、
例えばプロト-サーカイトと呼ばれる一派は
人里離れた田舎に住むことを好み、
謙虚さと自己犠牲を重んじる生活を営んでいるため相対的に見れば危険度は低めですが
一方でネオ-サーカイトと呼ばれる一派は
政治家や業界のリーダーなどを含むエリート層が中心となっていて、
一人のために他の多くの人間を犠牲とすることを信条としており
恐喝、殺人、強盗、ギャンブル、売春、人身売買、麻薬密売、武器密売など
あらゆる反社会的な活動に関与している極めて危険な存在です。

こうした出自と現状から、サーキック・カルトは
SCP財団だけでなく世界オカルト連合、壊れた神の教会、蛇の手、
境界線イニシアチブなど多くの団体から脅威とみなされ、対立しています。

サーキック・カルトに関連する報告書(tale)の一例

サーキック・カルトはその設定上、
宗教的、オカルト的要素のあるSCPオブジェクトの発生源となる例が多く、
その度に多くの悲惨な犠牲が出ています。

SCP-2095 - ギャロス包囲戦

SCP-2095 - SCP財団

エーゲ海のギャロス島という無人島に位置する
大部分が地下に埋もれたサーキストの寺院。

その正体はオカルト戦争の時代に
拠点として利用されていた巨大な有機生命体の死骸であり、
かつてはSCP-2095の食糧として
膨大な数の生贄が日常的に捧げられていたことが
発見された文献から明らかとなりました。

SCP-2478 - 一般的日本人

SCP-2478 - SCP財団

SCP-2478は14本の腕に14本の脚、7個の頭部、7組の内臓を持ちながら
脳は胴体に一つだけしかなく、性器は7つの機能しない男性器、または女性器を持つ
身長2.8m、体重400kgの巨大な人型実体の集団の総称です。

SCP-2478は飛騨訛りの流暢な日本語で会話をすることが可能であり、
また日本人の血を引く人間に対してのみ、
自身のことを巨人症に苦しむ普通の人間だと認識させる
反ミーム的特性を備えていることから、その容貌にもかかわらず
戦時下には日本軍の一員として戦列に加わっていた事実があります。

その後の財団による調査や
収容されたSCP-2478個体へのインタビュー記録から、
SCP-2478の正体はかつて飛騨山脈で生活していた被差別階級の村民たちであり、
明治12年(西暦1879年)に同村を訪れた「ゐおん様」なる人物の手によって
現在の姿へと「作り直された」ものと見られています。

SCP-2478-01: 我らの菩薩、ゐおん様から霊験を授かったのだ。
彼のお方は我々の村に来訪し、我々の苦境に慈悲をもたれた。
肉と皮を分かち、死体を地へと還す、我々の同胞が嘲るその生業を誉めてくださった。
ゐおん様は我らの肉を7つに裂き、我らを受け入れられる日本人へと作り直してくださった。

SCP-2478-01: 社会の一員になれるなら、何も問題ではない。俺たちは今世でも来世でも受け入れられると、ゐおん様は仰った。

この「ゐおん様」がイオン当人だったのか
それとも名前だけ借りた別人だったのかは不明ですが、
サーキック・カルトと繋がりのある人物であったことは間違いなく、
SCP-2478の存在は、その影響力が近代日本にまで及んでいたことを示す
象徴的な一例であると言えるでしょう。

おわりに

冒頭で解説したように今回の選定にあたっては
影響力や活動内容を指標になるべく説得力のあるランキングにしようとしていたのですが、
記事を書くうちに自然とそれが「隣に住んでいて欲しくない度合い」へとスライドしていきました。

試しに一つ想像してみてほしいのですが、
例えばサーキック・カルトのメンバーが隣に住んでたら滅茶苦茶怖いですよね?
油断したらいつアノマリーに改造されるかわからないスリルというか(笑)。

変な話ですが、そんな馬鹿な妄想をしてしまうのも、
それぞれの要注意団体の設定が緻密に練られているからこそであるように思います。

この記事の執筆を通じて
今後も要注意団体に熱い視線を向けていきたいという思いが
より一層強くなりましたね。

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